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6月30日(火) 驚愕だ! 新幹線での 焼身自殺 燃え上がったは 壊れた心?

 神奈川県小田原市を走行中だった新大阪行きの東海道新幹線のぞみ225号で、車内火災が発生。その新幹線は急停止して、乗務員によって、火は間もなく消し止められたが、新幹線のダイヤは大きく乱れた。
 目撃者の話によれば、一人の男が、油のような液体を自らかぶったり、周辺に撒き散らしたりし、それにライターで火をつけたということである。自殺とみられている。そして、一人の女性が、これに巻き込まれて死亡。
 何とも言いようのない事件である。これまでも他人を巻き込んでの自殺というのは、無かったわけではない。しかしわざわざ高速走行中の新幹線車両の内部で、不特定多数の人たちを巻き込む可能性の高い形で自殺するというのは、あまり聞いたことがない。いや、新幹線ということに限れば、これが初めての事件である。

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 この自殺した男は、その日のうちに特定され、東京に住む71歳の男と報道されたが、お金に困っていたということである。それにしても、こんな事件を起こすということは、その心がひどく壊れてしまっていたということだろうか。
 テレビでは、安全を確保するために、新幹線でも荷物チェックを行うだとか、車内にスプリンクラーをつけるだとかいった提案がなされていたが、そんなモノの側面の対策だけではこの問題は解決しないだろう。心が問題を生み出したのなら、その心の問題に切り込まねばならない。それをどうするのか。深く考えたいテーマである。

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6月29日(月) EUの 内部に生じた ガン除去は 外科の手術? 抗ガン治療?

 この27日に、チプラス首相が、欧州連合が求める緊縮策を受け入れるか否かを国民投票にかけるとしたことに対して、欧州連合側は、ギリシャが緊縮策を受け入れない限り、支援延長には応じないと決定。
 ギリシャの3年物国債の利率は、前週末の20%近辺から一気に37%台まで跳ね上がり、最高水準に達した。それに対し、国際金融市場では、投資家たちがリスク回避に動き、株安が一気に世界に波及している。

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 ここで同時に広がっているのが、ギリシャをユーロ圏から離脱させるというシナリオである。ここに至るまで、ヨーロッパの単一通貨ユーロは、その利便性と安定性から、通貨として拡大を続けてきた。しかし、その通貨を守るには、安定した金融秩序が必要である。ギリシャがそれに対応できないならば、もうユーロ圏からギリシャを切り離さざるを得ないというのである。しかしそれは、通貨ユーロの安定性を自ら否定することにつながり、国際決済通貨としての信認を失うことにもなるのではないかと案じられている。
 いささか不適切な例えになるかもしれないが、通貨ユーロにがん細胞が生じ、それがどんどんと増殖することにより、ユーロ本体の存続が危ぶまれるという事態なのである。それを前に、外科手術で取り除くか、抗がん剤などの治療で抑え込むか、その判断が求められているということだろう…。しかし欧州連合の中には、スペインやイタリアのような予備軍もある。この問題は簡単には解決しない問題のようである。

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6月28日(日) 世の中は 表舞台と 裏舞台 闇の鬼らが つくりし日本

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 「四国マグマ・アカデミー」の日。今回取り上げたのは、今からちょうど30年前に出版された『鬼がつくった国・日本』という本であった。これは、当時、大阪大学助教授をしていた小松和彦氏と、写真家の内藤正敏氏が行った対談を取りまとめた本であった。
 著者たちは、鬼といえば、今日では空想上の悪のシンボルとして語られることが多いが、かつては、権力に敗北した者、社会の周辺に排除された者たちであったのではないかと論じている。そして、そのような権力にまつろわぬ者たちの怨念や陰の力から、支配者層が、自分たちの立場や社会を守るために、強力な国家をつくってきたのではなかったかと主張する。だから、日本は「鬼がつくった国」とも言えるのではないか、そう論じているのである。
 そして、この鬼たちがいる闇の世界こそが、日本の中にものすごいイマジネーションを生み出して、それが様々な文化を生み出してきたのではなかったかとも論じる。
 しかし、現代社会は、この鬼たちが住まう闇の世界を人々から奪ってきた。そして日本人の闇の世界に対する感性も鈍くなってしまった。それが結局は、日本人の「根」を失わせてしまったのではないかというのである。
 今回の勉強会は、闇の世界から日本を見るという試みであった。とても大切な一つの視点を得ることができた気がしたのである。

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6月27日(土) 古代には 哲学生んだ ギリシャなり かのソクラテスは いまどこにいる?

 ギリシャのチプラス首相は、欧州連合が求めている財政再建策をギリシャが受け入れるかどうかについて、この問題は「国民全体の責任でこたえる必要がある」として、その是非を判断する国民投票を実施すると決断。早速、ギリシャ国会がその日の午後に召集され、この国民投票実施を決定した。7月5日の日曜日に投票が行われ、その日のうちに開票作業も行われるということである。

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 このチプラス首相の判断は、EUが求める財政再建策に反対する立場で総選挙を戦った首相にとって、おそらくはギリギリのものであったに違いない。そして、民主主義国家として、国民生活の行方を決める重要な問題は、国民の意思に基づいて判断したいという考え方もわからないわけではない。
 しかし、EU首脳が指摘しているように、EU諸国に今後の協力を求めねばならない立場の首相が、その責任をEUに対して責任の取りようのない国民の判断に委ねたのは、為政者としての責任逃れではないかという批判も、そのとおりである。
 ギリシャといえば、古代に、哲学者ソクラテスを、民主主義の名のもとに死に追いやった国である。そのソクラテスは、「汝自身を知れ!」という、デルフォイ神殿の言葉を大切にしていた。ソクラテスが今のギリシャ国民に対して、真理の言葉を語りかけたならば、やはり死刑が議決されたであろうか…。そんなソクラテスは、今のギリシャのどこにいるのであろうか。

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6月26日(金) テロ多発 窮鼠が猫を 噛むごとし 何がここまで 追い詰めたのか?

 世界中でテロが相次いだ一日であった。
 北アフリカのチュニジアでは、観光ホテルが襲撃され、地元メディアによれば27人が死亡したそうだ。フランスでは、リヨン郊外のガス工場が襲撃され、大きな爆発が発生。近くで頭部が切断された1人の遺体が見つかったほか、数多くの怪我人が出ている様子。クウェートでは、イスラム教シーア派のモスクを狙った自爆攻撃が行われ、10人が死亡したとされる。これらのいずれの事件も、イスラム過激派が関与したものとみられている。

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 これら一連の事件で感じられるのは、その襲撃対象の広がりである。これまでは、イスラム圏に様々な圧力や感化を与える欧米の政府や軍、またはメディアなどが対象になっていたと思うが、今回は、もうなんでもありという印象である。例えて言えば、「窮鼠猫を噛む」といった形のテロになってきているのではあるまいか。犯行グループ側は、大義を振りかざした説明をしているのであろうが、横から見ていると、物理的にも精神的にも追い込まれた結果として起きているテロという印象である。
 ここまで、イスラム過激派を追いつめた原因は一体何なのであろうか。アメリカが中心となって展開してきたテロ包囲網が効果を上げているのかもしれない。それと同時に、過激派内部でも、だんだんと厳しい問題が生まれてきているのではあるまいか。
 両者ともに、考えねばならないことがあると思う。

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6月25日(木) たま駅長 ローカル線で 出世遂げ あの世に行って 神となるらむ

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 朝起きてテレビを見ていると、和歌山電鐵貴志川線の貴志駅で駅長を務めていた「たま」が死去したと、報じられた。この「たま」は、単なる駅長ではなく、観光客へのアピールが評価され、「スーパー駅長」、続いて「ウルトラ駅長」、さらには「和歌山電鐵社長代理」にまで昇進した。また、和歌山県からは、「和歌山県勲功爵」や「和歌山県観光招き大明神」などの称号も与えられた。もともとは、貴志駅で売店をやっていた小山商店の飼い猫であったそうであるが、その後の出世ぶりなどが、大きな話題となり、おそらくは日本で最も有名な猫であったのではあるまいか。
 実は、私も、「たま」に会いに行ったことがある。和歌山県で講演があったときに、同行した妻が、「ぜひ、たま電車に乗って、たまに会いに行きたい」というものだから、わざわざ訪れたのであった。(もっとも、たま駅長は、ガラスに囲まれた駅長室で就寝中であり、その寝顔を見ただけであったが…。)それでも、楽しい雰囲気に満ちた「たま電車」や猫の顔の形に作られた駅舎、様々なグッズ・土産品等は、とても興味深いものであった。
 「たま」は、名誉永久駅長のポストに就いていたが、おそらく、宣伝上手な両備グループの小嶋光信社長の発想からして、死後も、「猫神サマ」となって、観光客誘致に働き続けることになるのだろうな…。なんともご苦労様である。

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6月24日(水) 西讃を 駆け巡りたり 市長や 青年たちと 語り合いたり

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 今日は、香川県の西部地域、つまり、観音寺市と三豊市でのキャラバン活動。香川県の人は、この二つの市を合わせて、よく「西讃」と呼んでいる。
 そして、このエリアのいちばん西の端にある豊浜地区が、かつて総理大臣を務めた大平正芳氏の出身地である。大平氏は、ちょうど35年前の衆参同日選挙最中に、この世を去った。その慰霊の思いを込めて、この西讃地区を駆け巡ったのであった。
 まず訪れたのが、観音寺市役所。大平教育長に面会して、教育の様々な問題について、意見交換。その後、市長室を訪れ、白川市長とも意見交換。その後、市役所近くの「大平正芳記念館」を訪問。しかし、今年の春、閉館されたとの掲示があり、チャイムを鳴らしてはみたが、反応なし。そこで、生誕地の豊浜を訪れ、公民館の一角に設けられた展示を見て、生前のご活躍を偲んだのであった。
 それから、三豊市に移動し、「宗吉かわらの里」へ。ここで、横山・三豊市長にお会いすることになっていたからである。せっかくの機会であり、展示も見せていただく。そして、市長と意見交換した後は、この場に、地域おこしに関係する人たちが数多く集まっての交流会。この地域で活躍する様々な人たちが一堂に会して交流する中に、私も入れていただいて、参加者と語り合う。
 いろいろなことを考えた有意義な一日であった。

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6月23日(火) 沖縄戦 20万余の 犠牲の果てに 終結したるは 70年前!

 民間人までも大きく巻き込んで行われた沖縄戦。その終結から、ちょうど70年である。この日は、最後の激戦地となった沖縄県糸満市摩文仁の「平和記念公園」で、全戦没者追悼式が営まれた。
 この沖縄での激戦は、戦争終結直前の昭和20年3月26日に始まり、今日6月23日まで行われた。約3か月間の激しい戦いであった。その中で、日本人の死者は、民間人も含め18万8,000人と言われる。沖縄県民の四人に一人が命を落としたとされる。一方、米軍側も、1万2,000人が命を落としたと言われる。合わせて20万人以上の人が犠牲となったわけである。改めて、これら戦没者に対して、心からの哀悼の念を捧げたいと思う。

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 その戦いから70年を経た今、皮肉なことではあるが、再びこの沖縄地域に、きな臭い匂いが漂い始めている。中国が尖閣諸島の領有権を主張し、また西太平洋地域に海軍力を急速に増強してきた結果、新たな武力衝突の可能性が高まっているのである。
 それだけに、沖縄県民は、中国の動きに神経質になると同時に、米軍の動向にも強い危惧を抱いているに違いない。米軍普天間基地移転問題に関して、翁長・沖縄県知事が、沖縄県民の心を理解してほしいとよく語っているが、確かに私たちは、県民の不安心理、そしてそれを理解しない政治家への不満や不信について、もっと深く理解しなければならないと思う。そんなことを考えた一日であった。

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6月22日(月) 日韓が 国交回復 50年! まだまだ先は 乱気流だが…

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 今日は、日本と韓国が国交正常化を果たした「日韓基本条約」締結からちょうど50年という日。これまで、歴史認識問題や竹島問題、従軍慰安婦問題などを巡って、首脳会談が開催できないほどに険悪な関係になっていた日韓両政府であったが、この日は、在韓日本国大使館がソウルで開催した記念式典に朴大統領が出席し、一方、在日韓国大使館が東京で開催した式典には、安倍総理が出席し、両国が歩み寄る形が実現した。
 しかし、これで楽観的な見通しが立つわけではないと思う。政治家やオピニオンリーダーたちが、自らの求心力を強めるために、相手を必要以上に批判し、国民次元での対立感情を強く煽ってきたことから、単にトップ・リーダーがここで和解を演出したとしても、対立関係が簡単に収束するわけではない。これから長い年月にわたって、両国政府や経済界、文化団体などが信頼関係を醸成し、さらに両国民に対しての広い啓発を行って初めて、真の和解が実現するということになるであろう。まだまだ遠い道のりだと思う。
 しかしそれでも、両国にとっての歴史的な記念日に、その首脳が式典に列席したことには大きな意味がある。これを契機に、少しずつでも流れを変えていくことだ。そして、相互に尊重し合い一緒に歩んでいこうとする関係を、一歩ずつ築いていくことが大事だと思う。

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6月21日(日) 論ぜしは あの“窓ぎわの トットちゃん” 人の花園 トモエ学園

 教師人間論ゼミ。今回のテーマは、「窓ぎわのトットちゃん」。女優の黒柳徹子さんが、自分の子供時代を振り返りながら、教育のあり方について論じた本である。この話は、実話であり、登場人物も、実名である。ちなみに、「トットちゃん」というのは、黒柳さんが幼少時に呼ばれていた愛称なのだそうだ。
 この本は、一冊の本としては、日本の売り上げナンバーワンを誇っている。これまでに文庫本も含めて、800万部以上が売れたのだそうである。ちなみに第二位が、松下幸之助氏の『道をひらく』。これは、500万部余りの売り上げというから、『窓ぎわのトットちゃん』は、ダントツの売り上げである。加えて、この本は世界中で翻訳され売られていて、中国でも、640万部余りが売れたということである。

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 私がこの本を取り上げたのは、なぜこの本が、これほどまでに多くの人に読まれているのかという点に関心があったからである。単にタレント本としての話題性だけならば、これほどまでに売れることはなかっただろう。教育の本質に関わる大きな問題提起が、この本の中に含まれていると言わざるを得ない。
 それがいったい何かということであるが、私は、トットちゃんが学んだトモエ学園では、様々な子どもの個性が、それぞれに思いっきり花を開かせる教育が行われていたということだと思う。言うならば、トモエ学園とは、 「人間の花園」であったのだと思う。

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6月20日(土) 笠岡の 沖の小島の 飛島にて 人生語れり 響き合いだと…

 朝、岡山市内のホテルを出発し、浅口市や笠岡市で興味を感じた場所を訪れながら、午後1時過ぎに、笠岡港へ。ここで、興譲館高校が準備してくださっていたチャーター船に乗り込み、沖合の小島、大飛島へ向かう。
 実は、今日は、第3回「飛島で学ぶよりよい生き方講座」の日であった。そこで、「混迷の世に求められる『思考の三原則~吉田松陰と山田方谷の人生を貫いたものの考察~』というテーマで、講演を行ったのであった。

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 なぜ、この瀬戸内海の小島・飛島で講演会が開催されたかといえば、この島に、子どもがいなくなって使われなくなってしまっていた小・中学校の校舎があり、興譲館高校がそれを笠岡市から借りうけて、これから活用していこうとしていたのであった。スクーリングに活用するとすれば、これから設備の整備なども必要になることから、まずは、月に一回、この生き方講座を開催し、本格的運用に先立っての準備作業にかかっているということのようであった。今回の講座には、50名弱の参加があった。
 ここで私は、『思考の三原則』を中心にした講演を行った。世の中が混迷すればするほど、自分自身の生き方が強く求められてくる。より広く多くのものと響き合う生き方を求めていくと、結局は、吉田松陰や山田方谷がそうであったように、「より遠くより広くより根本的に」物事を捉える考え方が必要になるという話であった。

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6月19日(金) 岡山で ちょっと愉快な キャラバンだ 知事に会ったり 酒を飲んだり…

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 朝、橿樹舎を出発し、岡山市へ。明日、岡山県西部笠岡市の沖合の小島で、講演会があるので、この機会に、岡山市内でキャラバン活動を行うことにしたのである。
 まず最初に訪れたのが岡山県庁。先のシンポジウムでパネリストを務めていただいた、伊原木隆太・知事にご挨拶をして、少しの意見交換。知事は、6月県議会中のとても忙しい時期だったと思うが、快く応じてくださった。
 それから、岡山市内の様々な場所を訪問。今回は、特別に目的があったわけではなかったので、自動車を走らせながら、面白そうな場所を訪ねた。それらの中で特に強く印象に残ったのは、「半田山植物園」。小雨がパラつく中で、園内をのんびりと歩き、思索にふけった。雨のせいか、来園者は少なく、静かな時間を持つことができた。
 そして夜は、先のシンポジウムの打ち上げ会。私が岡山市を訪問する機会に、中心的に動いた方々が集ってくださり、小さな酒場で、楽しいひとときを過ごすことができた。岡山県商工会議所連合会の岡﨑会頭も参加して、参加者と闊達に語り合ってくださった。
 先のシンポでも述べたように、人材育成の基本は、「夢出せ!知恵出せ!元気出せ!」である。それらは、桃太郎の物語で言うならば、雉と猿と犬。それを一本の串で刺し通した「キビダンゴ」を連想した一日であった。

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6月18日(木) 誰でもが 立候補できる 選挙って…? 日本にいると 当たり前だが…

 香港の立法会(議会)は、香港政府が提出していた選挙制度改革法案を反対多数で否決。2017年に行われる香港行政長官選挙において、約500万人の有権者が票を投じる「普通選挙」実施は白紙となった。
 なぜこのような結果になったかといえば、「普通選挙」とは名ばかりであり、この選挙に立候補できる人というのが、事実上親中国派に限られるという制限が付されたものであったからである。当然、この背後には、中央政府の強い意向があった(具体的には、全国人民代表大会の決定があったということである)。
 そんな欺瞞的な制度改革に、学生たちが強く反発した。昨年には、香港の中心部を民主派デモ隊が長期間にわたって占拠した。しかしそれは、長期間にわたったことにより市民の支持が徐々に離れ、反対運動が内部分裂していくのを見て、最後は、政府側が実力で排除したのであった。

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 そして今回も、勝者のいない結果となった。香港における民主政治を目の前で一歩でも前進させようと考える人たちからすれば、成立させるべき改革案であったのだろう。一方、長期的な視野で考える人たちからすれば、否決すべき改革案であったはずだ。
 だから、今回の結果は、さらに香港における政治情勢を複雑なものにしてしまったと言わざるを得まい。「一国二制度」を信じて中国に復帰した香港の人たちのやるせない気持ちが重くのしかかってくる…。いつになれば、香港の人たちは、雨傘を手放すことができるのであろうか。

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6月17日(水) 選挙権 年齢2歳 引き下げる 法案成立 全会一致で

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 選挙権年齢をこれまでの「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が、参議院本会議で全会一致で可決され、成立した。これから約一年間の周知期間を経て実施される見通しということであり、おそらくは、来年夏の参議院議員選挙から、18歳と19歳の新有権者が投票できるということになりそうである。この改正によって、新たに有権者となるのは約240万人であり、全人口の2%弱ということである。
 言うまでもなく、投票という行為は、代議制民主主義の根幹をなすものである。だから、この投票行動が、歪みの少ない、社会的公平性を保証するものでなくてはならない。この機会に、新たに選挙権を獲得する若者だけではなく、全有権者に対して、民主主義の意味や重要性を含む啓蒙活動が展開されることを期待したいと思う。
 ところで今日のイラ短、国会議事堂の一方の側は、新たな有権者が加わって膨らんでいるが、もう一方の側には、穴が開いていて、そこから空気が抜けてしぼんでいるイラストを描いてみた。この意味は、一目瞭然であろう。若者層の投票率は極めて低く、年齢を下げて有権者数を増やしても、もう一方では投票に行かない人が多いので、決して投票者数が増えるわけではないという絵である。投票率が低ければ、選挙の正当性に疑問符が付くことになってしまう。せっかく全会一致で法案が成立したのだから、それが実質的な意味を持つものにしていくことが重要だろう。

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6月16日(火) 規制とは 水害防ぐ 堤防か? 飼い犬つなぐ ひものごときか?

 政府の規制改革会議が答申をまとめ、安倍総理に提出。その答申は、①健康・医療、②雇用、③農業、④投資促進、⑤地域活性化の5分野で182項目に及んだ。この答申を受けた安倍総理は、「さらに前を見て、規制改革に終わりはないという精神で取り組んでいきたい」と述べ、この答申に基づく実施計画を今月末にも閣議決定して、成長戦略の柱の一つとする考えのようだ。
 全体的には、あまり抜本的な改革と評すべき規制改革はなく、小改善の寄せ集めという印象である。しかし、私自身の経験からしても、その一つひとつの項目に、様々な利害関係者がいて、賛否両論激しくやり合ってきたのだろうと思う。規制改革会議の皆さんのここに至るまでのご苦労に、高く敬意を表したいと思う。

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 そもそも論となるが、私は、規制というものには、大きく分けて二つの意味があると考えている。一つには、社会全体を守る堤防の役割である。そしてもう一つは、一部の人たちだけが、自分たちの利益のためにあまり勝手なことをしないようにそれを抑制する役割、つまり、飼い犬をつないでいるひものような役割である。堤防は、危害を受けない範囲内でできるだけ遠くに移動させるほうがいいだろう。一方、飼い犬のひもは、問題を起こさない程度の長さにしておかねばならないだろう。これらにたった一つだけの絶対的な答えがある訳ではない。何よりも、塩梅が大事である。

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6月15日(月) 医療費の 抑制狙う 病床削減 算盤片手に 厚労大臣

 政府は、今日、2025年時点の病院ベッドの数を、現在よりも16万から20万床減らすという目標を示した。その理由というのが、病床数が多すぎると、不必要な入院が増えて、それが医療費が膨らむ要因になるからというものである。特に、長い治療が必要とされる慢性期の病床を約2割削減するとしているが、その人たちは、自宅や介護施設に移ってもらい、そこで治療を続けるという形を想定しているようだ。
 しかし、私が住む愛媛の場合でいえば、約6,200床の減少が目標として示されていて、それは、現在の病床数の約3割減ということになる。かなり大幅な削減計画であり、これは病院経営に大きな影響を及ぼすのみならず、地域医療計画そのものを抜本的に見直さなくてはならないという規模の削減である。この実現は、なかなか容易なことではないと言わざるを得ないだろう。

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 この問題は、国民の命に直結する問題であるだけに、何よりも国民側の理解が必要である。この改革が、国民に不安を与えるようでは、挫折するのが目に見えている。それを今後どのように進めていく考えなのであろうか。
 国民医療費が青天井でない以上、何らかの制限が加わるのは致し方のないことであるが、それがただ単に数字上だけの判断であっては、とても国民の理解は得られまい。
 厚労大臣の手腕が問われる問題であると思う。

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6月14日(日) 後半生を 尹鶴子(ユン・ハクジャ)として 一筋に 生き抜いた人 愛された人

 引き続いて、「四国人間論ゼミ」。ここでも、夏の旅に関連づけて、「田内千鶴子の人生と思想」をテーマとした。
 田内千鶴子さんは、日本が韓国を併合した2年後(1912年)に、高知市で生を受けている。そして7歳になったときに、父親が朝鮮総督府木浦支所で働いていた関係で、木浦に転居。そこでの生活が始まった。その頃は、何の不自由もないお嬢様の生活であったそうだ。その後、孤児たちを集めて育てている青年、尹致浩に出会い、その仕事を手伝ううちに、結婚。そして、日本の敗戦、さらには朝鮮戦争。様々な苦難を乗り越えて、その生涯に、3,000人もの孤児を育てたのだそうだ。
 その中では、日本人であるが故に差別され、命を奪われそうになることも度々であったようだ。日本に戻れと多くの人からアドバイスされたが、孤児を放って自分だけ戻るわけにはいかないと、自分の名前を韓国名「尹鶴子」とし、韓国社会に飛び込んで一筋に生き抜いたのであった。その結果、多くの人々から信頼され、韓国国家から勲章まで与えられた。その葬儀には、木浦市民3万人が参列し、その死を惜しんだという。

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 圧巻は、来日時、自らが重病になり、日本の病院に担ぎ込まれたときのこと。息子がここで入院しましょうというのに、本人は、「そんなお金があるのなら、園の孤児たちの高校進学費用に使いたい」と即座に断ったという話。徹頭徹尾、韓国の孤児のために自分の命までも注ぎ込んだ人であったということだ。すごい人だと思った。

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6月13日(土) 歴史への 思いは分かるが 真実を 歪曲するのは やり過ぎだよね

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 「フォレスト・トレンド勉強会」の日。今日のテーマは、「古代における日本と韓半島の関係を考える」。
 この夏に、各地の仲間に呼びかけて、30数名で、韓国・全羅南道を旅することとしているが、それに先立って、古代日本と深いつながりがあったとされる全羅南道地域に関する勉強会を開催したのであった。
 この勉強会のために、私は、様々な本に目を通してみた。そこで興味深かったのは、私たちは、学校で古代日本について学ぶ中で、「日本は、朝鮮半島を通して、中国の先進的な文化を学んだ」と教えられ、当時は、それにほとんど何の疑いを持つこともなかったが、実際には、もっと相互に影響を与え合った関係であったようだと指摘されていたことであった。私もその考え方に賛同することができた。
 歴史とは、「その国の履歴書」であると言われることがある。それを、他の国よりも優れたものとして表現したい気持ちはよくわかる。しかし、いくらその思いが強くても、客観的な事実、真実というものを歪めてはならない。ある本の中には、日本独自の「前方後円墳」が韓国内にあるのはおかしいと、その遺跡に土盛りをして、「3つの円墳」が集まった形の遺跡に変更した場所が紹介されていた。
 歴史学者が、決して悪意でやったものではないと信じたいが、私たちは、歴史上の事実に対して、もっと謙虚になる必要があると思った。

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6月12日(金) あの日から 35年…。 選挙中 大平総理が 亡くなった日だね…

 6月12日、といえば、大平正芳総理が、現職で亡くなった日である。それは、史上初の衆参同日選挙の選挙戦真っ只中のことであった。そして、党内の分裂などで批判の中にあった自由民主党は、この総理死去の後、「弔い選挙」の看板を掲げて戦い、結果的に大勝利を得ることができた。自由民主党は、衆議院で、511議席中284議席を獲得し、また参議院では、250議席中135議席を獲得した。まさに想定外の大勝利であった。

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 私が初めて県議選に出馬して当選したのが、この3年後のことであった。だから、大平総理には一度も会ったことがないのだが、出身地が隣県の香川県ということもあれば、非常に哲学的思索を好む政治家であったという点への共感もあって、今も強い関心を持っている政治家である。特に、「鈍牛」というニックネームを付けられて、必ずしも国民的に人気の高い政治家ではなかったが、自分の信念に従って、周りからの批判を恐れずに歩み続ける姿は、政治家として模範とすべき人であったと感じている。
 あぁあのときからもう35年も経ったのか、というのが率直な思いである。そしてこの年月の間に、数多くの総理大臣が政界の表舞台に立って仕事をしてきたはずであるが、記憶に深く残る総理大臣というのは、本当に片手で数えるくらいしかいない。私にとっては、大平総理は、そんな記憶に残る政治家の一人であった。

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6月11日(木) 政府内 対立演出? 環境相 石炭火力に 異議の発言!

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 望月義夫・環境大臣は、山口県宇部市に予定されている大型石炭火力発電所建設に対して、環境影響評価法に基づいて、この計画を認めない方針を表明。石炭火力は、発電コストが割安である反面、二酸化炭素排出量が多く、この種の計画を次々に認めていったならば、約15年後にCO2排出量を26%削減するとした目標がとても達成できないと判断したと想像される。翌12日には、宮沢・経済産業大臣に対して、意見書を提出するとのことである。
 しかし同時に、この環境大臣が打ち出した方針の背景には、原子力発電所再稼動の思惑も潜んでいるように思われる。先に発表した将来エネルギーのベストミックス方針によれば、原子力発電所の再稼働、さらに老朽原発の稼働期間延長も視野に入れていた。そしてこれが円滑に推進されなければ、CO2排出量の国際公約が果たされないことになりかねないのである。
 だから、政府としては、将来の電力不足に対する危機感を訴えかける中から、原発再稼働の世論の流れを作り上げようとする意図が、ここに見え隠れしている気がしてならないのである。
 少し穿った見方をしているかもしれないが、原発再稼働に賛成と言われる望月・環境大臣が投じたこの一石、今後どのような展開を見せるか、興味深い点である。

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6月10日(水) 財政は 入るを量りて 出ずるを制す! そこに漂う 国民感情?(イヤ‥酷民勘定!)

 政府はこの日、経済財政諮問会議を開催し、そこで、経済財政運営の基本方針(骨太方針)を審議した。
 それによれば、「経済再生なくして財政再建なし」の基本方針のもとに、「デフレ脱却・経済再生」を押し進めると同時に、「歳出改革」と「歳入改革」を加えた三本柱を推進するとしている。そして、2016から18年度までの3年間を、集中改革期間とし、その最終年度には、基礎的財政収支の赤字をGDPの1%程度にまで抑えると表現している。いよいよ安倍政権も、積極的な経済浮揚スタンスから、財政再建をしっかりと視野に入れた取り組みに移行していくということであろう。

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 よく財政の鉄則とは、「入るを量りて出ずるを制す」であると語られる。歳入の範囲内で歳出を考えることによって、財政は赤字にしないことが大事だと語った言葉である。これに異論を唱える人はほとんどいないだろう。
 しかし、これを律儀に実務的に行えばそれだけでいいかといえば、そうではないだろう。なぜかといえば、そこには単なる算盤勘定ではなく、様々な国民感情が絡んでくるからである。歳入を増やそうとすれば、増税反対の国民感情が生まれ、歳出を削ろうとすれば、既得権カットに対する国民の反発が生まれてくる。これは、多次元方程式などという問題ではなく、無限次元方程式とも言うべきものである。民とは、とかく自らを政治の犠牲者と考えたがる人たちである。安倍政権、これから先がさらに苦難の道であると思う。

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6月9日(火) 所有より 定額レンタル 時代だと アップル転換 音楽ビジネス

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 アップル社が、今月30日から、新たな音楽配信サービス「アップル・ミュージック」をスタートすると発表した。このサービスの特徴は、1か月9.99ドルを支払えば、アップルミュージックが保有している3,000万曲から好きなだけ音楽を聴けるという点にある。これまでの「iTunes」のサービスでは、自分が聴きたい曲を選び、対価を支払ってダウンロードする、つまり、ネットワーク上で必要な音楽データをそのたびに買い取るというスタイルであったのを、これからは、定額レンタル料で、いくらでも音楽データを貸し出すという形に転換したということである。その料金は、先に述べた通り9.99ドルであるから、CD1枚分以下の料金ということである。また、好みの音楽傾向を指示しておけば、自動的にその好みに合った音楽が選び出され、次々に再生されるというサービスも行われるのだそうだ。
 私は、この戦略変更に、時代潮流の変化を感じ取った。それは、「モノの時代」には、様々なモノを数多く所有することにこそ価値があると考えられてきたが、これからは、「所有」そのものではなく、「利用」にこそ価値がある、という考え方が主流になってくるということではなかろうか。
 アップル社は、常に時代の先を見て、新しいサービスと商品を世に出してきた会社である。だから、その動向に注目することには、大きな意味があると考えるのである。

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6月8日(月) 似るほどに 対立際立つ 世界かな! サミット閉幕 濃霧の中に

 ドイツ南部のエルマウで開催されていた「主要7か国(G7)首脳会議」は、日本時間ではこの日の夜、2日間の討議を終えて閉幕。首脳宣言を発表した。
 その宣言によれば、これら主要先進国は、「自由、民主主義の価値、法の支配、人権の尊重、主権と領土の一体性の堅持で、一致団結」すると表明されている。これは、アメリカのオバマ大統領と日本の安倍総理が中心になって、国際社会に影響力を強めている中国を牽制する思いを鮮明にしたものと言えるだろう。
 また、ロシアによるクリミア編入を改めて非難した。こちらのほうは、主にヨーロッパ諸国の懸念を取りまとめたものと言えるだろう。
 そのほかにも、自由経済推進や地球環境問題への対策なども、宣言の中に盛り込まれた。

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 国際社会における主要7か国が、今後も、力を合わせて国際秩序を守っていこうとする決意表明であったが、その内容を細かく見ると、当然のことながら、一枚岩ではない。中国とロシアを、西洋型先進諸国の目から、異質の国として捉え、批判を加えてはいるが、その解決策が具体的に提示されているという訳ではない。いわば、これからの国際社会は、先の見えない濃霧の中を進んでいく船のようなものかもしれない、というのが私の率直な思いであった。

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6月7日(日) “学問は 誠意のみ”ぞと 方谷さん 常にコップを 上に向けよと

 この日、イオンモール岡山の中にある「おかやま未来ホール」を会場に、山田方谷の生誕210年を記念した特別フォーラムが開催された。そしてその中心のイベントが、「山田方谷の想いをかたちに」というテーマを掲げたシンポジウムであった。
 ここで基調講演を務めたのが、下村博文・文部科学大臣。「教育再生。日本創生。」を演題として、現代の教育界の問題や今後の方向性について、興味深い講演を聴かせていただいた。そしてその後にパネルディスカッションがもたれたのであるが、そこで私は、コーディネーターを務めさせていただいた。ちなみにパネリストには、逢沢一郎・衆議院議員、伊原木隆太・岡山県知事、近藤隆則・高梁市長、宮長雅人・中国銀行頭取と、岡山県を代表する方々が揃っていた。そして、先に講演をされた下村文科大臣と、山田方谷の子孫でもある野島透・都市再生機構理事には、アドバイザーを務めていただいた。

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 この議論のテーマは、「故郷を創生する教育」というものであった。様々な視点から活発な議論を行い、最後には七項目の宣言を取りまとめることもできた。
 方谷は、「学問の道は誠意のみ」と語っている。まずは自分の心のコップを上向きにするところから学問は始まるのだと私は理解している。そしてその教えあってこその、地方創生であり、日本創生であると考えている。

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6月6日(土) にこやかな 笑顔と握手の その裏じゃ 対立強まる 日中対話

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 日本と中国は、北京で、「日中財務対話」を開催。日本の麻生太郎・財務大臣と、中国の楼継偉・財政大臣が意見交換を行った。驚くのは、この種会合が開催されたのが、3年2か月ぶりのことだということであった。両大臣が笑顔で握手を交わしている写真が、新聞紙面に掲載されていた。
 しかし、この会合が3年2か月も開かれなかったことに象徴されているように、この両大臣の笑顔と裏腹に、日中両国の間では、年々対立が深まっている。その一つが、今回の財務対話でも議論になったはずの「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を巡っての対立である。この新しい投資銀行設立は、これまで日本が中心となって運営してきた「アジア開発銀行(ADB)」の領域に、中国が殴り込みをかけてきた形である。もちろん、今現在の中国が持っている経済力に対して一定の配慮は必要であるが、問題は、中国が持つ自国利益を表に出しての強引な運営手法である。これは、早晩、様々な摩擦を、国際社会の中に生み出してくることとなるだろう。
 それは、南シナ海における軍備拡張の動きにも共通する。中国は、強大化した軍事力を背景にして、強引に自国権益を拡大しようとしている。それが周辺諸国に様々な波紋を広げている。尖閣諸島問題を抱えている日本においても、無関心ではおられず、ここでも対立が強まっている。
 今後の東アジアでは、権益拡大を強引に進めようとする中国との外交問題が、最大課題となるだろう。

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6月5日(金) サミットは 伊勢志摩開催 決定す 日本を深く 知って欲しいと

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 安倍総理は、ドイツ南部のエルマウで開催されるサミットの前に、ウクライナを訪問するため、今日、夫人とともに、羽田空港から旅立った。
 その前の記者との懇談の中で、総理は、来年日本で開催されるサミットの会場を「伊勢・志摩」に決定したと発表。そして、その選定理由について、「伊勢神宮の荘厳で凛とした空気を共有できればいい。志摩には大小の島々、美しい入り江という日本の原風景といえる自然があり、絶景を共に楽しみたい」と述べた。
 要するに、各国首脳が日本の国が持つ歴史と文化に触れることを通して、他の西欧諸国とは異なる日本の姿を発見してほしいと願ったということである。
 おそらくは、その背景には、西欧諸国で広がる「日本異質論」があるだろう。だから、日本をより広く理解してほしいと考えたのだろう。また、戦後70年を迎えて、日本政府がいかなる「70年談話」を発表するかに関心が強まっているが、西欧諸国が持つ論理と異なる日本の考え方を理解してほしいという願いもここに込められている気がする。
 しかし、人間の心の中を変えるというのはなかなか至難の業。果たして、サミットを伊勢・志摩で開催することで、狙い通りの成果が得られるかどうか、興味半分、疑問半分の思いで、この報道を受け止めたのであった。

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6月4日(木) “政治とは 水上の船” 連想す 天安門と 長江の事故

 今日で、天安門事件から26年。中国では、インターネット上での言論締め付けを一段と強化していて、この事件に関係して、共産党を批判する運動が拡大することを躍起になって押し止めようとしているようである。
 これで合点がいったのは、少し前に長江で起きた観光客船転覆事故に対して、共産党政権が意外と迅速な対応を行った理由である。事故直後に、李首相が現地に駆けつけ、できることはすべてやれと指示を出し、同時に、厳しい報道管制を実施した。おそらくは、天安門事件の記念日を前にして、この事故が政府批判拡大のきっかけになることを恐れたのであろう。

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 中国・唐の2代皇帝・太宗に、よく知られた『貞観政要』という書物がある。太宗が、部下とやりとりした話を取りまとめた本である。その冒頭近くに、「君は舟なり、人は水なり」という言葉がある。このあとには、「水はよく舟を載せ、またよく舟を覆す」と続いている。つまり、政治指導者というのは、一般庶民という水の上に浮かんでいる舟のようなものであり、普段はそのおかげで舟は順調に進むが、一度水が荒れ始めると、それによって舟は簡単に沈められてしまうものだ、という意味であろう。
 中共指導部が、この貞観政要の話と、長江での転覆事故を結びつけて考えたと想像することは難くない。だからこそ、舟の下にある水を騒がさない、という対策を迅速に取ったのであろう。

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6月3日(水) 四国でも 梅雨入り宣言 そう言えば 社会全体 ジメジメしてる

 気象庁は、今日、中四国地域で梅雨入りしたようだと発表。昨年に比べれば1日遅い梅雨入り宣言である。
 梅雨入りと聞くと、いよいよ蒸し暑い季節が始まると身構えてしまう。ほんの3か月前までは、毎日が寒くて、早く暖かくなってほしいと願っていたのに、ずいぶん身勝手な話だと苦笑い。
 社会を見渡してみると、なんとなく社会全体もジメジメしてきている印象である。日本のみならず世界各地で、様々な自然災害が起こっている。異常な犯罪事件も続発していて、このしばらくは、年金情報が不正アクセスによって盗まれた事件に関して、不審な電話がかかっているということである。また、今日は那覇空港で、航空機衝突事故に結び付きかねないトラブルもあった。韓国でのマーズ問題も気がかりである。

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 どうも世の中全体に、その問題解決の見通しがつかないぼんやりとした問題が多くなっている印象である。だから、人の心の中にもジメジメとした思いが広がっている。そしてその思いの上に、カビまで生えてきている印象である。
 こんな雰囲気が続けば、人々はその鬱屈した思いを晴らさんとして、一気に雲を晴らしていくような爆発現象を期待する心理が生まれてくるかもしれない。それが気がかりである。いつ、どんな形でそれが生まれてくるかは分からないが…。

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6月2日(火) 温暖化 ガス4分の 1減と 目標設定 サミット前に

 政府は、温暖化ガスの排出量を、2013年を基準年として、2030年までに26%削減するという目標案を了承。これは、安倍総理によれば、「国際的に遜色のない野心的な目標」ということになるが、これは、基本的に三つの前提条件のもとに実現できるプランである。

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 その第一は、国内で大きな問題になっている原子力発電所の再稼働である。とりわけ原発の稼働は原則40年までとしてきたが、それを延長運転しなければ、電源供給のベストミックス案で示された、原子力による電力供給量20から22%は、とても達成できない。この問題をいかに克服するか、政治力が問われるだろう。
 第二には、地熱や風力、水力、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーの供給量をいかに増やすかということである。今後の再生可能エネルギー振興策に注目したい。
 第三には、徹底的な省エネの推進である。今回の目標では、年に1.7%の経済成長を続けながらもエネルギー消費量を13%減少させるという目標を掲げている。その目標をいかに達成するか、この点もなかなか大変な目標であろうと考える。
 政府がこの時期にこの温暖化ガス削減目標を決定したのは、ドイツで開催されるG7サミットが目前に控えているからである。特に議長国ドイツがこの問題に熱心であるので、それに間に合うように決定したということだと思う。

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6月1日(月) 大量の 年金情報 流出って? ハッカーたちへの 効率化かも?

 日本年金機構が、国民年金や厚生年金などの加入者と受給者の個人情報が外部に流出したと発表。その流出情報の規模は、約125万件であった。氏名や生年月日のほか、住所や基礎年金番号なども流出したようである。

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 これらの情報が流出した原因は、職員が使っているパソコンに、外部からウィルスメールが送り込まれたためだそうだ。公的なメールを装った、ウィルス入りファイルが添付されたメールが送り込まれたのに対して、職員がそのファイルを開き、感染が拡大したという。ウィルス対策ソフトに引っかからない新種のウィルスが送り込まれたようである。機構の内規では、個人情報にはパスワードを設定して、それが簡単には開けないようにしなくてはならないとしていたのに対して、流出した情報の約半数に、そのパスワードが設定されていなかったという。これはおそらく、操作が煩瑣になることを嫌った結果であろうか。
 日本年金機構に対しては、これまでその業務の効率化が強く求められてきた。そこで、IT化についても精力的に進められたものと思われる。その結果が、皮肉なことであるが、今回の大量情報流出に結び付いたわけである。
 業務を効果的に展開するための効率化が、ハッカーが情報を盗み取る上での効率化にも結びついていたということだ。物事には、表があれば裏がある。今回は、はしなくもその裏面が現れてしまったということか。

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