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5月31日(土) 訪ねしは 烏山頭ダム 嘉義農林 夕食相手は 台湾の人

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 今日は、台湾の中南部に日本人の足跡を訪ねてみようという日であった。具体的には、台南市の烏山頭ダムを訪問し、この地域の農民たちのために、全身全霊をかけてこのダム建設を含む水利事業を行って、今も多くの台湾人から尊敬されている八田與一氏の足跡、そして、昭和6年に甲子園に初出場し、準優勝した嘉義農林野球部を率いた近藤兵太郎監督の足跡を訪ねたのであった。
 これら2人は、数多くの困難を前にしながらも、台湾の人たちのことを第一に考え、私心を捨てて、信念を貫いた人たちであった。その無私の姿勢が、台湾の人たちから深く敬愛されたのであった。嘉義農林については、これまであまり広くは知られていなかったが、今年初め台湾で、この野球部の事を取り上げた映画「KANO」が上映されて、大ヒットを記録したことから、一気に関心を集めるようになっている。
 んな偉大な先人たちが活躍した場所を訪ねると、周りの台湾人たちの暖かい目があるせいか、こちらの心までほのぼのとした気持ちになってくる。先人たちに深く感謝したい気持ちになった。
 その後、台北市に戻って夕食であったが、その場には、昨年もお世話になった阮さんご夫妻が来て下さった。そして1つの丸テーブルを囲んで、様々な会話を楽しんだ。参加者にとって、思い出に残る一日であったと思う。

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5月30日(金) 台湾の 対日窓口 会長と 昼食しつつ 未来の懇談

 朝一番、台湾で一番古いお寺といわれる「龍山寺」に行く。そしてその後、蒋介石・元総統を顕彰している「中正紀念堂」を訪れる。それから、 二手に分かれ、一方は、完成当初は世界一の高さを誇った「台北101」に向かい、もう一方の私たちは、一度宿泊してるホテルに戻り打ち合わせ。そしてそれから、台北市内の別のホテルに向かった。

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 実は私たちは、亜東関係協会の李嘉進・会長に招かれて、昼食を共にしながらの懇談会を開くことになっていたのであった。その昼食懇談会に向かうことになったのは、私と妻、そして、東京からやってきた會田さんと松依さん、さらに、広島からやってきた細羽さんであった。李会長とは、昨年に続いて2度目の面会であるから、雰囲気もずいぶん打ち解けたものであった。そして、私たちのほうも、単に儀礼的な話し合いというよりも、何かを生み出せる話し合いをしたいと考えて臨んだものだから、とても活発な意見交換となった。そしてそれなりの成果のある話し合いを行うことができたのではないかと自負をしているものである。
 この懇談会の後、別のグループと「故宮博物院」で合流。展示を鑑賞した後、金鉱山閉山後の街並みを活用した観光地として知られる「九份」で、夕食。慌ただしい一日であった。

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5月29日(木) 台湾へ 14名にて 旅立てり 新たな扉を 開く旅なり

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 この日の夕刻、高松空港から台湾に旅立つ。今回の旅は、愛媛県から7名、香川県から1名、岡山県から2名、広島県から1名、大阪府から1名、そして東京から2名が参加する旅で、総勢は14名であった。
 昨年夏の台湾への旅に続いて、今回も、台湾の中に残された日本人や日本文化の足跡を訪ねてみようという目的を持つ旅であった。そして加えて、今回は、建設的な話を少しでもいいから進めてみたいという思いもあった。具体的には、昨年に続いて、亜東関係協会の李嘉進・会長にお会いして懇談する時間を取っていただいているが、単なる表敬ではなく、日本と台湾の双方に意味のある話し合いをしたいと考えている。つまり、新しい扉を開く旅であると心に期するものを持って旅立ったのである。
 旅行日程は、この日を含めて4日間。今日はもう、夜遅くホテルに入るだけの移動日。そして最終日も、お昼過ぎには空港に着いていなくてはならないから、半日しかないと考えれば、実質的には2日半の短い旅である。そこに思い切りいろいろな日程を押し込んだ。
 しかし、人生が長寿であるよりも、何をなすかが大切だと言われる如く、旅も、その限られた時間で何を成し遂げるかが問われるだろう。ぜひ有意義な旅にしたいと思う。

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5月28日(水) アフガンの 戦闘部隊は 撤退しても 治安は守ると 米大統領

 オバマ米大統領は、この日、米陸軍士官学校の卒業式で演説。前日に、アフガニスタンの駐留米軍を2,016年末までに完全撤退すると発表したばかりであるが、今日は、戦闘部隊が任務を終える2014年末以降も、 9,800人の米軍の駐留させて、治安改善に責任を持つ姿勢を示したそうである。一方で軍隊の完全撤兵を表明しつつ、もう一方では、治安改善に限られたこととは言いながら、引き続いての軍隊の駐留を表明するというのは、二律背反という印象を与えかねない。おそらくは、完全撤兵のメッセージは米国国内向けのものであり、軍隊駐留維持のメッセージは、アフガニスタン国内盤には国際社会向けのものということであろう。

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 初当選のときには、アメリカの国がいかに困難な問題を抱えていても、“Yes, We Can”の精神で乗り越えられるのだと訴えかけたオバマ大統領は、複雑な現実政治の中で、 その主張は内部崩壊を起こし始めているという印象もある。また、米国の政治的・軍事的な存在感が低下しつつあるという指摘もなされる中で、残された任期をどのように務めあげていくこととなるのであろうか。そしてアメリカをどのように導いていくのであろうか。オバマ大統領の顔から生気が失われてきつつあると感じているのは、私だけではあるまい。

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5月27日(火) グーグルが 自動運転 試作車公開 アメリカ企業 頑張りますね

 インターネットの検索事業を中心に、急速な成長を遂げてきたアメリカのグーグル社は、この日、自社で設計し試作した自動運転車を公開。この自動車には、自動運転の開始と終了を支持するボタンがあるだけで、ハンドルやアクセル、ブレーキなどは取り付けられていないそうである。大きさは、ゴルフカート程度の2人乗り。この自動車に搭載しているセンサーやカメラを使って、市街地で完全自動操縦を行うということである。
  グーグルでは、この試作車を、向こう2年間で約100台生産して、走行試験を行う予定。そして、2年以内にカリフォルニア州で小規模な試験運用を始め、 2020年頃には、実用化を目指したいとしている。
 この実用化によって、単に人を運転の煩わしから解放するというだけでなく、交通事故の犠牲者数を半減することも目標として考えているらしい。

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 現在の情報技術などの進歩発展ぶりからすれば、いずれの日にか自動運転車が実現されるだろうとは考えていたが、その開発主体が、自動車会社ではなくて、お門違いとも思える情報企業であるということが興味深い。しかも、もう2020年には実用化という性急な算盤勘定である。アメリカ企業恐るべし、という印象であった。

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5月26日(月) ウクライナ 大統領には 実業家 破綻国家の 再建託され

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 混乱が続くウクライナで、 25日に大統領選挙が実施された。その結果、欧州連合との統合を掲げて戦った大富豪のポロシェンコ元外相が、約54%の得票率で圧勝。第2位は、元首相のティモシェンコ氏で、約13%であった。
 しかし、今回の大統領選挙で圧倒的な民意が示されたからといって、ウクライナ政治がこれから安定に向かうかといえば、そんなに容易なことではなさそうである。ウクライナ東部では、親露派による分離独立の動きが続いている。事実上を独立した形となっているクリミア半島に対する対応も、今後の大きな課題である。ウクライナ政府の財政赤字の対応や、クルド人問題の解決も迫られる。
 ウクライナ国民は、これら難問山積の政治状況を打開し、国家を再建するために、経営者としての手腕がよく知られているポロシェンコ氏を大統領に選んだということであろうか。
 選挙の時のスローガンは、「新しい生活を!」というものであったそうだ。長く続いた混乱の中で、国民は疲れ切っている。争いに飽き飽きとしている。国家が毅然と進む方向を示し、新しい秩序を築き上げ、そのもとで国民が安心して生活できるウクライナにして欲しい、今回の選挙報道を聴きながら、そんな声が聞こえてきた気がしたのである。

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5月25日(日) マッカーサーが この世を去りて 半世紀 その亡霊は 今も彷徨う

 今回の四国マグマ・アカデミーでは、「ダグラス・マッカーサーの人生と連合国軍最高司令官としての日本統治」について論じた。そのマッカーサーが亡くなったのは、 1964年の4月5日。したがって、今年はちょうど、没後50年の年ということになる。

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 マッカーサーは、日本側ポツダム宣言を受諾し降伏することを明らかにした2週間後の8月30日に、神奈川県の厚木海軍飛行場に到着。そして、 9月2日には、戦艦ミズーリ艦上で戦争終結の調印式。それ以来、1951年の4月11日まで、日本の統治に力を尽くした。彼の伝記によれば、この期間中、一日も休むことなく仕事に取り組んだという。この統治期間中に成した大きな仕事の1つが、「日本国憲法」制定にあったことは、衆目の一致するところであろう。彼は、マッカーサーノートを示し、戦後日本が向かうべき方向を示し、それに基づく憲法制定を求めた。
 その中に、天皇象徴制や軍隊不保持などが含まれていて、彼が新しい世界秩序作りに向けて、その実験場を日本に求めた姿勢が垣間見られる。その時から数えると、もうすぐ70年の年月である。今日本では、憲法をめぐる議論が盛んになってきているが、その種子は、この時にマッカーサーによって播かれたものである。その亡霊は、今もこの日本の国をさまよっているようである。

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5月24日(土) 鍾馗さん 「だいち2号」を 背負いこんで 五月の空に 舞い昇りたり

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 鹿児島県の種子島宇宙センターから、国産ロケット「H2A」の24号機が打ち上げられ、成功。これで、打ち上げ能力を増強した「H2B」を含めた大型ロケット打ち上げは、 28機中27機が成功ということになり、成功率は96.4%となった。信頼性においては、世界のロケット市場で十分に通用するレベルに達したと考えられる。
 今回、積載した衛星は、「だいち2号」という陸域観測技術衛星である。旧「だいち」衛星に比べて、格段に性能を高めていて、地上のものの識別能力も高く、また広域を一度に観測できる衛星とのことである。大地震や大噴火を引き起こす前兆を示す地形変化や災害状況調査、さらには、森林保全状況の調査などにも役立つとされている。「百聞は一見にしかず」といわれるが、よく見ることは、よく理解することにつながる。この衛星をよく活用して、国土の保全や活用に資することを期待したいと思う。
 5月といえば、「五月晴れ」。まさに今日はそんな晴れ上がった空であった。そして、「端午の節句」に飾られるのは「鍾馗さん」。魔除けの効験があるとされ、京都などでは、厄除けとしてこの像が屋根の上に乗せられているという。宇宙からこの「鍾馗さん」のご利益が及ばんことを願いたいと思う。

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5月23日(金) 科学の火 国産ウランの 産出地 人形峠の ハチは死せるか

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 昨日は、「北播政経懇話会」での講演の後、豊岡市に移動。この土地で活躍された教育者、東井義雄先生の記念館とご自宅を訪問して、先生の遺徳をしのんだ。そしてその後、城崎温泉に宿泊し、外湯めぐりを楽しんだ。
 今日は、そこからの帰り道、かつて大きな鉄道事故を起こした「余部鉄橋」、世界ジオパークに認定された「山陰ジオパーク」などを見学し、さらにかつてウラン鉱石が採掘されていた「人形峠」を訪れ、また、岡山県立博物館でこの日から開催されていた「山田方谷展」の様子を覗いてみた。
 ここで特筆しておきたいと考えるのは、「人形峠」のことである。ここは、岡山県と鳥取県の県境にある峠であり、 1955年にウラン鉱床が発見され、その後ウラン濃縮原型プラントなども建設された。しかし、品質が低くて採算に合わないとして、採掘が中止され、燃料プラントも2001年に閉鎖された。その後も、ウランを取り出した残土保管の問題がたびたび取り上げられてきたので、この機会に一度その様子を見ておこうと訪れたのであった。
 ここには一般の人を対象とした展示施設もあったが、訪れる人も少なく、機器のメンテナンスも十分になされていない様子であった。「人形峠」の名は、この峠に住むハチの怪物をやっつけるために、ここに人形を置いたことに由来するらしい。刺しても刺しても倒れない人形相手に、結局ハチの怪物は、疲れ果てて死んでしまったという。はてはて…。

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5月22日(木) 官兵衛の 生誕地とや 北播で 「在野の政治」を 語りかけたり

 北播磨にある西脇市のホテルでの講演。お招きいただいたのは、「北播政経懇話会」という、神戸新聞社が事務局を担当して地域の政治家や経営者たちを集めて定期的に開催している会合であった。
 テーマは、「『在野の政治家』という新しい政治家像を求めて」というものであった。 私がなぜ在野での活動を求めたのか、その背景にある日本の政治問題とは何なのか、そして現在の活動状況はいかなるものなのか、そのようなことを、約1時間半にわたって講演した。地域を代表する方々が集っていたが、真剣に話を聞いていただけたと思う。

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 この西脇市というのは、一説では、黒田官兵衛の生誕地とされている。ここに黒田庄という土地があり、その土地こそが官兵衛の誕生地だと言うのである。官兵衛の人生は、いまNHKの大河ドラマで紹介されているが、祖父の時代には目薬の行商をしていたような家に生まれ、小寺家で家老を務めていたが、秀吉との出会いにより、軍師として大活躍。大名にまでなった男である。その一方、私はといえば、世間的に言えばこれと逆コースの下り坂の人生。しかし、私自身は「在野の政治家」こそがこの時代に求められる政治家像と考えていて、その重要性をこの官兵衛出生地(?)の皆さんに熱く語りかけたのであった。

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5月21日(水) 道中に 訪ねし書寫山 圓教寺 静かにたたずむ 寺であったよ

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 翌22日に兵庫県西脇市での講演が予定されていて、今日の夜は、その担当者から、夕食をとりながらの懇談をしたいとの申し出があったので、昼過ぎに自宅を出て、兵庫県に向かう。
 その道中に立ち寄ったのが、姫路市にある「書寫山・圓教寺」。ここは、「西の比叡山」とも呼ばれている由緒ある寺院であり、三木城の別所氏が反旗を翻した時に、黒田官兵衛の進言によって、秀吉がこの場所に本陣を移したとされている。また、「ラストサムライ」のロケ地にも使われた場所である。以前から一度訪れてみたいと考えていた場所であった。
 この書寫山・圓教寺には、ロープウエーを使って上り、さらに、その山頂ロープウェイ駅から中型バスに乗って寺建物のあるエリアまで移動する。姫路の中心地からそれほど離れた場所ではないが、交通の便からいうならば、必ずしも便利な場所ではなく、それだけに、人里離れた深山幽谷の趣を持つ寺であった。
 この寺域を、妻とともに歩いて回ったが、さすがに「西の比叡山」と称されるだけあって、立派な構えの建物が多数あった。ただ、訪れた時間帯が夕刻だったせいもあるのかもしれないが、僧侶の姿を見かけることもほとんど無く、静かに眠っている風情であった。心静かなひとときを過ごしたのであった。

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5月20日(火) 混迷の タイではついに 戒厳令 民主政治に 届かぬ国だね…

 インラック首相が退陣に追い込まれるなど、政治的混迷が長く続いてきたタイにおいて、ついに軍隊がその収拾に動き始めた。この日の早朝に、プラユット陸軍司令官がテレビ演説を行い、全土に戒厳令を発令したと発表。タクシン派と反タクシン派の双方に、活動の即時中止を求めた。
 タイでは、これまでも、国内の政治的混乱が深まった場面で、幾度も軍が表舞台に出てきてその収拾に当たってきた。まず軍がクーデターを起こし、それをプミポン国王が追認することによって、そのクーデターを正当化し、国内秩序を回復したうえで、民生に戻すというのがタイでは普通のことのようで、今回の戒厳令に対しても、国内は総じて落ち着いた状況だという。

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 やはり、民主主義政治というのは、国民の高い政治意識に基づいて成り立つ政治形態だということだろう。だから、国民の政治意識がきちんと形成されていないところに、制度だけ民主主義的制度を導入しても、それは決してうまく機能していかないということなのだと思う。少し前に伊藤博文について論じる勉強会を開いたが、彼は日本国民に対する政治教育の重要性を力説したという。それがよくわかる気がした今回の問題であった。

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5月19日(月) 国内の 自動車8社が 共同で エンジン技術を 開発するって?

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 日本国内の自動車企業8社は、この日、次世代エンジンの共同研究に乗り出すと発表。「自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)」を設立した。この研究組合では、ディーゼルエンジンの二酸化炭素排出量を3割減らす技術を開発するほか、ガソリンエンジンの燃焼技術向上研究にも取り組むとしている。具体的には現状では4割程度の熱効率を5割に高めるのが最終的目標だと言う。
 この組合の年間予算は約10億円。自動車メーカーの年間研究開発予算は数千億円といわれることから、決してその金額は大きなものではないが、基礎技術分野に限られたものとはいえ、これまで激しい競争を繰り広げてきた国内自動車会社が、協調して技術開発に取り組む意義は大きなものだと思う。
 しかし懸念もある。これまでもいろいろな産業分野で、国が主導する形での共同研究開発事業が行われてきたが、これが成果だといえるような顕著な結果は出されていない。基礎技術分野のことであるから、成果が目に見えにくいという一面はあるとしても、やはり常日頃競い合っている者同士が一緒に手を結んで何かを成すということの難しさがあるということであろうか。この協同組合の今後に期待をしたいと思う。

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5月18日(日) 憲法が 不磨の大典 などじゃなく 伸縮自在の ゴムだとどうなの?

 民主党の大畠章宏幹事長が、日曜討論で、「憲法の解釈変更問題」について面白い発言をしたそうだ。安倍内閣は、限定的で必要最小限の範囲で憲法解釈を変えたいというが、「必要最小限」という表現は極めて曖昧なものであり、今後、政権が交代するたびに、「必要最小限」と強弁して解釈変更が自由にできるということになるならば 、憲法がゴムでできているように広がったり縮まったりする可能性がでてくると発言したというのである。

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 この指摘は、今回の解釈変更の議論に関して、本質を突いた問題提起だと私は思った。憲法とは、「国家権力の組織や権限、当地の根本規範となる基本原理・原則を定めた法規範」と定義される。国家として最も礎に置くべき法体系が、憲法改正の正式な手続きを経ることもなく、自由自在にその解釈を変えられるとなれば、日本の国の礎自身が簡単に揺らぐことにもなりかねない。そうなれば、確かに頼りない話である。かといって、憲法に縛られすぎて、変化する世の中に全く対応できないというのでは、法律として本末転倒となりかねない。
 今回の議論では、変えてはならないものと、時代変化に応じてある程度変えてよいものをどう峻別するのかという基本問題まで踏み込んだ検討を行わねばならないと思う。

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5月17日(土) 岡山で 高校生に 人生論! しっかり本物 見つめて生きよと

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 朝、橿樹舎を発って岡山市に向かう。岡山東商業高校の高校2年生約320名に対して、人生の基本的な考え方について語ってほしいとの依頼を受けてのことであった。
 実は、このしばらく、かなり日程的に厳しい日が続いていたので、講演依頼を受諾することに躊躇はあったが、人生の進路をめぐって多感な高校生時代に、人生の生き方ということについて、基本的な考え方に触れておくことは極めて有意義なことであろうと考え、 お受けした話であった。
 しかし考えてみれば、私の高校生時代と言えば、もう40年以上も昔のことである。関心も話題も異なる若い人たちに対して、いったい何を語り下げたらいいんだろうかと考えないわけではなかったが、こういう問題は策を弄しても仕方がないことである。率直に、自分が普段考えていることをお話しすることとし、彼らとの距離感を縮めるため、昔取った杵柄ならぬ、昔躓いたギターを引っ張り出してきて、歌を交えた話をすることにした。
 高校生たちとは言え、人生を16年も17年も生きてきた人たちである。その人たちに対して、たった1時間の話で何もかもを教えるなんてことはできるはずがない。人生について考え始めるきっかけだけ与えればいいのだ、そう考えて、話の内容を構成した。
 その率直さが良かったのかもしれない。高校生たちの心によく響く話だったのではないかと先生方から聞いて、胸を撫で下ろしたのであった。

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5月16日(金) インドでは 紅茶売りから 身を起こし 首相となる モディ氏に風吹く

 インドでは、定数545の下院総選挙が行われ、開票が行われた結果、最大野党であったインド人民党(BJP)が過半数の議席を獲得し勝利した。その結果、インドでは10年ぶりの政権交代が実現し、BJPの首相候補で、グジャラート州首相のナレンドラ・モディ氏が近々新首相に就任することが確実となった。
 私は、このモディ氏のことは全く知らないが、報道されているところを見ると、出身は、身分階層で言えば最下層に近いカーストに属している人のようである。小さな頃には紅茶売りをしたこともあったそうだが、ヒンズー教思想や文化の復興・革新を目指す「民族義勇団」に参加して次第に頭角を現し、 2001年にグジャラート州首相に就いたのだそうだ。そこで、「モディノミクス」とも称される積極果敢な経済政策を展開して、グジャラート州経済の大きく発展させた。その実績が高く評価され、今後のインド経済の発展への期待が、今回のインド人民党勝利に結び付いたのだと評価されている。

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 このモディ氏新首相就任の報道に呼応して、早速に、株や通貨、債券などが軒並み上昇しているという。
 巨大な国インドに吹き始めた新しい風、私も注目して見守っていきたいと思う。

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5月15日(木) 米国に おんぶにだっこ 日本は もう大人だと 解釈変更?

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 この日、首相の諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(略称・安保法制懇)」は、中国の急激な海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発などのわが国を取り巻く安全保障環境の悪化を考えれば、現在の憲法解釈を維持することは適当ではなく、「憲法上認められる必要最小限度の自衛権の中に、集団的自衛権も含まれると解釈してその行使を認めるべきだ」と指摘する報告書を安倍総理に提出。安倍総理はそれを受けて、さっそく記者会見を開催し、自らのこの問題に関する考え方を率直に国民に語りかけた。そして、「与党で憲法解釈の変更が必要と判断されれば、改正すべき法制の基本的方向の閣議決定する」と解釈変更の意欲を強く表明した。
 かつて、連合国軍最高司令官として日本の統治に当たったマッカーサーは、その仕事を解任されて帰国した後、「日本人は、 まだ12歳の少年だ」と語ったことが大きな話題になったが、その時から数えてもうすでに60年余り。経済的にも大きく発展し、自衛隊の整備も進み、日本も、いつまでも「アメリカにおんぶにだっこ」という子どものままではない、という意識が安倍総理の頭の中に生まれているのではなかろうか…。  
 

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5月14日(水) 内務卿 大久保利通 遭難の 日から数えて 136年…

 今日5月14日は、果断な改革を次々に成し遂げて、近代日本の礎を築いたとされる大久保利通が、紀尾井坂で暗殺された日である。享年49歳(満年齢47歳)であった。その日から数えると今日で136年ということになる。
 大久保は、寡黙で他を圧倒する意見を持ち、かつ冷静な理論家であったと言われる。福地源一郎などは、大久保の人物を「政治家に必要な冷血が溢れるほどあった人物である」と評したとされる。そんな人だっただけに、後世の社会的な評価は決して高くなく、郷里である鹿児島県においても、長く銅像も立てられなかったという。
 今NHKの大河ドラマでは、「軍師・官兵衛」が放映されているが、その中に登場する織田信長のような人物であったのではなかろうか。それならば、もう少し時が経てば、高く評価をされる人物になるかもしれない。

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 大久保は、新しい国づくりにおける自分の役割を、 30年の計画で考えていた、最初の10年が創業期、次の10年が産業を育成する期間、そして次の30年で、新しい世代を育てて世代交代を果たす考えであったそうだ。結局は創業期の10年を終えたところで命果ててしまったわけであるが、大久保の頭の中にはどんな日本のビジョンが描かれていたのであろうか。もしも大久保がもっと生きていたらどんな日本の国が生まれたのであろうか、興味深い人物である。

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5月13日(火) 日本の 50年後の 人口を 1億堅持と 「未来委」検討

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 内閣府に置かれている経済財政諮問会議の下で、将来の日本の姿を検討する「選択する未来委員会」が、今日、第7回会議を開催した。その場には、これまでの議論の中間整理案が提出されたが、それを見ると、日本が、現状のままで何もしなければ、極めて厳しく困難な未来が待ち受けていると強く指摘している。
 次のような指摘である。①日本経済の規模の縮小、②国民生活の低下、③格差の固定化・再生産、④地方自治体の4分の1以上の消滅可能性と東京の超高齢化、⑤財政破綻リスクと国際的地位の低下…。何とも心が重くなってしまうような将来展望である。
 しかしその一方で制度、政策や人々の意識が速やかに変わるならば、その未来は変えることができるとの指摘をしている。そしてそのためには、まずは人口減少の流れを食い止めなくてはならないとして、今から50年後にも、 1億人程度の安定した人口構造を保持することを目指すべきだと指摘している。それを実現するには、「若い世代や次の世代が豊かさを得て、結婚し、子供を産み育てられる」ように様々な改革を積極的に推進すべきであるというのである。
 今、「日本号」という飛行機が、急降下中であり、このままでは墜落してしまいかねないから、急いで機首を上げ、エンジンを全開しろと警鐘を打ち鳴らしているのである。

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5月12日(月) おかしいな カツオがとれん… 例年の 3割以下の 漁獲高とや

 初鰹の季節。初鰹といえば、山口素堂の俳句「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」が有名であるが、この初鰹は、江戸時代には、「女房を質に入れてでも食べたい」と言われるほどの人気であったようである。
 しかし、今年はこの初鰹漁に変調が起きている。これまでに経験したことのないような不漁に見舞われているというのである。鰹といえば、やはり高知県となるが、例えば中土佐町・久礼漁港の4月の水揚げ量は、前年の3割以下に落ち込んでいるのだそうだ。他の漁港での水揚げ量も、例年の2割から3割。そのせいで、初鰹の値段もかなり高くなっているいうことで、今年は、国民の口に入りにくいものとなっているようである。
 この不漁の原因は、1つには、例年よりも海水温が低くなっていることが指摘されている。なんでも、鰹は、低水温を嫌うのだそうだ。それからもひとつは、南の海域での他国漁船による乱獲が原因ではないかと指摘されている。熱帯の産卵域で、巻き網漁などで大量に漁獲することにより、生息数が減っているのではないかとみられている。

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 高知県の桂浜では、坂本龍馬の像が、「今、天下に何が起きとるがぜよ」と、首をかしげているのではないかという気がする。

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5月11日(日) 空海の時代 遠きに過ぎて なま身には 感じられない、 だから「風景」

 「四国人間論ゼミ」の日。今日取り上げたテーマは、「司馬遼太郎著『空海の風景』を読む」。
 今年は、四国八十八箇所霊場が開創されて、ちょうど1200年に当たるとして、NHKなどでは、空海を取り上げる番組なども制作され放映されている。そんなときだけに、一度、司馬遼太郎氏の代表作の一つとされる、この『空海の風景』を取り上げて論じてみたいと考えたのであった。

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 しかし、この本のタイトルが、なぜ『空海の風景』なのか。その答えを、司馬氏自身がこの作品の中で語っている。司馬氏は、空海が粋で活躍した時代というのが、もうはるか昔のことで、あまりに遠くを眺めるような気持ちになってしまうので、生身の人間として空海本人を描き出すことに大きな困難を感じたようである。それならば、空海を取り巻く様々な状況…それを司馬氏は「風景」と表現している…を描き出すことで、その中に存在する空海の姿を少しでも感じ取ってみたいと考えたそうである。
 作品全体を読んでみて、果たして司馬氏は、この目論見に成功したのか否か、それはよくわからなかった。ただ、著者の驚くべき知識量、洞察力、そして物語構成力の尋常ならざることはよくわかった。これは、大変な作品であると思う。

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5月10日(土) ASEANの 外相たちが 中国を 名指し批判し 共同声明

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 ミャンマーの首都・ネピドーで開催中のASEAN外相会議において、南シナ海をめぐる問題で異例の共同声明が発表された。
 これは、この会議直前に、ベトナムが領有権を主張する南シナ海の西沙諸島近海で、中国が石油掘削作業を始めようとしたことに対し、それを阻止しようとしたベトナム船との間で衝突が相次ぎ、それ以来相互のにらみ合いが続き、両国間の緊張が高まっていることを踏まえたものである。会議では、その当事国であるベトナムのファン・ビン・ミン副首相兼外相がこの問題の議論の口火を切り、同じく中国との間で領有権問題を抱えるフィリピンの出るロサリオ外相も、強く名指しで中国を批判。 ASEAN加盟国といっても、中国との関係においては必ずしも一枚岩でないため、参加国の間で激しい応酬が行われたそうであるが、結局、 ASEANの結束を優先する形で、共同声明を発表することになったということである。
 中国は、習近平政権発足後、周辺諸国に対して強硬姿勢が目立っている。経済的にも政治的にも影響力を強めてきた中国の自信の現われなのか、それとも、まだ政権基盤が弱くて、軍部や国民の声を抑え切れないのか、ともかく要注意である。

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5月9日(金) 消費税 増税前の 決算は 高水準なり 楽観できぬが…

 この日、上場企業の決算発表がピークを迎えた。
 東京証券取引所では、438社が決算発表。この日までに、株式時価総額ベースで7割にあたる上場企業が、3月期決算の発表を終えたということである。
 この結果を見ると、これら発表済み企業の前期経常利益は41%の増となっている。未発表分の見込みを含めた全体の増益率でも、34%となる見通しだという。これは、リーマンショック前の日本企業が最大の利益を上げていた時の94%に相当する水準になるのだそうだ。アベノミクス政策のもとで、企業収益の回復が見られているとされてきたが、実際にこういう数字を目の当たりにすると、想像を絶する成果を上げていると言わねばならないだろう。

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 しかし懸念材料がないわけではない。 3月期決算ということは、この4月に行われた消費税増税前の数字である。だから、この数字には駆け込み需要の要素も含まれているかもしれない。今後、この増税の影響が日本景気全体にどのような影響を及ぼすのか注視していかねばならないだろう。さらに国際的な経済状況にも不安材料がある。経済は生き物、今調子がいいからといって油断できないものであることを忘れてはならないだろう。

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5月8日(木) 3D プリンター製 拳銃が 話題となれり 技術の危うさ

 3Dプリンターで製造した拳銃2丁を所持していたとして、 27歳の大学職員が、銃刀法違反の疑いで逮捕された。 3Dプリンターによる銃器製造・所持による逮捕は、これが初めて。この職員は、 3Dプリンターをインターネットを通じて約6万円で購入したという。そして、拳銃の設計図は、アメリカのサイトからダウンロードして、それにさらに自分で改良を加えたということである。

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 この職員は、小学生の頃から銃に強い関心を持っていて、それを自分で作ってみたいと考えたらしい。そして、 「警察が、自分が作ったものを拳銃と認定したのであれば逮捕されても仕方がない」と語っていることからすると、銃を所持することの違法性を十分に認識していたようである。
 この事件は、先進的な科学技術の持つ危うさを示したものと言えそうである。 3Dプリンターは、金型を作ることもなく、簡単に立体物を作ることができる技術として、世界中で注目されている。しかも、装置自身も、決して高価なものではないから、一般人が個人の物として手に入れることも十分に可能である。だから、ものづくりに革命的な進歩をもたらすだろうと言われている。しかし優れた技術は、悪用される可能性もはらんでいる。それをどう考えるかということだ。

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5月7日(水) タイ政治 インラック首相の 失職に ハテハテこれが 民主主義国?

 政治的な混乱が続いているタイで、憲法裁判所が、国家安全保障会議の事務局長人事などをめぐって、インラック首相が職権を乱用したと認め、これを違憲とする判決を言い渡した。これによって、インラック首相は、即時失職となった。当面は、副首相の二ワットタムロン氏が首相職を代行するということであり、無政府状態となるわけではないようである。

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 私たち日本人の感覚からすれば、一体どうしてこんなに簡単に首相が失職してしまうのか、となりそうな話であるが、タイの憲法では、個人の利益のために公務員人事に介入することを禁じていて、それに反すれば、首相といえども、失職になるということである。今回の場合は、タクシン元首相の義理の兄を国家警察長官に就任させるために、意図的に国家安全保障会議の事務局長を異動させるなどの玉突き人事を行ったことが、個人の利益を実現するためのものであったと認定されたようである。が、そう聞いてもよく分からない。結局は、政争の一環としての判決と理解すべきものなのか。
 民主主義というのは、主権者である国民の意思を反映する政治形態であるが、世の中には、色々な民主主義があるものだと思う。

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5月6日(火) いよいよに ゴールデンウィークの 最終日 もっとも私にゃ 関係ないこと…だが…

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 テレビでニュースを見ていると、アナウンサーがしきりに、「今日はゴールデンウィークの最終日」と語っていた。人によっては、4月26日の土曜日から今日まで、 11日間連続しての休みを取った人もいたかもしれない。しかしほとんどの人は、この5月3日からの4日間の連休ということではなかったろうか。その休みも、いよいよ今日が最終日。これ以降は、7月21日の「海の日」まで国民の休日はないということである。
 そんなことを考えながら、自分のことを思う。今の私は、何らかの職に従事しているわけではないから、言ってみれば、毎日が休日のようなものである。自分でやりたいこと、またやらねばならないと考えることを、自分の判断で自由に時間を振り分けて行っている。それは決して暇で時間を持て余すというのではなくて、毎日びっしりとやるべき事が詰まっていて、見方によればひどく多忙なのであるが、それでも気分は至って楽である。とてもありがたい身の上である。
 しかしその分、自分で自分を律していく強い意志が求められる。また、なすべきことをきちんと見据える企画力も求められる。さらに、自由業ならではの社会的責任感も伴っていなければ、この生活を守ることはできないだろうと思う。そんなことをつらつらと思った一日であった。

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5月5日(月) 関東に 震度5弱の 地震あり 子どもの日との 関係連想!

 この日の午前5時過ぎ、東京で震度5弱の地震があった。気象庁によれば、この震源地は伊豆大島近海で、マグニチュードは6.0と推定されている。東京の23区内で震度5弱以上の地震が観測されたのは、東日本大震災以来のことだそうだ。
 ただ、震源地は太平洋プレート内部とのことであり、近い将来に発生が想定されているプレート間のズレが引き起こす首都直下地震とは関連性が薄いと気象庁では発表している。とりあえずは、一安心といったところか。

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 ところで、 5月5日といえば、こどもの日。古い時代から端午の節句として、男子の健やかな成長を願う行事が取り行われてきた日である。
 そこで、今日は、子どもをめぐる環境について思いをめぐらしてみたのであるが、このしばらくの日本社会においても、相変わらず多くの問題があると思う。そして、突然に何か大きな事件が起こるたびに、驚かされるのであるが、子供をめぐる環境には、毎日大きなストレスが溜まり続けているのではあるまいか。そしてそれが、いつの日にか、限界値を超えたときに大地震を引き起こすことになりはしないか、と気にかかってならないのである。
 今日朝の地震と子どもの問題を結びつけての連想であった。

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5月4日(日) 科学とは 人類普遍の 便利な道具 それを活かせる 足場があれば…

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 5月のトレンド勉強会。今回取り上げたテーマは、「科学技術問題」。村上陽一郎の著書『人間にとって科学とは何か』を議論の足場にしながら、これから科学技術をいかに活用しながら、時代を切り拓いていけばいいのかといった問題を論じあった。
 科学ということに限って言うならば、20世紀半ばあたりまでは、「知識の進歩のための科学」という考え方が主流であり、「社会のための科学」や「社会の中の科学」という考え方はあまり支持されなかったと著者は論じる。これは言い換えれば、現実社会と関わりを持たず、自分たちの好奇心を満足させるため、または自然の中に隠された神秘を解き明かすために、科学者たちは研究していたのだというのである。
 しかし、現代社会では、もうこんな考え方は通用しないだろう。今の日本でも、原子力発電所を今後どうすべきかという議論が巻き起こっているが、こんな問題にも、科学の進歩は、人間社会に幸福をもたらすものかどうかという基本的な疑問が生まれていると思うのである。
 私は、科学は確かに強力な道具であるが、それを人類社会の幸福のために使おうとすれば、それを善用しようとする思想と、現実社会に問題を引き起こさない社会システムを備えていなければならないと考えている。いかがであろうか。

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5月3日(土) 伊藤公 明治日本の 礎石なり 人生姿勢は 無欲の大欲?

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 「四国マグマ・アカデミー」の日。今回からは、追い求める大テーマを「日本のビジョン」として、まずは、日本の国のかたちを指し示す「憲法」を制定する上で功労のあった人々を取り上げて、その生き様や思想、憲法制定に至る過程を学び合うこととした。
 第一回目に取り上げたのは伊藤博文。彼は、アジアで初めてとなる憲法「大日本帝国憲法」の制定に、最も重要な働きをした人物と評されている。彼は貧しい家の生まれであるが、松下村塾で学ぶようになり、しかも、鎖国下で秘密裏に上海に渡航するなど、進取の気性に富むところもあり、だんだんと周りに認められて頭角を現す。特に、若い頃の海外経験による語学力を武器にして、海外の法律を日本に導入したり、また海外との調整に力を発揮するなどして、新政府における要職を務めることにもなった。
 そんな中で取り組んだのが、海外における憲法の調査であった。そこから、大日本帝国憲法制定の中心人物になっていくのである。
 彼の生き様はわかりにくい。それは、特定のイデオロギーや政策を振りかざして驀進するのではなく、周りの状況に細やかに配慮しながら、少しずつ状況を動かそうとするタイプの政治家だからである。だから、無欲に見える。しかし気づいてみれば、大きな仕事を成し遂げている。「無欲の大欲」という言葉がふさわしい人物かもしれないと思う。

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5月2日(金) 韓国で 地下鉄事故が 発生す 事故が続くは 国の体質?

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 先日の旅客船・セウォル号沈没事故の記憶が薄れないうちに、今度は、ソウルで、地下鉄事故が発生した。ホームに停車中の列車に後続列車が追突し、約200人の乗客が怪我をしたということである。
 マスコミ報道の論調を見ていると、韓国国内では、相次ぐ公共交通機関の事故に、行政機関や運行事業者の批判が高まっているということである。加えて、安全を軽視する韓国社会の歪みについて取り上げる報道も生まれてきている。
 韓国では、短期間で大きな経済成長を成し遂げた。「漢江の奇跡」と呼ばれる70年代の経済成長政策導入後、わずか30年間の間に、一人当たりの国内総生産額は、74倍にまで達したのだそうだ。その急成長の背景には、多少違法なことをしても、非道徳的なことをしても、成果を出しさえすればそれが正当化されるという乱暴な考え方があったのではないかと指摘する識者もいる。「結果オーライ」という考え方である。
 この見方が正しいとするならば、韓国国内で大きな事故が相次ぐのは、ある特定の人や機関の責任というよりも、国が持つ体質によるものであると言わざるをえないかもしれない。よくよく考えねばならないことが含まれている気がしてならない。

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5月1日(木) 増税後 一月を経て 国民の 声静かなり 懸念残れど…

 5月になり、辺り一面が新緑美しい風景になっている。春が来ても、まだまだ寒い日が続くねなどと、ほんの1ヶ月前には語っていたはずなのであるが、この時期の季節の移り変わりは急である。「天行は健なり」という易教の言葉を思い出した。

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 ところで、 1ヶ月前といえば、大騒ぎして導入した「消費税増税」の日でもあった。その頃は、この増税に伴う日本経済の影響や消費者の生活苦の増大などが声高に語られていた。それだけに、その後の変化がいかなるものであるかということに私も関心を持っていたのであるが、全体的に言うならば、とても穏やかにこの増税が受け入れられた印象である。国民の消費も、増税前の駆け込み需要の影響で、一時的には落ち込みが見られたようであるが、もう1ヶ月も経ってみると、ほとんどの分野で元の水準に戻ってきているようである。国民からの増税批判の声も、それほどには顕著に現れていないと言っていいだろう。
 もっとも、この消費増税というのは、少しずつ毎日の負担増につながるものであるだけに、ボディーブローのように効いてくる性質を持っている。 1年半後に再び消費増税が予定されているわけであるが、その頃には、ずいぶん様相が変わっているということになるかもしれない、そんな懸念が頭から離れないのである。

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