3月25日(金) 安全の 過信が招く 被ばくかな 防護の壁が 五重と聞かされ
東京電力福島第一原発3号機のタービン建屋で、作業員3名が被ばく。このうちの2人は、汚染された水たまりの水に直接に接触していたが、その濃度が、一立方センチ当たり約390万ベクレルであったらしい。そして、被ばく量は、173から180 ミリシーベルトだったという。これは、緊急時に許される最大被ばく量とされる250ミリシーベルトを下回ってはいるが、入院して経過を観察することにしたようだ。
ここで問題は、作業員たちが、放射線被ばくを受けているという警報装置からの信号を受け取っていたにもかかわらず、作業を続行していたことである。そういう命令であったのか、それとも、警報装置が誤作動したと勘違いをしたのか、事情はよくわからないが、危険な環境での作業者として、少し判断が甘かったと言わざるを得ない。
今回の事故については、初動の緩慢さが指摘されているが、日本の原発関係者全体に、危機管理面の甘さを指摘せざるを得ない。これは、これまであまりに、原子炉は五重の防護壁が設けられているから絶対に安全と言い過ぎたせいではなかっただろうか。今回のことで、この基本的認識は改められるに違いないが、安全信仰が孕む基本問題を考えざるを得なかった。
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