6月2日(日) カルタゴの 歴史を学ぶ! 通商で 栄華保つは 容易じゃないぞ!
フォレストトレンド勉強会の日。今日のテーマは、“森本哲郎著『ある通商国家の興亡』を読む”。
この本の出版は1989年のことであり、私が松下政経塾に入った頃に一度読んだことのある本であった。
この本のタイトルとなっている「通商国家」というのは、紀元前にローマとの闘い(ポエニ戦争)の中で滅亡してしまった北アフリカの国・カルタゴのことである。カルタゴは、今のチュニジアの海岸部分にかつて存在した国家である。カルタゴ人は、造船術や操船術に優れ、商才に富んでいたため、地中海全体を船で縦横無尽に駆け巡り、通商活動を通して豊かな国家を作り上げた。しかしそれが、ローマにとっての大きな脅威になり、ローマとの3度にわたる戦いの末に、カルタゴは完全に破壊され、消滅してしまうのである。
この本の著者・森本哲郎氏は、このカルタゴの姿が、現代の「経済大国」・日本の姿に重なって見えるとして、このカルタゴの興亡の歴史を日本人はよく学ばねばならないと主張しているのである。
確かに、改めてこの本を読み直してみると、今の日本が抱えている基本問題を時を超えて提起している本だと思った。有意義な時間であったと思う。
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