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2月29日(月) 今も尚 多くの人を 苦しめる 原発事故は 誰の責任?

 東京電力の勝俣恒久・元会長ら旧経営陣3人が、福島第一原発事故を巡って、業務上過失致死傷罪で強制起訴された。この事故に関しては、2012年6月に、「福島原発告訴団」が旧経営陣を告訴したのに対し、2013年9月、東京地検が不起訴処分を決定。それに対して、告訴団が、2013年10月に検察審査会に審査の申し立てを行い、2014年7月、東京第5検察審が起訴相当と議決。しかし、2015年1月、東京地検は改めて不起訴処分を決定。それに対して、2015年7月、東京第5検察審がこの問題に改めて起訴相当と議決し、東京地裁が検察官役の指定弁護士を選任。そして、この日、この選任された指定弁護士が、旧経営陣3人を強制起訴したという事の顛末である。

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 実に、ややこしい経過をたどってきた事案である。この背景には、純粋に法律問題として取り扱おうとする検察側と、これだけ重大な事故を引き起こしながら誰もその責任を取らないことに対して強い不満を抱く告訴団の、根深い考え方の対立がある。
 東京電力は、資本金約1兆4,000億円、売上高約6兆8,000億円の巨大企業である。経営者といえども、一個人としては単なる歯車であろう。しかも、その殿様体質の業界には、このしばらく、電力自由化という嵐が吹き始めている。どうしても利益優先の経営をせざるを得なかっただろう。この構造の上に、原発事故が起きたと言わざるを得ない。現代社会の根深い問題が潜んでいる気がしてならない。

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2月28日(日) お隣りと つき合う上の 勘所 相手の理解と 適切な距離

 「四国マグマ・アカデミー」開催。今回取り上げたのは、韓国を代表する新聞の一つである朝鮮日報が、約30年前に、日本をもっときちんと理解しようと、シリーズで新聞紙面に掲載した記事を日本語訳した本『韓国人が見た日本』であった。つまり、隣国・韓国から日本を見ると、この国や日本人がどのように見えているのか、ということを共に考え合ってみようとしたのである。この本の中では、冷静に相手を理解する必要性が説かれていた。

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 今現在も、日本と韓国の間には様々な問題があり、両国民の心の中には様々なわだかまりが宿っている。そしてそれが時に大きく火を吹いて、深刻な対立状態を生み出すこともある。
 私自身も、かつて日韓議員連盟の幹事を務めていたことがあり、この対立に頭を痛めることが多かったのであるが、冷静に考えれば、現実の問題の周りに様々な思惑や国民感情が渦巻いて、はるかに大きな対立感情を生み出していたように思うのである。そしてその根幹には、近くにいるがゆえに誇張されてしまう違和感と、相手のことを自分の目でしか見ようとしないがゆえに生まれる思い込みと誤解が宿っていた気がしてならないのである。
 だから、隣国と上手く付き合うためには、まずは相手のことを相手の立場から理解しようという姿勢と、隣国だからといって過度に密着しすぎない姿勢が必要だということではなかろうか。そんなことも考えたゼミであった。

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2月27日(土) 接着剤と なる国もなく バラバラの 寄せ木集めの 上海会議

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 中国の上海で開かれていた20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、この日、議論を終えた後に共同声明を発表し、閉幕した。
 この共同声明におけるポイントは、世界経済の現状に関しては、①経済見通しが、さらに下方修正されるリスクが増大しているとして、その危機感を共有すると同時に、②最近の市場変動については、現在の経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)を反映したものではないとし、その下方変動リスクに対して、G20各国は、それに対処する意志と能力があることを明確にしたと謳っている。
 そして、今後の政策対応に関しては、金融政策、財政政策、構造政策の3つの面において、政策を総動員して対応するとし、特に、金融政策だけでは限界があるため、機動的な財政出動を積極的に実施するとしている。さらに、今回の市場波乱の震源地は中国であり、設備過剰や過剰債務を抱える中国に対しては、構造改革を強く求める内容ともなっている。
 いわば、総花的な共同宣言といえそうだが、問題は、これら取り組みにおける利害関係や熱意の温度差に対して、強力にリーダーシップを振るおうとする国が見当たらないことである。これで、果たして実効性ある対応が打ち出せるか否か、世界経済は、なかなか難しい局面に入ってきたという印象である。

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2月26日(金) 突発性 動脈解離と いう名聞き 連想したるは この日の事件!

 この日の昼休み、大阪・梅田の交差点に、一台の自動車が突っ込み、歩行者を次々となぎ倒した。そして、運転者を含め11名が死傷するという大事故になった。
 こんな話を聞くと、この頃は、社会に恨みを持つ者が、絶望感と怒りを胸に意図的に起こした事故か、または、何らかのテロリストによる犯行か、と考えてしまうが、今回の事故は、どうも事情が違うようである。
 車を運転していた人は、真面目な人のようである。このような犯罪を起こすようなタイプの人ではなかった。ならばどうしてこのような事故を、ということであるが、その後の調査によれば、心臓近傍の大動脈が突然裂けて、一気に血圧が低下、意識を失ってしまったのではないかということのようである。つまり、病気のせいで、このような事故を起こしてしまったということだ。だから、被害者のみならず、運転者の家族も含めて、悲劇というべき事故であった。

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 この報道を聞いて、私が連想したのは、1936年に発生した「2・26事件」。陸軍の青年将校らが引き起こしたクーデター未遂事件である。「昭和維新」を旗印に、天皇政治の実現を図ろうとした真面目な将校たちが引き起こしたものである。この事件は、多くの人々に大きな衝撃を与えた。そして、この事件を境にして、日本の歴史は大転換することになるのである。まさにこの事件は、日本にとっての「突発性大動脈解離」とも呼ぶべきものだったのではなかろうか。

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2月25日(木) 楽しきは 小さき村が ふんばって 背伸びしてる その心意気

 朝、高知県大川村に向けて出発。和田知士・大川村長と意見交換を行うためである。昼食をご馳走したいから午前中に来てくれと言われて、朝の出発となったのである。
 午前11時、村役場に到着。早速、役場の隣にある村民センターに昼食の準備をしているからと、案内される。村長自らが料理人である。この日の料理は、村の特産である「ハチキン地鶏」の鍋と、混ぜご飯であった。そして、同席した教育長の親戚が作っているという沢庵も準備してくれていた。それぞれが、とても美味しかった。この村では、外来の客があると、こんな形で心づくしの料理を出して、村のファンを広げているのだろうと思う。

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 大川村のことは、これまでに幾度もご紹介したが、人口約400人の村である。全国の地方自治体の中で、陸地部としては最小である。そんなちっぽけな村が、懸命に踏ん張って頑張っている。その心意気が嬉しくて、私は、機会があれば幾度もこの村を訪れているのである。
 今回も、村づくりの基本コンセプトをご提案したいと、訪れたのであった。食事をとりながら、村長と教育長と総務課長に、話を聞いていただいた。早速、具体的な取り組みを検討しようという反応が返ってきた。
 この村には、尾﨑・高知県知事もずいぶん力を入れて応援しているようだ。状況は楽観できるものではないが、この心意気で思い切り背伸びをして頑張ってほしいものだ。

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2月24日(水) 原発の メルトダウンの 公表が 2か月遅れ… まだ夜は明けぬ

 またも福島第一原子力発電所に関する問題が発覚。
 この問題とは、事故を起こした原子炉で「炉心溶融(メルトダウン)」が起きていることを、社内マニュアルに示された判定基準に従っていれば、事故から3日後には判断でき、それを公表することにより、重大事故としての対応をもっと早い時点から進めることができたというものである。
 東京電力が、爆発事故を起こした炉の「炉心溶融」を正式に認めたのは、事故から2か月以上たった5月半ばのこと。それまでは、「炉心損傷」という言葉を使い続けていたらしい。

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 なぜこのような対応になってしまったのかということについて、東京電力は、この判断基準を示している『原子力災害対策マニュアル』の中に記載されていた定義を知らなかったからだと説明している。何とも間の抜けた話である。しかも、このマニュアルの記載を発見したのは、今年2月のことなのだという。
 原子力発電所といえば、何重にも安全のための措置が取られていて、「絶対に安全なのだ」と、かつて原子力関係者は強弁していた。しかしその内実が、結構いい加減なものだとこう次々に示されてくると、その信頼は揺らがざるを得ない。全国各地の原子力発電所で、運転再開の動きが進んでいるが、こんな様子を見ていると、まだまだ本格的に夜が明けるということにはなりそうにない。

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2月23日(火) 日航機 緊急脱出 雪の中 山も野原も 綿帽子かぶる

 午後3時ごろ、新千歳空港で、福岡行き日本航空機が激しい降雪のために誘導路で待機中、右エンジンから煙が発生したため、乗客159人、乗員6人の計165人が、脱出シューターを使って緊急脱出。乗客の4人が、この脱出時に体を打つなどして、病院に運ばれたという。雪のせいで、何らかのトラブルが発生したもののようである。

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 雪といえば、南の地方に住んでいる私たちにとっては、ロマンティックな印象がある。とりわけ、小学校の頃によく歌った「雪」という歌は、異国情緒にあふれる詩である。
 雪やこんこ 霰やこんこ/降つては降つては ずんずん積る/山も野原も 綿帽子かぶり/枯木残らず 花が咲く。
 日常の風景をあっという間に覆いつくしてしまい、山も野原もすべて真っ白にしてしまう雪。外部から雪国にやってきた人たちにとっては、雪に覆われた姿だけを眺めて、それを美しいと表現するのであるが、その雪の下には、そこに住む人々の現実の厳しい生活がある。そしてそれは、ふわふわとした白い「綿帽子」と表現されているが、とても冷たくて、そして交通の邪魔をするものともなるのである。
 今回の航空機のトラブル報道をテレビで観ながら、そんな雪国の人々の生活に思いを巡らせた。ただ見ただけの印象と現実に生活する実態とは、大きくかけ離れていることがある。そんな問題の一つとして、このニュースを受け止めたのである。

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2月22日(月) 韓非子が 語りし言葉 “千丈の 堤も螻蟻の 穴より潰ゆ”と

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 「竹島の日」。1905年(明治38年)のこの日に、島根県知事が、この島の所属を明らかにする告示を行ったことにちなんで、この告示から100周年にあたる2005年に、島根県が「竹島の日を定める条例」を制定したものである。この「竹島の日」制定は、韓国内に激しい抗議運動を引き起こした。各種交流行事も、このとき、中止されたりしている。
 そして今年であるが、今日、「竹島の日」の第11回記念式典が松江市で開催され、そこには、酒井・内閣府政務官が出席して祝辞を述べた。それに対して、韓国外交省は、「昨年末の慰安婦問題の韓日合意を契機に新たな両国関係を開いていくために努力しなければならないにもかかわらず、政府高官を出席させたことに強く抗議し再発防止を要求する」との声明を発表。在韓国日本大使館の公使を外交省に呼び抗議した。
 竹島は、主に2つの岩からなる島で、その総面積は0.21平方キロメートル。東京ドーム5つ分くらいの面積だそうだ。だから、面積だけからいえば、取るに足らない島である。
 しかし、日韓の間で大問題となるのは、この小さな島が、その背景に大きな問題を生み出すかもしれないからである。中国の有名な法家・韓非子は、「千丈の堤も、螻蟻の穴より潰ゆ」と語っている。蟻の穴を小さなことだとないがしろにしていては、やがて大きな堤防が壊れてしまうと説いているのである。竹島問題は、両国間の喉に刺さったトゲのような存在であるが、その取り扱いには、これからも十分に注意しなくてはならないと思う。

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2月21日(日) 意志力が 人生変える 鍵なれり スタンフォードの 名物講義

 今回の「教師人間論ゼミ」で取り上げたのは、ケリー・マクゴニカル著『スタンフォードの自分を変える教室』という本であった。この種の啓発書としては、近年異例の売り上げを示していて、「60万部を超えるベストセラー」などと帯には書かれている。書店に行けば、だいたい平積みにして販売されている本である。著者が、スタンフォード大学の生涯教育プログラム講座でこのテーマを取り上げたところ、指折りの人気講座となったことから、その講義内容を本にしたものだそうである。

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 実は、この種の自己変革の本というのは、すでに数多く世に出されている。そしてその多くは、人生の目標設定を勧め、さらにその目標を達成するための方法を説いている。しかし、著者は語るのである。「(これらの本が述べていることで)事足りるなら、誰もが新年に立てる目標はことごとく達成され、私の教室は空っぽになっているはず」だと。そこで著者は、「やるべきことはよくわかっているはずなのに、なぜいつまでもやらないのか」ということを理解させるような本がこれまでほとんどなかったのだと主張するのである。そして、「自分がどのように、そしてなぜ自制心を失ってしまうのかを理解すること」が大切だと、この講座を開いたのだというのである。
 言うならば、自分を変革し新しい人生に入っていくためのマスターキーが、この本なのだというわけである。

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2月20日(土) イギリスが EU離脱か 残留か 大きな潮目の EU改革

 イギリスのキャメロン首相は、イギリスがEUに残留することを巡って、その是非を問う国民投票を6月23日に実施すると表明。キャメロン首相は、これまでイギリスがEUに求めてきた移民制限策などの改革案をEU首脳会議で合意することができたと説明し、国民には、この投票において、EU残留を選ぶようにと呼びかけた。

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 イギリス国内では、昨年以来中東から欧州に流れ込む難民が急増し、治安に不安を感じる国民が増えると同時に、この移民がイギリス人の仕事を奪っているという批判が強まっていた。そこで、キャメロン首相は、昨年5月の総選挙で、EUに改革を求めた上で、2017年末までにEU残留か離脱かを問う国民投票を行うと公約していたのであった。
 この国内事情を背景にしたイギリスの主張は、EUに大きな潮目を生み出したかもしれない。つまり、EUが今後も団結して一体感を強めていくか、逆にEUがここから崩壊を始めるか、その大きな分岐点が、このイギリスのEU離脱問題において生み出されたと思うのである。改めて、ヨーロッパを一つにしようという夢を現実のものとして歩みを進めてきた取り組みが、積み木のような脆さと危うさをはらんだものであったと感じざるを得ない。
 イギリスの国民投票は、もう4か月後に行われる。ヨーロッパの歴史のみならず、人類の国家観さえも変えるかもしれないこの投票に注目したいと思う。

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2月19日(金) 前と現 総理同士の 討論は ちっとも歯車 噛み合わなかった…

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 安倍晋三・総理と野田佳彦・前総理が、衆議院予算委員会で直接対決。マスコミもこれに注目し、テレビニュースでは、トップニュースとして取り扱った番組も多かった。
 私も、どんな議論を展開するのだろうと興味を持ち、この対決をテレビ中継で見守った。しかし、見終わった後の印象といえば、結局は両者の歯車がちっとも噛み合っていなかったな、というものであった。見ていた多くの人たちも、同じような感想を持ったのではないだろうか。
 野田・前総理は、この論戦の後、「安倍総理の答弁は、開き直った答弁が多かった」と、記者団からの問いかけに答えたそうであるが、論戦というものは、同じ議論の土俵の上に相手を引き入れることも、その重要な要素であるはず。基本的には、攻める側の力不足と言わざるを得ないのではなかろうか。
 それとも、もっと根深い問題として考えれば、言論による戦いというものが、所詮この程度のものにしかなり得ない、ということかもしれない。それならば、国会が「言論の府」と立派な看板をかけてみたところで、それによって基本問題は解決されないと見限らざるを得なくなる。議会制民主主義の限界を指摘せざるを得なくなるのである。
 私の希望としては、もっときちんと噛み合った議論をしてほしかった。それは叶わぬことと思いつつも…。

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2月18日(木) iPhoneの ロック解除は マスターキーを 渡すことだと Appleが拒否!

 昨年12月にカリフォルニア州サンバーナディノで起きた銃乱射事件の捜査に関して、カリフォルニア州連邦地裁は、死亡した容疑者が持っていたiPhoneのロックを解除するようアップル社に命じた。アメリカ連邦捜査局(FBI)が、押収したiPhoneから必要な情報を取り出そうとしたのであるが、パスコードでロックされていて、情報が見られない状況になっているのだそうだ。
 それに対して、アップル社は、ティム・クック最高経営責任者が、ネット上に「顧客の手紙」とする声明を発表。「マスターキーを作るようなもので、悪用されれば、すべてのiPhoneのロックが解除される可能性がある」として、その命令に反発。命令を拒否する姿勢を明確に打ち出した。この対立は、議会に持ち込まれ、これから活発に議論される模様である。

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 端的に言えば、今回の問題は、「テロ対策」と「プライバシー保護」のどちらを重視するかという問題である。テロリストたちが持っている情報を調べることによって、テロを未然に防止し、国民の安全を守ることは、社会にとって極めて大事な課題である。その一方で、情報通信の秘密が守られることが、現代社会を生きる人々の大きな権利である。重要なもの二つ並び立たず、というときに、どう判断を下すか。哲学者・西田幾多郎博士は、「絶対矛盾の自己同一」と語ったが、この問題には、いかなる答えを出すだろうか。

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2月17日(水) X線 天文衛星 「ひとみ」さん 見えないものこそ 大切なんだ!

 この日の夕刻、JAXAは、開発した新型X線天文衛星「アストロH」をH2Aロケット30号機で打ち上げ、目標軌道への投入に成功した。その後、この衛星は、太陽電池パネルの展開にも成功し、「ひとみ」と命名された。
 この「ひとみ」は、搭載された高感度X線望遠鏡で、今後、宇宙からやってくるX線を観測し、ブラックホールや銀河団などを調べることになっている。世界で61の大学や研究機関が、このプロジェクトに参加しているらしい。
 X線は、地球を取り巻く大気が吸収してしまうため、地上の施設では観測できないものらしい。また、X線は可視光ではないので、人間の目では見えない。だから、これまでは、宇宙に打ち上げた少数のX線観測衛星でかろうじて見ることができたに過ぎない現象を、この「ひとみ」が、高性能観測装置でつぶさに観測していくことになるだろう。高感度になったおかげで、宇宙の遥か彼方からやってくる微弱なX線も観測できるようになり、新しい現象を発見する可能性も期待されているようだ。

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 フランスの作家、サン・テグジュペリは、代表作とされる『星の王子さま』の中で、「本当に大切なものは、目に見えない」と語っている。これからの観測の中で、これまで目に見えなかった現象から、「本当に大切なもの」を発見することができるかどうか、興味深く見守っていきたいと思う。

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2月16日(火) 小澤さん グラミー賞を 初受賞 その同じ日に 老人ホームの 職員逮捕!

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 アメリカの音楽界で最大の栄誉とされているグラミー賞を、日本人指揮者の小澤征爾さんが受賞した。
 受賞作品は、「こどもと魔法」というオペラで、2013年8月に長野県松本市で収録されたものなのだそうだ。「最優秀オペラ録音部門」での受賞である。
 私はかねてから、小澤征爾さんの音楽に対する真摯な姿勢に強い共感を抱いてきた。「本物の3条件」と私が呼んでいる「なりきれる」「やりきれる」「すてきれる」を体現した生き様を感じてきた。その小澤さんが、世界の音楽界から高く評価され、大きな栄誉を得られたことをとても嬉しく思う。
 この同じ日、神奈川県警は、川崎市の老人ホームで高齢者をベランダから転落死させたとして、元職員の今井隼人容疑者を逮捕したと発表。容疑者は、取り調べの中で、この容疑を認めているらしい。この容疑者は、先ほど述べた「本物の3条件」と反対の人生を生きてきた気がしてならない。自分の仕事の中で、その役割になりきることもできず、やりきることもできず、自分自身を捨てて奉仕することもできなかった。だからといって、人を殺すところに一気に至る発想は、とても理解できないが、おそらくは、自分の人生に一定の調和を生み出せない人だったのだろうと思う。
 この一日、私が目にした「ピンとキリ」、そんな両極端の報道であった。

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2月15日(月) 下流から 凍土の壁を 築くなり 福島原発 発想転換

 東京電力が、福島第一原発の汚染水の対策として、現在建設中の「凍土壁」の凍結作業について、当初予定していた上流部から凍結を行うのではなく、下流部からまずこの作業を行う方針に転換したと発表。その理由は、上流部からの地下水が凍土壁によって遮られて流れなくなると、地下水位が低くなってしまい、今建屋に残っている放射線濃度の高い汚染水が外に流れ出て、深刻な汚染をかえって広げる恐れがあるからだということである。

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 この報道を聞いて、私はとても興味深く思った。それは、ずいぶん見当違いな指摘と思う方もおられるかもしれないが、これまでの原発での取り組みといえば、多くの場合、「上意下達」の発想であった。指導的な立場にいる人たちの間で様々なことが議論され、決定され、それが現場に下ろされてくる、という手順で事が進められてきた。それが今回の場合は、まず下流部を重視している。最初に下流部での対策を行っておかなければ、かえって問題が大きくなりそうだという発想なのである。
 これまでの原子力発電に関する「上意下達」式の発想から、まずは地域住民の問題から考えを進めていこうとする「ボトムアップ」式の発想に転換できるならば、原発を巡る疑問や批判も、もっと異なるものになるだろうに…とそんなことを考えたのである。

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2月14日(日) 戦争と 無縁とおぼしき 山里に 飛行機墜落 黒人「飼育」

 「四国人間論ゼミ」。今回のテーマは、愛媛県内子町出身の作家・大江健三郎氏の芥川賞受賞作品『飼育』であった。
 この作品の舞台は、戦争真っ只中の山村。この山村は、大江氏が生まれ育った内子町大瀬をイメージしたものであろうか。それはともかく、この山村には、戦争の影響はほとんど及んでいなかった。あるとすれば、若い男性が徴兵されてしまってほとんどいなかったということくらい。
 しかし、その山里に米軍の飛行機が墜落するのである。そして、その飛行機の乗員であった黒人が捕縛されて、その村人たちの生活の中に連れてこられるのである。
 主人公は、その村に生活する子供。その身辺が、この事件を境に急変する。その中で様々なことが起こるのであるが、その様々な経験を通して、主人公は、自立していく。最後の場面では、「僕はもう子供ではない」と語り、もう何が起きても心動かされることなく、その人生を生きていこうとするのである。

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 この小説の解釈は、読者それぞれによって様々だろうと思う。私は、戦後日本の混乱した社会の中を、自分だけを信じて生きていこうとする人々を、大江氏はこの小説に投影したのではないかという気がした。
 それにしても、捕縛した黒人を「飼育する」という表現は、現代社会では、極端な人種差別表現とされたかもしれないな…そんなこと思って苦笑いしたのであった。

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2月13日(土) 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に ようやく逢ったよ

 カトリック教会を代表するフランシスコ・ローマ法王と、ロシア正教会を代表するキリル・総主教が、キューバのハバナで会談を行ったことが、大きな話題となった。これだけ聞けば、同じキリスト教の代表者同士であり、何を大騒ぎしているのだということになるが、これがなんと約1000年ぶりの会談というから驚いてしまう。
 つまり、キリスト教は、ローマ帝国のもとで大きく隆盛するのであるが、そのローマ帝国が東西に分裂し、その後、それぞれの地域で、教義解釈や宗教儀式などで異なった道を歩み始める。そしてそれが限界点を超えるのが、1054年のこと。お互いが相手を破門し合うことになり、それ以後は全く別の歩みを進めることとなったのである。一方が、ローマに中心を持つカトリック教会、そしてもう一方が、現在のイスタンブールに中心を持つ東方正教会である。

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 宗教というものは、政治などの現実的な権力を超越した存在と考えがちであるが、実際には、現実社会における組織(教団)でもあり、政治的な影響を常に強く受け続けたとも言えそうである。
 今回の会談も、背後では政治家が動いていたようである。また、中心的な話題は、中東におけるキリスト教徒保護の問題であったという。このニュースを聞いたときに、崇徳院の短歌を思い出した。「小倉百人一首」にも収録されている歌である。これを少しもじってみた。

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2月12日(金) 重力波 観測成功! 100年を 生き抜く亡霊 アインシュタイン!

 アメリカの大学が中心となって結成した国際研究チームが、宇宙からやってくる「重力波」を初めて観測することに成功したと発表。大きな話題となった。
 この重力波は、重力によって生じた時空の歪みが波のような形で空間を伝わっていくとされる現象であり、100年前に、アインシュタインがその現象を理論的に予言していたものである。ただ、この波は、存在するとしても、非常に微小なものであり、観測が困難だろうとも言われていた。
 今回の報道だけでは、細かなことまではよくわからないが、なんでも13億年前に起きた超巨大ブラックホール同士の衝突時に生まれた重力波が観測されたということのようである。こう言われても、また、それが発見されたからといって何がどうなるというわけでもなく、何とも実感のわかない話である。

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 ただこの報道にリアリティーを与えていたのは、アインシュタインの存在である。ちょうど100年前にアインシュタインは「一般相対性理論」を発表し、その理論に基づいて様々な予言を行ったのであるが、それらが次々に観測によって証明される中、この「重力波」の存在だけが観測できなかったため、アインシュタインから与えられた「最後の宿題」とも呼ばれていたようである。それがようやく証明された。
 これで100年間生き続けてきたアインシュタインの亡霊も、ようやく成仏できるということであろうか。

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2月11日(木) 勉強会 400回だ… 19年… 馬齢重ねし 月日と思えど

 「若葉書院での第400回記念勉強会」を開催した。
 若葉書院を開いたのは、平成9年であったから、ここに至るまでに、約19年の年月であった。現職政治家時代には、月に1回の勉強会を開くのが精一杯で、100回の勉強会を開催するにも、約10年を要した。この頃は、議員バッジを外して自由に活動できるようになったおかげで、月に4回の定例勉強会を開催している。したがって、勉強会を100回開催するのに要するのは、わずか2年間である。だから、「第500回記念勉強会」は、再来年の平成30年に迎えられるのだろうと思う。そう考えると、400回というのも、そんなに驚くことではないのかもしれない。

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 しかし、私にとっては、昨年4月に満60歳になり、ただがむしゃらに走ればいいというだけではなく、何らかの取りまとめを意識していかねばならない段階になっているわけであり、その意味では、この第400回というのが、大きな節目になるのかもしれないという気がしている。
 そこで、今回は、「人は何故学ぶのか、そして何を後世に遺すのか」というテーマを掲げて、これまでの勉強会の議論を集大成する思いを込めたお話をした。全国各地から集まってくださった方々にも好評であったようだ。
 今後は、このような集大成の勉強会が多くなってくるだろうと思う。今後ともよろしくお願いしたい。

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2月10日(水) 勝利者は サンダース氏と トランプ氏 アメリカ社会も 迷走気味だね

 アメリカ大統領選挙の候補者指名第2戦目の戦場は、ニューハンプシャー州であった。ここでは、民主・共和両党ともに、第1戦目と異なる候補が、この選挙を制した。民主党では、最有力とみられているヒラリー・クリントン候補を、バーニー・サンダース上院議員が大差で破った。そして共和党では、かねてから様々な話題を振りまいてきたドナルド・トランプ氏が勝利を収めた。まだ序盤戦だから、これで予備選挙の帰趨が決まる状況ではないが、今回のアメリカ大統領選挙はどうも波乱含みの戦いとなりそうである。

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 テレビの解説を聞いていると、アメリカ国内の様々な意見を集約して落としどころを探るような中道的な候補者が苦戦していて、むしろ極端な主張をする人が好成績を収めていると分析していた。そしてこのような現象が現れるのは、国民がアメリカの現状に強い不満を抱いている証拠ではないかとの観測を打ち出していた。
 確かにそうなのだろう。国民の不満が蓄積してくると、現状の延長線上よりも、多少極端であっても新しい刺激的なものを求め始めるのだろうと思う。
 そんなことを考えると、第二次世界大戦以降、70年以上にわたって世界のリーダーとして君臨してきたアメリカ社会も、これから迷走状態に入っていくことになるのだろうか。他国の選挙でありながら、今後の展開がとても気がかりでならない。

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2月9日(火) 世界中 金融市場に 春一番? 何が芽を出す 暴れ始める?

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 2月9日の東京株式市場の終値は、前日より918円86銭安い1万6,085円。少し前には2万円を超える日もあったから、約2割の下落ということになる。そしてこの株安現象は、日本だけのことではなく、世界各地でも起きている。それだけに、事態はより深刻だと考えねばならないだろう。
 加えて、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが、-0.035%となり(終値は-0.025%)、国債市場も異常な事態となっている。それでも、多くの買いが入っているというのは、今後、日本銀行が、金融緩和を進めるために、マイナス金利であったとしても国債を買い取るだろうとの読みがあってのことである。この事態も、きわめて不健全な姿であると言わざるを得ない。
 さらに、円高も進んでいる。昨年12月の円レートは、1ドル=120円前後であった。それがこの日は、114円台まで円高が進んだ。あまりにも急激な円高であり、輸出企業の経営悪化が心配である。
 このように、金融を巡る動きがとても慌ただしい。
 もうすぐ「春一番」が吹くのではないかとの報道もなされていたが、春一番が吹くと、その後一度冷え込むことが多いのだそうだ。また、新しい芽が出てきたり、冬眠中の動物も動き始めたりする。これからの日本と世界で、何が動き始めるのであろうか。そんなことも気掛かりになった、今日一日の動きであった。

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2月8日(月) 北朝鮮 ミサイル発射! 孤立する 独裁国の 悪あがきかも?

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 「北朝鮮が、自らは人工衛星打ち上げと称する実質ミサイルの打ち上げを行った」。こんな言葉が、報道の中で飛び交った一日であった。報道によれば、北朝鮮がこの打ち上げにかけた費用は、1,000億円にも上るのだそうだ。韓国銀行が昨年発表したレポートによると、北朝鮮の名目国民総所得は、日本円で約3兆7,620億円であると推定されている。そうすると、このたった一回の打ち上げに、その約3%にも及ぶ資金を投入するというのだから、これは、明らかに軍事目的の支出と考えざるを得ない。そして、多くの北朝鮮国民が飢えに苦しんでいると言われる中で、あえてこれだけのお金を打ち上げに投入するというのは、独裁国ならではのことであろう。
 この北朝鮮の打ち上げに対しては、早速、アメリカ、韓国、日本のみならず、中国もそれを批判するメッセージを出した。そして、国連の場においても、安保理の緊急召集が決定された。北朝鮮を批判する決議が出されることになりそうである。北朝鮮は、今後ますます国際的孤立を深めていくことになるだろう。
 国際的常識からすると、何とも無茶なことをする国である。しかし、北朝鮮自身は、独裁者一族と支配層を守ろうとすれば、核弾頭とミサイルを持っておかなければ不安でならないのだろう。私たちの目には、ここまでくれば、もう悪あがきにしか見えないのであるが…。

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2月7日(日) 古くから 「柔よく剛を 制す」と云えり この言い替えが 『ソフト・パワー』かい?

 昨日に続いて、今日は、「フォレスト・トレンド勉強会」。テーマは、「ジョセフ・ナイ著『ソフト・パワー』を考える」。
 この「ソフト・パワー」という言葉は、ナイ教授が1990年代に提唱したもので、「強制や報酬ではなく、魅力によって望む結果を得る能力」と定義している。つまり、軍事力や経済力などによって強引に他の国を従わせるという方法ではなくて、他国の人々が、アメリカが掲げる理想に憧れ、アメリカが望むものと同じ結果を望むように導けば、アメとムチを使わなくても、もっと自然にアメリカが望むように他の国々を動かすことができるという考え方である。もちろん、この反対概念は「ハード・パワー」であり、このソフトとハードの両者が、相互補完的・効果的に使われねばならないとして、その考え方を「スマート・パワー」と表現している。この考え方は、今は大統領予備選挙を戦っているヒラリー・クリントン氏が、その政治思想の足場としているものである。
 つまり、アメリカ大統領選挙の帰趨はまだ明らかではないが、もしもクリントン氏が大統領に就任するならば、このナイ教授の考え方に軸足を置いた政治を行うことになるに違いないと考えて取り上げたテーマだったのである。

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 しかし考えてみれば、この「ソフト・パワー」の考え方というのは、日本柔道が古くから語ってきた「柔よく剛を制す」そのものである。まずは、日本人自身が、この言葉の意味を再確認する必要があるのかもしれないと思う。

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2月6日(土) 勉強を 何故やらなくちゃ いけないの? そんな疑問が 虚空を漂う?

 「教師人間論ゼミ」の日。今回のテーマは、「和田秀樹著『新・学問のすすめ』を語り合う」。この勉強会は、1月24日に開催を予定していたが、日本列島を寒波が襲い、四国でも積雪が予想されたため、延期していたものであった。

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 この『新・学問のすすめ』は、このタイトルから容易に想像されるように、現代日本が、明治維新直後の日本と同様に社会的な混乱を深めている状況の中で、いかに教育がその使命を果たすべきかを論じている本である。そしてこの本の帯には、「勉学は自ら信じる者を救う」と書かれている。そして著者は、「人の平等が保障されない世の中になった以上、自分を信じて、よりよいやり方で勉め、学ぶしか、人生を切り開く方法はない」と書き記している。
 ちょうど明治時代初期の混迷の時代に、「平等に生まれているはずの人間がなぜ格差に苦しむのか、それはよく学んだか否かによるのである」と断じ、だからこそ、「学ぶことによって人生を切り開け」と訴えた福澤諭吉の精神を今に生かせと訴えかけているのである。
 そうなのだろうと思う。今の時代、子どもたちの間に、「なぜ勉強しなくてはならないのか」という疑問が広がっているという。お金を稼ぐことや出世すること、名誉を得ることなどに魅力を感じ得なくなった子どもたちに、どう勉学のための足場を与えるのか、そんな大きな基本問題を論じ合ったゼミであった。

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2月5日(金) 芸術は また人生は 爆発だ! 桜島でも 爆発噴火!

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 午後6時56分、鹿児島市にある桜島で、爆発的噴火が起きた。気象庁は、今後火山活動が活発化するおそれがあるとして、噴火警戒レベルを、火口周辺規制(2)レベルから、入山規制(3)レベルに引き上げた。その噴火を伝えるテレビ映像を見ていると、真っ赤な噴石が飛び、噴煙の中では火山雷も観測された。火山のない土地で生活している私にとってみると、今すぐにも避難しなくてはならないのではないかと思われるような噴火であるが、鹿児島市の人たちには、このような噴火は日常的なことのようであり、特段驚き慌てている風ではなかった。自然現象と共生しながら生きている人たちなのだなと感じたのであった。
 実はこの日、私は、二つの展示を見学した。一つは、新居浜建技労塾が開催していた「新居浜を創った人からの伝言」語録・写真展。新居浜のまちづくりに大きな貢献をした人たちの人生と思想を展示していた。もう一つは、西条市の「五百亀記念館」で行われていた「加藤昭男彫刻展」。松下政経塾アーチ門の彫刻を制作した加藤昭男氏の作品展であった。なかなかダイナミックな作品群であった。
 「芸術は爆発だ!」とは、彫刻家・岡本太郎氏のよく知られた言葉。心の中に宿っている熱いマグマを噴出しながら生きる人たちによってこそ、新しいものが生み出されてくるのだろうな…そんなことを考えた一日であった。

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2月4日(木) 立春に 台湾からの 南風 シャープに強く 吹き込みけるか?

 立春の日。高気圧に覆われて、日本列島全体が、ほぼ穏やかな一日であった。
 この日、さらに台湾から吹き込んでくる南風があった。経営再建中のシャープが、台湾の「鴻海精密工業」による買収の受け入れを軸にして、今後の交渉を進めることを決めたというのである。これまでは、日本国内の官民ファンドである「産業革新機構」からの3,000億円の出資を受け入れて再建を進める方針であったが、鴻海側が、その倍以上の7,000億円の出資や切り売りしない一体的な運営方針を提案してきたことにより、鴻海提案の方が有利と判断したようである。

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 一方、鴻海側は、シャープが持っている液晶関連技術を取り込んで、今後の事業を拡大する大きな力にしたいと考えているようである。日進月歩と言われるデジタル関連業界において、経営者が即断即決できる経営体質を持っている企業が有利なのは当然のことである。シャープが、企業の生き残りを、この台湾企業にかけようとした気持ちはよくわかる。さらに、経済活動には国境がないと言われる時代でもあり、より良い条件を提示するところになびくというのも当然とも言えよう。
 自動車企業の日産が、カルロス・ゴーン社長の強いリーダーシップの下で再生したように、シャープが再建できるのかどうか、これからの歩みを注目していきたいと思う。

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2月3日(水) 清い腹 覚醒剤で 汚れしか? 不器用男の 孤独を思う

 元プロ野球選手・清原和博氏が、逮捕された。覚せい剤取締法違反の疑いである。自宅での現行犯逮捕であったようだ。
 清原選手といえば、大阪・PL学園時代に、桑田真澄選手とともに、甲子園に5期連続出場。優勝を2度、準優勝を2度経験し、その活躍ぶりが広く知られた。その後、西武に入団してからも、在籍した11年間で8度のリーグ優勝と6度の日本シリーズ制覇を、4番バッターとして支えた。さらには巨人に移籍し、さらに通算2,000本安打や通算500本塁打などを達成。日本球界を代表する選手の一人であった。
 しかしその一方で、あまり紳士的とは思えない乱暴な振る舞いも多く、週刊誌などからは、「番長」というニックネームが与えられていた。

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 私の率直な印象は、人間としての生き様がとても不器用な人だというものであった。世間に対して小器用に対応することをよしとせず、「武士は食わねど高楊枝」的な古武士を思わせるような生き様であった。ある意味では、「清原」ならぬ「清い腹」の男であったのではなかろうか。それが結局、人間関係をおかしくして、妻とは離婚、仲間とは諍い、という不遇の中で、強い孤独感の中、いつしか覚醒剤を使うような人生に堕していったということではないか。
 残念なことであるが…。

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2月2日(火) 節分に 出雲大社に 詣でけり 老いたる母の 運転手として

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 立春を前に、「出雲大社讃岐分院」の節分祭に、その参拝を希望する母とともに詣でた。この分院は、香川県三豊市にあり、それほど大きな社というわけではなかったが、数多くの参拝者であふれていた。そして、信者の方々が、かいがいしく参拝者のお世話をしていた。
 参拝者たちが集団で参拝した後、この分院の責任者と思われる方が、講話を行った。そのお話によると、立春を前にしたこの節分祭は、旧暦で新しい年が始まる前の大事な行事だとのことであった。そして、この大きな季節の変わり目には、鬼が出てくるので、その鬼を家から追い出すために、豆(魔目)をまくのだそうだ。おそらくは、この鬼というのは、季節の変わり目に起こりがちな体調や心境の変化ということであろう。ここで心機一転、新たな年に希望(福)とともに立ち向かっていくための儀式ということであろう。そんな由来を知って、「鬼は外、福は内」という言葉に込められた人々の祈りを感じたのであった。
 この参拝を希望した母も、もうすぐ満年齢で85歳となる。もともと小学校の教師をしていたが、父が病没した後、教職を辞して、家業のガソリンスタンド経営にあたった。口八丁手八丁のかなりやり手の経営者であったと思う。そんな母も、この頃は老いが隠せない。老いは、人が避けることのできない生理現象であるが、それにしても、身近にいる人間にとっては、とても寂しいことである。

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2月1日(月) 台湾は 動き出すのか 立法院に 民進党の 議長が誕生!

 台湾立法院の新しい会期が始まった。今日招集された立法委員(国会議員)は、1月16日の選挙で選ばれた人たちであり、今回、民進党が初めて単独過半数の68議席を確保した。そこで、この日行われた立法院長(国会議長)選挙では、民進党元秘書長(幹事長)であった蘇嘉全氏が選出された。国民党以外からこの立法院長が選ばれたのは、1928年の立法院創設以来初めてのことだそうである。
 一方、同じ日の選挙で総統に選出された蔡英文女史が総統に就任するのは5月20日とされているから、しばらくの間、台湾では、総統府と立法院の間でねじれ状態が生ずることとなる。おそらくは、このねじれの中で、台湾が抱えている様々な基本問題が露わになることだろう。このプロセスが、台湾の将来のために、大きな糧となることを切に願いたいと思う。

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 しかし、大陸側から、この台湾の動きを注視している人たちがいる。習近平・国家主席を始めとする中共指導部の人たちである。近年強化している軍事力を始めとして、政治的・経済的に様々な圧力を台湾にかけてくることだろう。そのときに、民進党政権はいかに対応するのか。ガリレオ・ガリレイは、地動説を唱えたが、それを批判する厳しい宗教裁判の中で、自らの節を曲げた。そして語った。「…それでも地球は動いている」と。
 台湾のこれからを考える上で、何か暗示的な話である。

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