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10月31日(土) エジプトで 旅客機墜落 ISが 犯行声明 ロシアは敵だと…

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 エジプト・シナイ半島南部の保養地、シャルムエルシェイクの空港から飛び立ったロシア・コガルイム航空のエアバスA321旅客機が、離陸20分後に、シナイ半島北部で墜落。搭乗していた224人の乗客・乗員は全てがロシア人とのことだが、全員が死亡したとみられている。
 この事故で気がかりなのは、この飛行機が、墜落の直前まで順調に飛行していたとみられること、そして、少し前からロシア軍が攻撃を始めた「IS」の支部を名乗る組織が、自らの犯行であると、インターネット上で発表しているとの情報があることである。とすれば、この墜落事故は、ISによるテロの可能性がある。細かな状況はよくわからないが、ISが高度1万メートルの航空機を狙って撃ち落とすミサイルを保有しているとは考えにくいので、おそらくは、何らかの形で機内に持ち込まれた爆発物による機体破壊が原因ではないかと想像できる。
 原因究明はこれから進められることになるだろうが、もしも今回の事故がテロリストによる犯行だとするならば、これからは、安心して飛行機に乗ることもできない世の中になってきたということになる。テロリストたちから敵国だとみなされれば、その国に関係する飛行機が次々に狙われるに違いないからである。もちろん、安全を確保するための検査体制は強化されるだろうが、全ての荷物を細かくチェックするわけにもいかず、それにも限界があるだろう。
 考えるだけで気が重くなる事件である。

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10月30日(金) 三豊市の 沖の粟島 志々島を 訪ね登るは 「島百名山」

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 今日は、香川県三豊市の島嶼部へのキャラバン。具体的には、「粟島」と「志々島」という二つの島を訪れた。
 その目的は、島民の生活ぶりと、「島百名山」という私が今提唱しているプランの実地調査であった。
 まず訪れたのが、「志々島」。この島は、周囲が3.8kmという小さな島である。かつて最盛期には、1,000人を数えたという島民も、今や20人足らず。過疎に苦しんでいる様子は、島内を歩いていてもよくわかる。廃屋となっている家があちこちにあった。
 ここでは、島のシンボルとなっている樹齢1200年とも言われる「大楠」を訪れた後、島の最高峰である「横尾の辻(標高109m)」に行った。そこは小さな公園風に整備されていて、潮風が心地よかった。
 次に訪れたのが、「粟島」。日本で最初の船員養成学校であった「国立粟島海員学校」があった島で、ここから海運業界に数多くの人材を送り出してきたが、昭和62年に廃校となり、その跡が「粟島海洋記念公園」となっている。島の周囲が16.5km。住民は、261人であるが、やはり高齢化が進んでいる。
 この島の最高峰は、「城山(じょうのやま、標高222m)であり、その登山道は、道幅が約2mもあり、よく整備されていた。展望台からは360度の全景を展望することができた。なかなか魅力的なハイキングコースとなりそうである。
 この日のキャラバンを通して、「島百名山」の取り組みに、大きな弾みがついた気がしている。

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10月29日(木) 中国が 人口政策 大転換 今後は人も 輸出する気か?

 中国では、少し前から「共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)が開催されていたが、この日、「次期5か年計画」の草案が採択され、その中に、「一組の夫婦が2人の子供を産むことができる政策を全面的に実施し、高齢化に積極的に対応する」という文言が盛り込まれた。いわゆる「一人っ子政策」が撤廃されることとなったのである。
 そもそもこの「一人っ子政策」は、かつての最高指導者毛沢東が、多産を奨励した結果として、その後全土で食糧危機が広がったことを反省する中で、世界的にも珍しい極めて厳格な産児制限を導入したものであった。しかし、その後、中国の工業化が進展する中で、かつて余剰とされた人口がその工業経済を支える労働力となったのである。しかし、このしばらくは、むしろ労働力不足となり、賃金の高騰を生み出していた。そこで、今後急速に進むと予測される高齢社会への対応としても、この制度の廃止を考えざるを得なかったということである。

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 以上が、一般に語られている話であるが、私の目には、物の輸出がだんだんと頭打ちとなる中で、中国の指導部は、中国人の輸出という観点からも、国家戦略を考え始めているのではないかとも見えてならない。中国人の移民を世界中にばらまくなかで、中国の国際的な影響力をさらに強めようと考えているのではないか。
 これは、少し穿った見方かもしれないが…。

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10月28日(水) 剣山 山頂上空 一歩を進め 世界を眼下に 気宇壮大なり

 徳島県の剣山へのキャラバン。朝、橿樹舎を出発し、まず向かったのが、三好市三野町にある三好長慶が生まれた場所とされる芝生城跡地。古の時代に思いを馳せた。そして、つるぎ町役場。ここで、色々な資料を手に入れる。それから、剣山登山のためのリフトが運行されている見ノ越へ。ここで登山リフトに乗る。
 このリフトは、標高1,420メートルの「見ノ越駅」から1,750メートルの「西島駅」まで、330メートルの高低差を約15分かけて移動するもので、上部の西島駅に着けば、そこから剣山の山頂までは、200メートル程度の高低差であるから、登山といっても比較的楽である。私も、40分くらい歩いて標高1,955メートルの山頂に到着。

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 この日は、日本列島全体が高気圧に覆われていて、剣山頂も、雲一つない青空。少しだけモヤがかかっていて、遠くの山々はかすんだ印象であった。しかし、展望台からは、周囲の山々を広く見渡すことができて、気宇壮大な気持ちになった。そして、詩聖・杜甫の有名な漢詩「望嶽」を思い出した。「まずまさに絶頂を凌ぎて、一覧衆山を小とすべし」と。杜甫ならずとも、高いところに登って、辺り一帯を見渡すときの気分は格別である。日常生活を離れて、世界全体を自分自身の中に取り込むような気持ちになることができる。
 この日は、剣山横の第二の高峰「次郎笈(じろうぎゅう、標高1,930メートル)」の途中まで行ってみたが、時間不足で山頂までの登山は諦め、下山。
 心に力が漲ったキャラバンであった。

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10月27日(火) 中国が 「領海」とせる 海域に 米イージス艦 ついに突入!

 アメリカ海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」が、中国が自らの「領海」と主張している南シナ海の人工島12カイリ内で哨戒活動を行った。アメリカ側は、埋め立てなどによって造られた人工島は、「領土」とはならず、当然その周辺海域も「領海」ではありえない、という立場であるが、中国外務省は、強くこれに反発。「米艦の行為は中国の主権と安全を脅し、地域の平和と安定を損ねる」として、「厳密な監視を続け、必要に応じてあらゆる措置をとる」と譲歩しない姿勢を示した。

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 いよいよ西太平洋地域で、アメリカと中国の厳しいにらみ合いが始まることとなりそうである。基本的な構図は、第二次世界大戦終了後、世界に覇を唱えてきたアメリカに対して、近年メキメキと政治的・軍事的に影響力を強めている中国がチャレンジする形である。両国はそれぞれ、大義を唱えて動いているが、その行き着く先はやはり、力の強弱を巡る競争ということになるだろう。イタリア・ルネサンス期の軍略家・マキャヴェリは、「権力者の間で信義が守られるのは力によってのみである」と喝破している。力の強い方が主張する正義が、最後には勝利を収めることになるのであろう。
 かつての冷戦時代を思い起こした、今回の事態である。

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10月26日(月) 大地震 今度はアフガン パキスタン やっぱり変調? 地球のガイア

 アフガニスタン北東部で、日本時間の午前6時すぎ、マグニチュード7.5の大地震が発生。隣国のパキスタンと合わせて、相当の被害が発生している様子である。この地域は、山岳部であるために、被害の状況はまだ明らかになっていないが、今年の4月ネパールで発生したマグニチュード7.8の地震では、約9,000人が犠牲になっていることから考えても、多くの人が犠牲になっているのではないかと思う。

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 それにしても、日本でも今年は、様々な地震や火山噴火、台風豪雨による被害など、多くの自然災害が起きているが、これは日本だけのことではなく、地球全体で何らかの変調をきたしていると考えるべきではなかろうか。
 かつて、地球全体が一つの生命体であるとする「ガイア論」が広く語られたことがあった。ガイアというのは、ギリシア神話に登場する女神であり、カオスの中から生まれ、世界の始まりの時から存在した原初神とされる。そのガイア神が、病んでしまっている印象である。今の国際社会では、その病気を治そうとして、様々な対症療法が次々に繰り出されているのであるが、それは必ずしもガイアの体質的な健康、つまり、全体としての大きな調和を回復させるものになり得ていないが故に、いつまでも問題が解決しないというだけではなく、年々深刻化しているのではあるまいか。
 こういう自然災害を通して、今こそ、人類の覚醒が求められているという気がしてならなかったのである。

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10月25日(日) 辺境人とは 自分で礎 創らずに 出来合い足場に 生きるものなり

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 引き続いて、今日は「四国マグマ・アカデミー」。今年になって「日本と日本人」を大テーマに掲げて議論を行っているが、今回取り上げたのは、内田樹著『日本辺境論』であった。この本は、2009年11月に発行された本であり、当時、ベストセラーにもなった。語り口調の易しい文章で書かれているが、日本の国の本質を考える上に、とても参考になる本であった。
 著者は、日本人とは、または日本文化とは何か、ということには一定の答えがあるわけではなく、「制度や文物そのものに意味があるのではなくて、ある制度や文物が別のより新しいものに取って代わられるときの変化の仕方に意味がある。より正確に言えば、変化の仕方が変化しないというところに意味がある」と、丸山眞男の主張を足場に論じている。そしてそれは、より直感的に語れば、「キョロキョロして新しいものを外なる世界に求める」態度とも言えるだろうと主張するのである。
 つまり、日本人は、中国を中心とした中華秩序という出来合い足場の上に、キョロキョロと世界を見渡して、何かいいものがあったら、それをすぐに取り入れて変化するという基本文化を持っているということである。だから、自分で中心柱を立てようとしない。どこかに自分を保証してくれるものを求めようとする。これこそが、「辺境人」の特質だというのである。

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10月24日(土) “これからの 道徳教育”? その前に 道徳ってのは 一体何なの?

 「教師人間論ゼミ」の日。今回取り上げたテーマは、「『これからの道徳教育(東信堂、村田昇・大谷光長編、1992年10月20日)』を読む」。
 道徳教育が、日本教育において重要な課題と認識され、活発な議論が行われるようになって久しい。子どもが犯罪者となる様々な事件が起こり、また子どもの自殺などの問題が提起されるたびに、この問題が蒸し返され、議論されてきた。しかし、その議論は堂々巡りであり、そのたびに、教育現場において様々な規制が加えられて、その議論につじつま合わせが行われるということを繰り返してきた。
 こういうことが繰り返されるのは、おそらく議論の足場がきちんと構えられないままに、その時々の報道や国民の気分に振り回される形での議論を繰り返してきたからではなかったか。ここで足場と言っているのは、「そもそも道徳というのは一体何なのか」ということについての大きな合意である。

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 この本に提起された興味深い論点は、道徳というものは、それ自体を目標とすべきものではなくて、何らかの目標に向けての活動を通してそれをよりよく果たそうとする中で自ずから生まれ出てくるものだと論じている点であった。だから、道徳教育とは、学校のみならず家庭や社会も含めて、すべての教育活動の中で獲得されるあらゆる文化的諸能力に支えられるべきものだというのである。

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10月23日(金) 中国は 基準金利の 引き下げと 銀行金利の 自由化決定 世界経済 洪水警報!

 中国の中央銀行である中国人民銀行が、追加の金融緩和として、貸出と預金の基準金利を0.25%下げると共に、市中銀行から預かる資金の比率である預金準備率を0.5%下げる決定を行った。これによって、市中により多くの通貨が流通するようにして、停滞気味の景気に刺激を与える狙いである。またこの日、中国人民銀行は、銀行が預金金利を決める際の上限規制を撤廃して、銀行金利を原則自由化することも発表した。銀行から先に流れる資金も、より自由に流れるようにしたということである。少し前から、中国における経済がかなり悪化しているのではないかという評価が広がっていたが、それを裏付ける今回の発表であった。

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 ここで考慮しておかねばならないことは、中国は今や世界第二位の経済大国。また、世界第一位の外貨準備高を持つ国でもあるということである。だから、そこから流れ出てくるお金の増減は、世界経済にも大きな影響を及ぼすに違いない。もしも一気に大量の資金が流れてくることになれば、中国国内のみならず、世界全体の市場にそのお金が溢れることになりかねない。それは世界各国の堤防を決壊させ、世界経済全体に大洪水が襲いかかることにもなりかねないのである。
 中国は、こと経済運営に関しては、世界を混乱に陥れるような乱暴なことはしないだろうと信じてはいるが、注意して見守っていかねばならないことだと考える。

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10月22日(木) 異様だね ドラフト会議の 雰囲気は… こんなもんかと 思いはするが…

 今年の「プロ野球ドラフト会議」が開催された。これは、日本のプロ野球球団が、新人選手と契約するためには、その前に、このドラフト会議(新人選手選択会議)で、契約を希望する選手に対する契約締結の交渉権を獲得しなければならないという制度である。選手側にしてみれば、自分が希望する球団が指名交渉権を獲得するわけではないから、不満の残る制度である。一方球団側にしても、どうしても手に入れたい選手を獲得できるわけではないから、こちらにも不満は残るだろう。これは、奴隷の人身売買とよく似た制度だと批判する人もいた。また、江川卓選手のように、策を駆使して、このくびきを逃れようとする選手もいた。

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 しかし、お金と人気のある球団が力のある選手を独占しては、ゲームが面白くなくなってしまい、野球の人気が衰退しかねないとの大義のもとに、異論を押し切って、1965年に、第一回ドラフト会議が開催された。それ以来、もう半世紀である。これだけ長い年月続いてくると、もうこのドラフト会議で入団球団が決まるのが当たり前ということとなり、逆に、このドラフト会議自身に、ゲームかお祭りのようなイメージさえ生まれてきている。
 私からすれば、こんなやり方で選手の人生が決められていくことへの違和感がどうしても拭えないのであるが、どんな制度を取り入れたとしても、永遠に解決しない問題だから、双方が納得しているのなら、これも仕方がないことだな、と思ったのであった。

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10月21日(水) 技術とは 夢に描けば 実現す? タイムマシンは 無理と思うが…

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 かつてヒットした映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』で、主人公たちがタイムトリップした未来が、2015年10月21日。つまり今日であった。映画に登場した自動車型タイムマシン「デロリアン」の走行イベントなども行われたということである。
 この映画が公開されたのが、1989年であったから、もう四半世紀以上も前である。あの当時、未来社会に人々が使っている道具として映画に登場していたものといえば、テレビ電話や小型タブレット端末、薄型テレビ、ホバーボードなどであったが、今テレビでそれらの映像を見せられても、違和感が全く何もない。映画の中に描かれた未来が、今や現実になっているということである。ただまだ現実化していないものとして受け止めざるを得ないのは、生ゴミを簡単に燃料に変換する装置と、タイムマシン。前者は、いずれ実現すると思うので、結局は、タイムマシンだけが残された大きな宿題ということになるだろう。
 今から15年前、21世紀が始まる頃には、1900年ごろに予測された未来の科学技術のリストが紹介され、そのほとんどが、21世紀初頭までに実現したと報じられたことがあったが、科学技術というものは、きちんとした議論を足場にして予測されるならば、それは早晩実現化されてくるということだろう。タイムマシンの実現というのは、今後も、ちょっと無理なことだと私には思われるが…。

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10月20日(火) 船木にて 教養講座 今回は “日本を感じた 全羅南道”

 船木公民館での講演会。今回は、この夏に全国の仲間たちと訪ねた韓国・全羅南道について、約30名の講演会参加者に対して、お話しした。掲げた講演タイトルは、「韓国・全羅南道で感じた日本」。
 このしばらく、日本と韓国の関係は、決して順調ではない。そして、韓国を毛嫌いする日本人が増えているという。しかし、全羅南道には、今もなお数多くの日本との交流の足跡が残っていて、私たちがマスコミなどを通して知る韓国とはずいぶん違う、日本との親和性が高い世界がある、ということをお話ししたのであった。
 まず最初に、この夏の旅の目的や日程などの概要を紹介し、それから旅の間に撮影した様々な写真をプロジェクターを使ってお見せした。そしてそれに、私の率直な印象や感想を加えて論じて、最後に、これからの日韓関係を考えるポイントについて、私の意見を述べた。

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 参加者の反応は、当初予想した以上に良かったように思う。やはり、長い交流の歴史を持つ隣国との間で、対立関係が続いていることへの疑問と問題意識を、多くの人が胸に抱いているのだろう。ただ、一般国民には、その問題をどう解決していいかわからない。そんなもどかしい気持ちに対して、私の話が、問題解決に一条の光を与えるものとなったということではなかったか。
 やはり人は、よく知らないものを愛することができない。まず学んでよく知ることが第一歩だと思う。

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10月19日(月) 携帯料金 確かに高いね もう既に 四半世紀も 使ってきたが…

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 総務省に設けられた「携帯電話に関する有識者会議」が初会合。安倍総理が指示した携帯電話料金の引き下げについて、本格的な検討を開始した。
 私自身が携帯電話を使い始めたのは、昭和62年。ショルダーホンといって、通信機本体を肩から下げて使う、小型バッグくらいの大きさの端末から、送受話器を内蔵した弁当箱サイズくらいの端末に、小型化されたときからである。もう四半世紀も前のことである。ただ、あの頃の携帯電話は、電池がすぐになくなってしまうため、長電話は御法度であった。また、通信料金も、驚くほど高かった。しかしそれでも、自動車で移動中に電話ができるということで、とても重宝したものである。
 その後は、その端末が、年ごとに小型化し、さらに機能も大幅に拡充されていった。そして今やスマホの時代になっている。技術進歩の目覚ましさには、驚きを禁じえない。と同時に、この携帯電話が、社会の姿を大きく変貌させていることにも関心を払わざるを得ない。これから先に、さらにどのような性能向上が図られていくのか、私には予想もつかないが、基本的なニーズにおいては、ほぼ頂点に達している印象もある。そうなると、これからの人々の関心は、やはり値下げに向かうことだろう。
 この有識者会議が、どのような指針を示すことになるのか、私も強い関心を持って、見守りたいと思う。

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10月18日(日) モラエスが 胸に抱きし サウダーデ 若葉書院の 秋に響けり

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 「四国人間論ゼミ」の日。今日のテーマは、新田次郎が新聞の連載小説として執筆を始め、その途上で急逝したため、息子である藤原正彦が書き継いだ小説『孤愁~サウダーデ』であった。新田次郎がこの小説で取り上げた人物は、明治中期に日本にやってきて、その後、長く日本で生活、母国ポルトガルに日本のことを文筆で伝えたポルトガル人、ヴェンセスラウ・デ・モラエスであった。
 モラエスは、神戸にポルトガル領事館を開設し、そこで外交官として活躍するのであるが、ここで知り合った芸妓・おヨネさんのことが忘れられず、彼女の故郷、徳島まで訪ねて行く。そして、彼女を領事館の仕事に就かせて身の回りの世話をさせるうちに、思いはますます募り、結婚。しかし、その結婚生活は長くは続かず、おヨネさんは病気で早世する。モラエスはその悲しみからなかなか抜け出せず、翌年には領事の職を辞して、おヨネさんの故郷の徳島市で生活を始める。そしてここで、75歳の命を終えるのである。
 新田次郎、そしてその筆を継いだ藤原正彦は、このモラエスの人生の底に流れていたものは、ポルトガル人独特の「サウダーデ」という心情ではなかったかと書き綴る。それが何かといえば、郷愁や憧憬、思慕、切なさなどと訳されるが、曰く言い難いものである。小説中では、日本人の「あはれ」や「はかなさ」によく似た心情として描かれている。
 時ちょうど、若葉書院も秋。人生の秋に、思いを巡らせたゼミであった。

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10月17日(土) 秋深し 新居浜太鼓の かきくらべ ワシントンでも それ見る人あり

 昨日から、勇壮さで知られる新居浜秋祭りが始まった。もっとも初日は、太鼓台の地元地区回りが中心であり、本格的な祭りは、今日と明日の二日間である。新居浜市内の様々な場所で、多くの太鼓台が集まって、重さ2トンもある太鼓台を、いかに長い間、そしていかに美しくかき続けるかを競う「かきくらべ」が行われた。もっとも私の場合は、OAK・TREE誌11月号の執筆や校正の仕事があり、また18日の四国人間論ゼミの準備も行わねばならなかったため、今年はほとんど見物に出かけることができず、この日の夜になって、地元のかきくらべ大会を少し覗いただけの祭りであった。

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 目を世界に転ずると、この「かきくらべ」を真剣な眼差しで見守っている女性がいる…。韓国の朴大統領である。彼女は今、ワシントンを訪れていて、オバマ大統領との首脳会談も行ったが、彼女のスタンスは、微妙なものであったようだ。近年、経済力においても政治力においても力を強めている中国に、韓国政府が大きく傾斜しているとされる中で、アメリカとの関係も重視したいとする朴大統領は、アメリカの友好国としての立場を強調したようであるが、その主張は、アメリカ政府に好感をもって受け入れられたわけではなかったようだ。それはそうだろう。
 「両雄並び立たず」という言葉があるが、覇権を巡っての争いに中立を保つことは困難である。アメリカと中国のかきくらべ、韓国はそのどちらに軍配を上げることになるのであろうか。

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10月16日(金) 自民党 税調再開! 第一は 消費税の 軽減税率

 自民党税制調査会の最高幹部会が、少し前に行われた内閣と党の人事後、初めて開催された。
 新しい税制調査会長は、内閣改造前まで経済産業大臣を務めていた宮沢洋一氏。これまでの税制調査会長といえば、自民党内のドンと呼ばれるような人が就任してきたことからすれば、驚くべき抜てき人事であった。これから安倍政権のもとで、消費税率の引き上げとそれに伴う軽減税率の問題に決着をつけねばならないこと、経済界から強い要望が出されている法人税の引き下げに取り組まねばならないこと、そして、先進国中最悪ともいわれる財政赤字の解消にも道筋をつけねばならないこと、など、大きな抜本改革に取り組まねばならない中で、財務省の影響をあまり受けない人物が選ばれたということであろうか。

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 その第一回目の会合では、この年末までに決着をつけねばならないとされる消費税導入時の軽減税率問題について、意見が交わされた。この点に関しては、少し前に財務省の案が提示されたが、その提案は手続きが煩瑣であり、国民からの支持を受けにくいということで、公明党が強く反対。自民党税調としても、この提案は採用しない方針を決定したようである。
 税をいかに設計するか、それは、その税の利害に関わる様々な圧力団体が存在することから、調整が大変な作業である。宮沢新会長の手腕に期待したいと思う。

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10月15日(木) 横浜の 巨大マンション 礎の 施工が不良… 今世の象徴?

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 横浜市にある巨大マンションで、基礎工事の施工不良が発覚。ここでは473本の杭を地中に打ち込んで、沈下しない堅固な基礎を造り、その上に建物を建設することとしていたのであるが、どうもその杭が、土中の固い支持層にまで到達していなかった可能性があるというのである。
 このマンションは、2007年12月に完成したもので、4棟全部を合わせれば、705戸にも及ぶ、一つの街と言ってもいいくらいの大規模なものである。そのうちの1棟の手すりで、最大2.4cmのずれが確認されたことから、その原因を調べる中で、この基礎部分の工事が不適切なものであったことがわかったのであった。地中に打ち込んだ杭の長さが足りず、8本の杭が支持層まで到達していなかったことが判明。さらには、その他の杭の工事データにも改ざんがあり、今の段階で、それが38本もあったことがわかった。
 どうしてこんなことが起こったのかということだが、担当者が、どうせ目に見えない場所の工事だから多少の不良工事も問題にならないと判断したのか、十分な安全率が確保されているから、多少の工事不良は影響なしと判断したのか、工期に迫られてやむを得ず、こんな判断をしたのか、その実態は、まだわからないが、今回のことで顕わとなった目に見えないところの手抜きという問題、日本の様々なところで起きていることではないかと、そこはかとない不安を胸に抱いたのであった。

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10月14日(水) 十年は 一昔なり 郵政の 民営化さえ もう過去のこと

 この10月14日というのは、ちょうど10年前に、参議院本会議で「郵政民営化法案」が可決、成立した日である。
 この当時、私は、現職衆議院議員であり、自民党の総務も務めていた関係で、この民営化法案がいかに大きな混乱の中で審議が行われ、成立したかということを、この目で見てきた。自民党内では、会合開催のたびに、民営化賛成グループと反対グループが激しくやりあって、大混乱であった。郵便局関係の会合では、私たちに対して、強い突き上げがあった。マスコミも、この議論を連日大きく報じ続けた。
 当時の小泉総理は、不退転の決意でこの法案を成立させると表明し、決して安易な妥協をしようとはせず、その姿勢を貫いた。そして最後には、総理は、この問題を国民に問いかける解散総選挙まで仕掛けた。自民党を除名されたり、離党する議員たちも多く現れ、さらに、その議員たちに対しては、「刺客」と呼ばれた対立候補が立てられるなど、話題の多い総選挙であった。このような様々な混乱を経て、この法案が10年前に成立したのであった。そして、郵政事業は、「日本郵政」という民間企業が行う事業となった。

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 それから10年、いよいよ日本郵政の株が上場されるという段階にまで至った。「十年一昔」というが、あの頃活発に議論し合ったことも、もうずいぶん昔の話であった気がしてくる。このような過程を経ながら、社会というのは大きく変わっていくものなのだろうと思う。

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10月13日(火) 沖縄県 辺野古工事の 取り消しは 国と地方の 大相撲かも?

 沖縄県の翁長知事が、「辺野古の埋め立て承認」を、その手続きに瑕疵があったとして、県として取り消したと発表。防衛省沖縄防衛局は、これに対して、その取り消し停止と効力停止を国土交通省に申し立てる方針。それに対して、沖縄県は、国交省がその効力停止を決め、今後、埋め立ての本体工事が行われるならば、国、地方係争処理委員会への不服申し立てを行い、さらに、それが叶わないとなれば、法廷闘争にも乗り出す構え、ということである。

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 翁長知事の冷静で理詰めの対応ぶりからして、また、沖縄県民の知事の取り組みに対する強い支持ぶりからして、今回の国と県との対立は、容易に解決に向かいそうにない。大相撲で例えるならば、がっぷり四つに組み合って、双方相譲らず、という姿になりそうである。安倍政権にとっては、これから頭の痛い問題となりそうである。
 しかし、これも考えよう。安保法制を整備して、軍事的に普通の国になっていこうとしている日本であるが、国内にどうしようもない「棘」があるというのは、ちょうどよい抑制要因になる気がする。さらには、世界各地で様々な軍事的対立が深まる中で、新たな文明的視点を掲げての平和構築を考える上で、大きな思索材料を与えてくれる気もする。この国と県の対立に、今後、どのような行事役を立てることができるのか、興味深い点である。

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10月12日(月) 体育の 日にこの国の 話題って やっぱりラグビー 4戦3勝…しかしね…

 「体育の日」。この日は、日本各地で、体育に関係する様々な行事が行われたようである。ニュース番組などでも、その様子が紹介されていた。

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 しかし、一番大きな話題は、といえば、やはり「ラグビー・ワールドカップ・2015イングランド大会」における日本チームの活躍ぶりではなかっただろうか。
 今日も、日本チームはアメリカチームと戦い、28対18で勝利。このラグビー・ワールドカップというのは、「世界3大スポーツイベント」の一つとされるだけあって、国際的にも注目を集める大会であるが、そこで日本は、予選リーグで通算成績を3勝1敗と、かつてない成績を収めたのであった。特に、この予選リーグ第1戦の、優勝候補とも目された南アフリカを相手にしての接戦の末の勝利は、日本中に驚きを与えたのであった。
 しかし、残念なことであるが、この予選リーグで、3勝1敗のチームが3チームあり、勝ち点の差で、日本は決勝トーナメントに進めなかった。3勝しながら、決勝トーナメントに進めなかったというのは、これまでのワールドカップで初めてのことなのだそうだ。
 次回ワールドカップは、いよいよ日本での開催である。これから4年間にさらに鍛え上げて、次には、決勝トーナメントでの日本チームの活躍を心から期待したいと思う。

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10月11日(日) 後楽園 倉敷のまち 吉備古墳 犬養旧家と 巡るキャラバン

 李洛淵・全羅南道知事に同行した道職員に岡山県を知っていただくために、県内各地を巡るキャラバンを行う。
 主な訪問地は、まず岡山市内では、日本三名園の一つとされる「岡山後楽園」、韓国との古代からの交流を示す品々が収められた「岡山県立博物館」。そして倉敷に移動して、古い蔵屋敷などが残る「美観地区」を歩き、そこで昼食。さらに、国際的に著名な芸術作品を多数収蔵展示している「大原美術館」を見学した後、総社市の「国分寺」や巨大な前方後円墳「造山古墳」などを訪れ、さらに、岡山市に戻って、理想主義を掲げた政治家として知られる犬養毅の生家に併設された「犬養木堂記念館」を廻った。

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 このキャラバンは、全羅南道の人たちに、岡山県に対する理解を深めていただき、今後の交流促進の材料にしていただこうと企画したものであった。各地のボランティアガイドなど、多くの人たちのご協力をいただいて、有意義な時間を過ごしていただけたのではないかと思う。そして、これが大きなきっかけとなって、全羅南道の人たちが数多く訪れていただけるようになればと願ったのであった。
 それにしても、岡山県というのは、数多くの輝きを持った県だと思う。ただ、それらの相互連携が少し弱い印象である。それらを結び合わせる「物語」を作り出して、一つのより大きな輝きを生み出していく取り組みが、これからさらに必要なのではないかと思った次第。

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10月10日(土) 岡山に 李知事を迎え 懇談会 大したもんだよ 民間外交

  この日の夜、韓国・全羅南道の李洛淵・知事が、岡山来訪。
 これは、この夏、私が、全国各地有志皆さんとともに全羅南道を訪問し、李知事と懇談したとき、知事がこれから、日本の各地との交流を推進したいとの意向を示したことに対して、私たち訪問団が、知事を岡山にお招きした結果であった。10月12日に、佐賀県で、日韓海峡を挟む8つの地方自治体の知事と市長が集まって開催する「日韓海峡沿岸県市道交流知事会議」に李知事が参加する機会に、岡山にお立ち寄りいただいたのであった。
 そして、せっかく知事がお越しになるのならば、ぜひ歓迎したいと、岡山の森さんを中心にして、岡山県を代表される方々に広く呼びかけて、懇談会がもたれたのであった。日本側が17名、韓国側が8名、合わせて25名の懇談会であった。とても和やかな雰囲気の中で、新しい可能性を感じさせられる懇談会であったと思う。

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 李知事は、この懇談会開催をとても喜ばれ、「日韓両国がいかに厳しい外交関係に置かれても、地方と地方、または民間での関係は、大事にしていく」との決意を示された。
 隣国同士というのは、何かと利害の衝突を起こしがちである。そんなときでも、民間に強い信頼関係が存在すれば、その問題解決のきっかけを生み出すこともできるだろう。今回のこの交流が、そんな可能性を切り開くものであってほしいと強く願ったのであった。

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10月9日(金) 安倍総理 TPPの 嵐を前に 守ってみせると 対策本部

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 二日前に内閣改造を断行して船出したばかりの安倍内閣が、官邸内に全閣僚を構成員とする「TTP総合対策本部」を設置し、その第一回会合を開催した。そして、「TPP協定交渉の大筋合意を踏まえた総合的な政策対応」について議論が行われた。
 その場に臨んだ安倍総理は、「TPPはオープンで活力あふれる経済を創る、成長戦略の切り札」と語り、このTPPをテコにして、日本の経済再生や地方創生に、自らが先頭に立って取り組む決意を表明した。
 そしてその一方では、国民が様々な不安を胸に抱いていることに配慮して、「TPPについての国民の不安に寄り添い、国民の不安を払拭して」いくとも語り、国民経済を自らが守っていく覚悟も示した。
 この会合は、TPPの大筋合意がなされたのが、10月5日のことであったから、それからわずか4日後に開催されたことになる。批判の声が組織的に大きく上がる前に、先手を打っておこうという深謀遠慮であろうか。このあたりの対応ぶりは、なかなか大したものだと思う。
 しかし、現実には、TPPが多分野を包括した協定であるだけに、その全体への対処は、なかなか容易なことではないだろうと思う。これから巨大台風の来襲である。それをどう捌いて、国民経済全体の向上を図っていくか、安倍内閣の手腕が厳しく問われることとなる。

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10月8日(木) クリントン 現時点では 不支持だって? TPPは 大丈夫かな?

 来年11月に行われるアメリカ大統領選挙の民主党本命候補とされるヒラリー・クリントン前国務長官は、先日大筋合意した環太平洋経済連携協定(TPP)について、「現時点では賛成できない」と述べて、その不支持を表明。これは、民主党の支持組織などにおいて、過度な経済自由化は不利益と考える「TPP慎重論」が多いことに配慮した判断だと報じられている。

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 クリントン氏は、国務長官在任時代には、オバマ大統領を支えて、TPPを推進してきたはずである。だから、反対に転ずるためには、それなりの理由が必要である。その不支持の理由がふるっている。「米国の雇用創出や賃上げ、安全保障の促進につながるような高い水準を満たしていない」というのである。つまり、自分自身がこの交渉に当事者として当たっていたならば、もっとアメリカに大きな利益を生み出すような結論を導き出したはずだが、今回の結論は、自分が関与していなかったがために、不本意な結果に終わってしまったのだというのだ。
 だからこそ、わざわざ「現時点で」という条件をつけている。自分が大統領になった暁には、何らかの追加条件を加えて、「これならばOK」と主張するためだろうか。
 選挙の洗礼を前にした有力候補者の揺れ動く心中が窺い知れる一事であった。

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10月7日(水) 一億が 総活躍の 社会へと 矢を3本持ち 安倍丸出帆

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 安倍総理は、かねてから予告してきたとおり、この日、内閣を改造し、第三次安倍改造内閣を発足させた。その概要は、主要閣僚はほとんど留任させ、新規入閣は19人の閣僚中わずか9名。新鮮味に欠ける改造となった。しかし、これは、改革の期待感を高めて内閣の求心力を強める意図よりも、これまでに敷いた路線を堅実に進む内閣を狙ったのであろうから、それが問題というわけではないと思う。
 今回の内閣改造に伴う政権スローガンは、「一億総活躍社会」の実現ということであり、その責任者ポストには、長い間、内閣官房副長官として総理を支え続けてきた実務家肌の加藤勝信代議士を充てた。おそらくは、この取り組みには、省庁横断的に官僚たちを使いこなす必要があり、それには加藤氏が最もふさわしいと総理は考えたのであろう。その他に、少し気がかりな人事もないではないが、基本的には、「チーム安倍」は、無難な陣容でのスタートを切ったと評価してよいだろう。
 安倍総理は、組閣後の記者会見で、改めて、「新3本の矢」について語った。これは①希望を生み出す強い経済、②夢をつなぐ子育て支援、③安心につながる社会保障の3つの柱であるが、そのそれぞれに対して具体的な目標を掲げてはみたものの、すべて実現が困難な目標ばかりである。今日出帆した改造安倍丸の進路には、様々な嵐が待ち構えている。安倍内閣の慎重な航海を期待したいと思う。

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10月6日(火) 医学賞 物理学賞 二夜続き 日本人に ノーベルプライズ

 昨晩、北里大学の大村智・特別栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したのに続いて、今日の夜は、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏が、ノーベル物理学賞を受賞。これで、日本人のノーベル賞受賞者は、通算で24名となったのだそうだ。これまでの並外れた努力と優れた能力に基づいて行われた画期的研究に対して、それが世界に認められたわけであり、受賞された2人に対して、心よりお慶びを申し上げたい。

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 テレビを観ていると、街頭で突然マイクを向けられた通行人たちも含め、多くの人たちが喜びを語っていた。それを見ながら、ノーベル賞が持つ巨大なブランド力に改めて驚きを禁じ得なかったわけであるが、同時に、違和感も感じないわけではなかった。その違和感というのは、多くの人たちが、ノーベル賞受賞者の研究内容をほとんど理解することもないままに、ただ日本人が受賞したことがすごいと喜んでいる姿に感じたものであった。
 ノーベル賞は、多くの場合、過去に行われた研究が一定の時間を経過して、その評価が国際的に定着したと考えられるものに対して与えられるようである。それだけに、受賞者の研究は、確かにすごい研究であるとは思うが、これからの時代を大きく動かすというときめきを伴ったものではない。それをただ、形式的に褒め称えて、それでよしとする現代の風潮が、私には気懸かりでならなかったのである。

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10月5日(月) 難産の TPPが 合意の日 我が長男も 世に生まれ出づ

 アメリカのアトランタで開催されていた、環太平洋経済連携協定(TPP)閣僚会合において、交渉参加国12か国の間で大筋合意が形成されたとして、関係者が列席して、共同声明を発表した。この12か国の国内総生産(GDP)合計額は、約3,100兆円に及び、世界全体の40%を占めている。この合意によって、世界最大の巨大自由経済圏が誕生する可能性が高まったということである。
 このTPP交渉は、実に難産であった。これまでにも何度も、合意発表の期限が延期されてきた。今回の閣僚会合においても、当初2日間とされていた会合日程が、二度も延長され、結局6日間を要した。12か国の間に様々な利害関係の衝突があり、それらの妥協点を見いだすために、膨大な時間を必要としたということである。
 ともかくも、甘利大臣を始めとする日本交渉団の努力もあって、一定の合意が得られたことは喜ばしいことである。今後、この合意に基づいて生み出されてくる新たな環境条件の下で、日本にとって最善の答えが生み出されるよう、引き続いての関係者の努力を期待したいと思う。

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 ところで、私事であるが、このTPP合意の日、私の長男がこの世に誕生した。妻が陣痛を訴えてから、数時間後の出産であった。報せを受けて、私も、急ぎ岡山の病院に駆けつけたが、到着したときにはもう出産を終えていた。こちらは、安産であったと言ってよいだろう。めでたい話である。

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10月4日(日) 善き人の 生命を奪う 暴力に 秋の憂いが また深まれり

 気持ちが重くなるニュースが続いている。一つは、バングラデシュ北西部のランプル地区で、3日、農業技術の指導などに携わっていた日本人・星邦男さんが、バイクに乗った3人組の武装集団に突然銃撃され、死亡したというニュース。星さん自身に恨みを買うような問題は何もなく、ただ単に「IS」との戦いを宣言した日本の国民であるからというだけの理由で襲われたようである。
 それからもう一つは、アフガニスタン北部で医療活動をしていた、国際的なNGO「国境なき医師団」の施設が、アメリカ軍による空爆を受けて、多数の犠牲者が出たこと。これも、「国境なき医師団」自体の活動が問題であったのではなく、ただ単に誤爆の結果であるとみられている。

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 考えてみれば、両事件ともに、その現地の人たちを救済しようと考える善意の人たちが犠牲になっている。仏教の「因縁説」では、悪い原因があるから悪い結果が出ると説かれるのであるが、この両事件では、大きな背景まで語れば色々とあるのかもしれないが、被害を受けた人たち自身においては、それはどうもあてはまらないように思う。そんなリスクのあるところにわざわざ出かけていくからダメなのだといえば、それはそうかもしれないが、善き思いを持つ人たちが犠牲になる、というのは、やはりやり切れない。
 秋の深まりの中、私の胸の中の憂いが、また一層深まったのであった。

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10月3日(土) 中国の 銀聯カードが 世界一 着々進行? 華僑経済!

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 今日の日経新聞を見ていると、中国のカード決済サービス最大手の中国銀聯が、中国人以外の海外利用者の取り込みに力を入れているという記事があった。その記事中で、銀聯カードは、決済額において、この数年間、急激な伸びを示していて、昨年はVISAカードを追い抜いて、世界シェアがトップになったと報じられていた。この銀聯カードの発行枚数は50億枚を突破し、昨年の決済額は41兆元(約780兆円)にもなり、世界のシェアは33%に達した(2010年には14%)ということである。一方のVISAの決済額シェアは、逆に2010年の38%から、2014年には31%に縮小。トップの座を銀聯カードに譲ったということである。
 カード業界といえば、これまでに長い歴史を持つ、ある意味で成熟した業界であり、そこで、わずか4年間で世界シェアを倍以上に拡大してトップになるという力は、一体何から生まれてくるものなのだろうかと驚きを禁じ得なかった。中国経済を考える上で、一つの興味深いケーススタディの対象になるのではないだろうか。
 中国人は、ずっと古い時代から、商売上手で有名であった。そして海外に出て行くことを恐れない果敢な商売スタイルで他国の市場に、やや強引に進出してきた。
 おそらくそれが、これから本格化するのだろう。華僑経済が世界に広がる先駆けとして、この銀聯カードの国際展開を考えれば、その意味がよくわかる気がしたのであった。

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10月2日(金) オレゴンの 大学でまた 銃乱射! 規制進まず オバマの怒り!

 アメリカ西部オレゴン州の人口2万人の小さな街・ローズバーグにある短期大学で、銃乱射事件が発生。9人が死亡、7人が負傷したという。報道によれば、ライフルと3丁の銃を持った男が窓から教室に乱入し、女性教員を撃った後、学生を立たせて、信仰する宗教を答えさせて、キリスト教徒だと答えた学生を射殺したという。極めて異常な事件である。

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 オバマ大統領は、この事件の後、緊急声明を発表し、「我々は銃乱射事件に麻痺している」と嘆いたのだそうだ。大統領は、これまで幾度も銃規制を呼びかけてきたが、共和党が多数を占める米議会がこれに抵抗し、まだ成就していない。アメリカでは、西部開拓時代からの名残かどうか、自らの命は自らの銃で守ると考える伝統があり、「銃を持つのは、憲法で認められた権利だ」とする主張がまかり通っているのである。
 新聞記事によれば、アメリカでは、人口を超える3億丁もの銃が、民間人によって所持されていて、年間に3万人が銃による殺人や事故で死亡しているという。日本の常識で考えれば、なぜ規制ができないのか、理解に苦しむところであるが、アメリカにはアメリカの事情があるということか。
 アメリカ大統領といえば、世界で最も大きな力を持つ存在であるが、その大統領にして、銃規制一つ実現できないことに、オバマ大統領は、怒り心頭といったところではなかろうか。

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10月1日(木) 我が妻が 出産前に 入院す 初産なれば 心配多し

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 臨月を迎えていた妻が、今日、出産に備えて入院。その連絡を受けたので、私も、取り急ぎ、入院先の岡山赤十字病院に駆けつけた。しかし、今日のところは、本格的な陣痛がやって来なかったので、入院したままで、しばらく様子を見ることとなった。
 なんせ、妻はもうすでに41歳と高齢である上に、今回が初産である。妻が、故郷の岡山に戻って出産したいと希望したので、里帰りしてすでに1か月、親元でこの日に備えてきたのだが、いよいよその日が近づいてきた、ということである。
 この岡山赤十字病院の産婦人科は、その病棟が少し前に出来上がったばかりの新しい建物で、清潔である上に、医師を始めとするスタッフ陣も充実していて、万全の体制で、出産に備えていた。だから、あまり心配する必要もないのではあるが、それでも今回が初産ということもあり、心配は尽きない。
 しかし病室に駆けつけても、夫には何もできることなどない。ただ見守って、励ましの言葉をかけるだけのことである。それでも、少しでも心の支えになれればというささやかな思いであった。
 「女は弱し。されど母は強し」という言葉がある。今回のお産を経て、妻も変わっていくのだろうな、などと考えながら、ベッドに横たわる妻の顔を見つめていたのであった。

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