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6月30日(木) 『第三の波』 アルビン・トフラー 逝去せり 分断世界に 進路示さず…

 アメリカの未来学者、アルビン・トフラー氏が、ロサンゼルスの自宅で死去したと発表される。情報通信革命が将来にどのような社会を実現するかということについて、先駆的な著作を発表し、国際的によく知られた学者であった。

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 私自身も、若い頃からトフラー氏に大きな影響を受けてきた。最初に目にしたのが、『未来の衝撃(Future Shock)』という本。大学時代に、書店でたまたま手にして読み始めた本であるが、これから先に社会を動かしていくに違いないと考えられるさまざまな技術などについて取り上げ、それに人類学的視点や社会学的視点を加えて未来を論じている本であった。私が、時代や社会を考える際に、大きな礎となっている本だと思う。
 続いて、世界的ベストセラーとなった『第三の波』。人類社会が今、農業革命、産業革命に続いて、第3番目の大きな波・情報革命の波の中に置かれているとし、これから先にどのような社会が生まれてくるかを予測した本であった。今振り返ってみると、世界に大きなインパクトを与えた本であると思う。その他に、世の中を動かす力は何によって生まれるかということを論じた『パワー・シフト』という本も、面白く読んだ本である。
 私は、東京の「八重洲ブックセンター」でサイン会に臨んでいたトフラー夫妻とたまたまお会いしたことがあった。少しだけだが言葉も交わした。魅力的な人であった。ただ望むらくは、今目の前で進んでいる世界の分断現象に対して、その進路をもう少し指し示してほしかった…と思う。

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6月29日(水) またかいな トルコで発生 テロ事件! 力の対決 底無し沼かも……

 トルコ最大都市イスタンブールにあるアタチュルク国際空港で、テロ事件が発生。現段階で、外国人13人を含む41人が死亡し、239人が負傷したと発表されている。タクシーで乗りつけた3人の自爆テロ犯人が、銃を乱射しながら国際線ターミナルに侵入し、人が多く集まっていた場所で自爆したということである。
 この空港は、昨年6,100万人以上が利用した世界有数のハブ空港であり、トルコにとっては、経済発展のための基幹インフラとされている空港である。また、海外からの数多くの観光客を呼び込むための空港でもあり、今回のテロ事件は、トルコ政府に大きな打撃を与えているものと思われる。

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 トルコでは、シリア内戦が飛び火する形で、テロ事件が多発している。この頃は、トルコでテロ事件と聞いても、「あぁまたか」という印象である。トルコ政府は、このテロに対して、国の内外で、保安検査を厳しくしたり、テロ組織を力で抑え込むという取り組みを行ってきているが、それが成功していないというのみならず、その対立がますます先鋭化しつつあるようである。そろそろ真っ正面からぶつかり合う力勝負ではなく、融和策も加えていかなければ、この問題はいつまでも解決せず、ますます底無し沼に足をとられていくということになるのではあるまいか。
 トルコのみならず、全世界的な問題として基本的なスタンスを考え直すべき時が来ているように思えてならない。

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6月28日(火) ハッカーは テレビゲーマー その動機 自己満足と 優越感かも…?

 警視庁サイバー犯罪対策課は、佐賀市の無職少年(17歳)を不正アクセス禁止法違反容疑で再逮捕。その容疑は、佐賀県の公立中学・高校の生徒の成績を含む個人情報を管理するシステムに不正に侵入したということである。県立高校などの9校の情報を、少なくとも約21万件盗んだ可能性があるのだそうだ。
 この少年は、県内の少年数人と、「情報収集会議」と称するネット上のグループを作り、盗んだ情報を共有し合い、自らのハッカー技術を自慢し合っていたのだそうだ。先に、今回は再逮捕と警察が発表したのは、テレビの有料放送を無料視聴できる不正なプログラムを公開し、それが不正競争防止法違反として、一度逮捕されていたからである。その捜査のなかで、少年のコンピュータを調べて、今回の不正アクセスが発覚したということか。少年は、おそらくは、これで何かの利益を得ようというのではなくて、単に技術的な壁を乗り越えることに強い関心を持っていたのであろう。

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 考えてみれば、今回の事件は、法律で禁止されていることを行ったから犯罪容疑者として逮捕されたのであって、自らの技術に磨きをかけて、その技術を他の人と競い合う姿勢そのものは、逆に高く称えていいものである。
 ならば、こんな少年たちに、犯罪にならないチャレンジの場をうまく与える方法を考えることも大事だと思うが…。

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6月27日(月) 政治家に 続き今度は 宗教家? マナイタ上は 休むひまなし

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 テレビを観ていると、朝から、長野県にある善光寺が大きく映し出されていた。どうも、この善光寺の住職にあたる貫主という役職についている人が、寺に勤める女性職員にセクハラやパワハラも行ったということで、善光寺大勧進の信徒総代が辞任を勧告したという報道であったようだ。この頃は、宗教団体の中でも様々な権力闘争が行われる時代であって、信徒の皆さん方はそれをどう見ているのだろうと自分には直接関わりのないお寺のこととはいえ、気になってその報道を観てしまった。
 他のテレビ局ではどんなふうに報じているのだろうかという気にもなって、チャンネルを切り替えてみると、他の番組でも同じ問題を取り上げていた。この頃は、他局と違うトーンで報道すると、視聴者からのクレームがあるのだろうか、言論・報道の自由を旗印に、自主独立の番組制作を謳うマスコミ各局がここまで横並び姿勢になっていることに、強い違和感を覚えてならなかった。
 考えてみれば、少し前までこの時間帯を独占していたのは、舛添要一・東京都知事の公私混同疑惑であった。それが今度は、参議院議員選挙中で政治問題を取り上げにくいせいか、宗教界の疑惑。マスコミのワイドショー的番組が準備しているまな板の上は、手を変え品を変え、次々と疑惑の料理を調理して、休む暇なしという印象である。

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6月26日(日) 「日本的 霊性」それは、 禅、浄土 これ核心と 鈴木大拙

 「四国マグマ・アカデミー」の日。今回取り上げたのは、鈴木大拙著『日本的霊性』。この本のカバーには、こんな言葉が書かれていた。
 「現代仏教学の頂点をなす著作であり、著者が到達した境地がいかんなく示される。日本人の真の宗教意識、日本的霊性は、鎌倉時代に禅と浄土系思想によって初めて明白に顕現し、その霊性的自覚が現在に及ぶと述べる。大拙(1870~1966)は、日本の仏教徒には仏教という文化財を世界に伝える使命があると考え、本書もその一環として書かれた」と。

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 鈴木大拙氏は、ここにある通り、現代仏教学の頂点に立っていると評価されていた人であり、ノーベル平和賞の候補にもなったことがあるのだそうだ。日本における仏教思想を世界に広げていこうと努力された人生であったと言っていいだろう。
 この本の内容は、極めて難解であり、この短い文で紹介できるものだとは思わない。一言で言えば、私たちが通常使う表現である「精神」や「心」といったもののさらに奥にある、より根源的な存在である「霊性」を論じ、それを日本人が強く自覚することを通して、世界をより調和的で争いの少ない社会にしていくことを主張した本であると要約してもいいだろうか。少し乱暴だとは思うが…。

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6月25日(土) 人間が 頭の中に イメージを 描ける容量 超えちまったよ…

 週末になって、翌週の週間計画を取りまとめようとして、この一週間を振り返ってみた。なんとも慌ただしく過ごした日々で、頭の中が少しも整理できない。頭の中にとても収まりきらないという印象である。
 私にとってみれば、OAK・TREE7月号の最終作業に追われ、また、いくつかの月間誌に連載している原稿の締め切りにも追われた。少し前に亡くなった兄の法事もあった。一方、政治方面の関心としては、これからの日本の方向を決める参議院議員選挙の告示があり、少し前に辞任した東京都知事選の後継候補者選びの話題もあった。さらに昨日は、イギリスでのEU離脱の賛否をめぐる国民投票で、離脱派が勝利を収めた結果、国際社会にもさまざまな懸念が広がってもいる。

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 これらの一つひとつが相互に結びつき合って起きている現象ではないと思うが、いろいろなことに思いを巡らせようとして、それらがうまく頭の中に整理できない、そしてこれから先のことを思い考えてみようとしても、その先のイメージを描き切れない、そんな頼りない思いが胸にあるせいだろうか、自分の頭が孤空をふわふわと漂っているようなつかみどころのなさを感じてならない。
 一つのバケツにたくさんの蛇口から一気に水が流れ出てきて、あっという間にバケツが満杯となって溢れ出している…そんな心象風景である。

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6月24日(金) 英国の 国民投票 その結果 EU離脱と 首相の辞任

 イギリスで行われたEUからの離脱の賛否を問い掛ける国民投票の結果が、世界に大きな衝撃を与えている。
 その結果は、離脱に賛成という票が1,741万742票で投票総数の51.9%を占め、残留支持の1,614万1,241票(48.1%)を凌駕し、イギリスがEUから離脱する方針が決定した。

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 この離脱は、EUが1993年に発足して以来初めてのこととなり、今後のEUの進路に暗雲を投げかけた。また、EUを一つの大きな経済単位として捉えて展開してきたこれまでの世界経済にも、先行きの不透明感を与えていて、今後経済が萎縮するのではないかとの懸念を語るエコノミストも多い。
 今回の国民投票は、キャメロン首相が国論の分裂に決着をつけようと、自ら主導して実施したものであった。そして、英国残留のためにEUから一定の譲歩を引き出して臨んだ国民投票であった。それだけに、キャメロン首相の責任は重大であり、早速首相は、「英国国民の意思は実行されなければならない。それには新たな指導者が必要だ」と述べ、自らの首相辞職を表明した。英国政治も、これから混乱に陥らざるを得ないだろう。
 キャメロン首相にしてみれば、自分の思いが国民に受け入れられなかったのだから、去るのは当然という考え方であろうが、その後には、ずたずたになったユニオンジャック(英国国旗)が残されているという図である。

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6月23日(木) 沖縄の 25万の 戦死者の イタコが語る 現代日本

 沖縄では、太平洋戦争末期の戦いで犠牲になった人々を悼む「慰霊の日」を迎えた。この日は、沖縄戦において旧日本軍の組織的戦闘が終結したとされる日であり、その最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園で、「沖縄全戦没者追悼式」が開催された。
 この式典には、安倍晋三総理や翁長雄志・沖縄県知事も参列し、24万人を超える犠牲者に黙祷を捧げ、遺族に対して語りかけた。

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 私も、現役政治家時代には、数多くの戦没者追悼式に列席し、追悼の言葉を述べてきた。その時に感じていたのは、もう70年以上も前に亡くなった方々に追悼の言葉を捧げると言いながら、実際には、今という時代を生きている参列者に語りかけるということに対する違和感であった。結局は、国家の繁栄と家族の幸せを願いながら戦地に散華された皆さんの思いを受け止めて、今を生きる人たちのための政治を行う決意だと語らざるを得なかったのである。
 とは言え、私たちは、亡くなった人の声を聞くことができるわけではない。それを、あたかもその声を聞いたかのごとく語りかけていたことを思い返すと、青森県にある恐山で、霊の声を伝える「イタコ」のようなものだなと思う。
 この日の来賓挨拶等を聞きながら、「ああ、この人たちもイタコだ」と苦笑いしたのであった

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6月22日(水) 争点が 何やら分からぬ 参院選 これも知恵だと 言えなくないが…

 第24回参議院議員通常選挙が告示された。この日のうちに、389人が立候補を届け出て、改選定数121の議席をめぐって、これから選挙戦が展開されることになる。投票日は、7月10日である。
 今回の選挙で話題になっているのは、1つは、選挙権年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられること。今回の選挙から有権者となる若い人たちのインタビューがよくテレビに紹介されている。2つ目には、県境を越えての合区が行われて初めての選挙となること。合区された選挙区の有権者たちの声も紹介されている。それから3つ目には、安倍政権のもとで、憲法発議が可能になるかどうかということ。今回の選挙結果として、自民・公明、そして憲法改正に積極的な小政党が勝利を収め、改選121議席中の78議席を獲得することができれば、参議院でも3分の2を占めることができ、憲法改正に向けて一歩を踏み出すことができるという点である。

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 ここまで語ってきて、あれれと思うのは、政策次元の問題が、これらの中に含まれていないことである。もちろん消費税増税延期問題や安全保障をめぐる問題なども語られてはいるが、これらは必ずしもマスコミ上で大きな論点になっているようには見えないし、国民の間で強い関心が示されているわけでもない。これでは選挙といっても、争点のない選挙になってしまうのではなかろうか。
 もっとも、これも、和を以て貴しとなすという日本古来からの知恵といえなくはないのであるが…。

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6月21日(火) 釧路市の 商業施設で 通り魔事件 “僕の人生 終わらせたいと”

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 北海道の釧路市で、またもや異常な事件が発生。新聞配達員をしている男が、大型スーパー店内で、次々に女性4人に包丁で切りつけて、1人が死亡し、3人にけがをさせた。
 警察によれば、容疑者はいずれの被害者にも面識がなく、たまたまその現場にいた人たちを無差別に襲撃したのではないかということだ。しかも、その後の調べに対して、容疑者は、「僕の人生を終わらせたくて、殺人が一番死刑になると思って、人を刺した」と供述しているのだそうだ。
 この容疑者が、どのような境遇に置かれていたのかは知らないが、何とも身勝手な言い分である。厳しい言い方かもしれないが、自分の人生を終わらせたいというのならば、別の道がいくらでもあるはずだ。見ず知らずの人に襲いかかって、その命を奪えば、自分は死刑になるはずだなどという、とんでもなく乱暴でバカバカしい論理が、どうしてこの男の頭の中で生まれてきたのか。
 おそらくは、世の中に対して怒りや恨みを持っていたので、その怒りや恨みを何かにぶつけたいという気持ちもあったのであろうと想像はされるが、それならば、襲うべき相手は、そんな社会を生み出している張本人に向けられるべきで、見ず知らずの女性ではないはずである。
 結局は、甘えているとしか言いようがない。今の日本社会が、こんな甘えによって崩れていきかねないことに、大きな危機感を抱いたのであった。

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6月20日(月) 高浜の 老朽原発 運転認可! 電力業界 嵐の中で

 原子力規制委員会は、この日の午後、稼働から40年を超えている関西電力高浜原子力発電所1・2号機の運転延長を正式に認可。その期間は、20年間ということであるが、これは、老朽原発の運転延長が認められた初めての事例である。国のエネルギー政策では、将来の電源に占める原発の比率を20~22%としているが、その目標達成に向けて、具体的な取り組みが動き始めたという印象である。

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 今電力業界は、嵐の中にある。関西電力も、東日本大震災以降、長い間、発電原価の安い原発の再稼働ができず、4年連続で経常利益が赤字となっていた。また、電力販売をめぐっては、その自由化が進められていて、様々な業界から発電分野や売電分野に新規参入が続いている。火力発電所に使われる石炭や石油の値段は、変動が激しくて、将来の見通しが立ちにくい。さらに、地球環境問題との関連で、二酸化炭素排出量の規制も、これから一層強化されてくるに違いない。
 これら様々な変動要因や制約条件の中で、かつては殿様商売とも呼ばれた電力業界であったが、今やその生き残りをかけて、なりふり構わずに突き進まなくてはならない経営環境なのであろう。そうであっても、安全対策だけは怠りのないようにきちんとした対応をして、再稼働をしてほしいものだと心から念じたのであった。

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6月19日(日) 膵ガンで 余命僅かの 大学教授 最後の授業は 自分の生き様

 「教師人間論ゼミ」の日。今回取り上げたのは、カーネギーメロン大学で教授を務めていたランディ・パウシュ氏が残した『最後の授業~ぼくの命があるうちに』という本であった。ここで「残した本」という表現をしたのは、このパウシュ氏は既にこの世にいないからである。彼は、膵臓がんが肝臓に転移し、余命があと僅かであると宣告される中で、教壇に立ち、「最後の授業」を行うのである。そして、それから約1年後、この世を去った。満年齢で47歳であった。
 この「最後の授業」は、動画でインターネット上に公開された。そうすると、短期間のうちに全米で600万人もの人たちがこの授業を聴講したのである。そして、出版された本も、世界中でベストセラーとなった。

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 このパウシュ氏は、この授業を行うと決断したときに、「傷を負ったライオンは、まだ吠えられるかどうかを確かめたい、これは、威厳と自尊心の問題だ」と反対する妻に語り、子供たちに「自分が人生を生きた場所での記録を残したい」と説得したのだそうだ。その最終講義の内容は、自分が専門に研究してきた技術分野ではなく、自分の人生のこと、具体的には『子供のころからの夢を本当に実現するために』というタイトルで、夢を次々に実現してきた人生を、会場一杯の聴講者に語りかけたのであった。
 残り僅かの人生と知って、自分ならばどんなメッセージを残そうとするだろうかと、考えさせられたのであった。

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6月18日(土) 明日よりは 18歳の 青年も 有権者なり! “権利と義務”の 言葉飛び交う

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 明日6月19日に、「改正公職選挙法」が施行となる。今回の改正では、1945年に20歳以上の男女全てに選挙権が与えられて以降、70年ぶりに選挙権拡大が行われるということで、大きな話題になっている。具体的に言えば、18歳以上の男女全てが有権者となるということである。これにより、全国民に占める有権者比率は80%を超えるのだそうだ。テレビなどを見ていても、今回初めて有権者となる18歳、19歳の若者たちに、マイクを向けてインタビューをしているが、これからの日本の姿を決める選挙に向けて、国民としての権利を行使して、責任を果たせるようにしたいと殊勝な発言がなされている。もっとも、そんな前向きの意見を持つ青年たちの声だけを特に拾い上げて紹介しているのだろうとは思うが…。
 選挙権というのは、明らかに「権利」である。しかし権利には同時に義務が伴うというのが常識である。ここで気がかりなのは、日本国内で、一般的に、老若男女を問わず権利主張を強めることばかりが強調され、もう一方の義務については、その影が薄くなっているのではないかということである。是非若い人たちには、今回の選挙権拡大に伴って、権利が広がるというだけでなく、義務も大きくなってくるのだということに十分に思いを巡らせていただきたいものだと思う。そうしないと、社会のバランスがおかしくなって、国が成り立たなくなってくると考えるからである。

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6月17日(金) 英国の 国会議員の 暗殺に 007を 連想したよ

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 イギリスで、女性下院議員が銃で暗殺された。その議員は、ジョー・コックス氏、41歳。昨年5月の総選挙で初当選したばかりの議員ということであるが、難民問題や移民問題に熱心に取り組んでいて、今イギリスで国民投票を目前にしているEU離脱問題に関しては、残留を支持する立場で活発に活動していたという。
 一方、今回暗殺を行った男は、52歳。犯行時に、「Britainfirst(英国が第一)」と叫んだとの証言もあり、コックス議員が、日常から人種や宗教などを越えて活動をしていたことに対して、強い反発を持って行った、確信的犯行ではなかったかと、ニュースでは報じている。
 このしばらく、アメリカでの銃を用いた事件が注目を集めていたが、イギリスでこの種の事件が政治家を対象にして発生したことは、大きな衝撃であった。特に先に述べたとおり、もう6日後には、英国社会を大きく分断し、対立を強めているEU離脱問題についての国民投票が行われることになっており、この国民投票との関連で、この暗殺事件を取り上げる論調もあるようだ。
 イギリスといえば、「007」を連想する。裏社会でのスパイたちの暗躍による諜報戦と謀略…。今回の事件が、そのような活動の一環として行われたものだと思いたくはないが、なんとも不気味な事件であった。

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6月16日(木) イチローの プロ通算の ヒット数 世界一なり 異論もあれど

 米大リーグ、マイアミ・マリーンズのイチロー選手が、日米通算のヒット数を4,257とし、ピート・ローズが持つ大リーグ通算4,256の記録を超えた。イチロー選手の場合は、日本プロ野球での1,278安打に、アメリカ大リーグでの2,979安打を加算したものであり、必ずしも、同列で比較できるものではないが、毎年大量安打を記録し、しかも42歳を超えてまだ現役選手を続けているイチロー選手の気力と努力に心から拍手を送りたいと思う。

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 この試合を終えた後、イチロー選手は、いつもながらのクールな表情で、「大きなことという感じは全くしていない。チームメートやファンの祝福は嬉しいが、それがなかったら、何にもたいしたことではない」と語り、これからも淡々とプレーを続けるだけという気構えを示した。
 しかし同時に、「僕は子供の頃から人に笑われてきたことを常に達成してきているという自負がある」と語り、多くの人が記録にばかり注目するけれども、実はいちばん大事なことは、自分の生き様であり、考え方であるという気持ちも吐露していた。
 このイチローの新しい記録達成の報道に対して、大リーグ最多安打記録を持つピート・ローズ氏は、「日本のリーグが大リーグと同じレベルにあるとは言えない」と語り、疑問を呈していたが、これも正論。しかしそういうことを言い始めると、きりがない。もっと単純に考えていいことだろうと思う。

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6月15日(水) 東京都 舛添知事が 辞職せり 内堀までも 埋め尽くされて

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 政治資金の私的流用問題などで批判を受け、その去就が注目されていた東京都の舛添要一知事が、ついに都議会議長に辞職願を提出。この日午後に開かれた都議会本会議で、全会一致でその辞職が承認された。
 少し前までは、舛添知事自身は、この問題は乗り切れるものと考えていたようである。第三者の弁護士に調査を依頼し、その結果、不適切な支出があるものの法律違反にはならない、との報告書が出されていたからである。そして、その不適切と指摘された支出に対しては、それを返却したり、福祉団体などに寄付をする形でけじめをつけたとし、それで一件落着になると考えていたのではあるまいか。
 しかし、今回の問題は簡単におさまらなかった。最初に火をつけた週刊誌のみならず、他のマスコミも知事辞職を求める厳しい論調となり、都議会野党各党が知事の辞職を求めた。それだけならば外堀が埋まっただけのことであるが、知事が頼りにしてきた、都議会における自民党や公明党など与党側まで辞職を求め、さらに参議院選挙の影響を恐れる首相官邸も、それに同調して辞職を求めるスタンスとなった。そこで、内堀が埋め尽くされて、白旗を掲げざるを得なくなったということであろう。
 そうなると、もう関心は、次の都知事候補が誰になるかに向かっている。「政治家は哀しからずや」という印象…。

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6月14日(火) 関東で 心配される 水不足 水源地域で 雨少ないと…

 このしばらく雨が降り続いていると思っていた日本列島で、少し耳を疑いたくなるようなニュースが報じられた。関東の利根川水系で、16日午前9時から10%の取水制限を行うという発表がなされたというのである。
 その報道によれば、6月13日午前0時現在で、利根川上流に設置されている8つのダムの貯水率は37%まで落ち込んでおり、これはこれらダムが稼働を始めた1992年以降では最低だという。さらに、規模が大きい八木沢ダムにおいては、その貯水率がわずか10%に過ぎないのだそうだ。水がめの水が少なくなってきているのだから、取水制限も当然のことである。
 梅雨のシーズンであるから、これから雨が降らないわけではなくて、思いがけず大量の降雨があって、一気にそれぞれのダムの貯水量が増加することもあるだろう。だから、今の段階で、取水制限が行われたというのは、万が一に備えてのことと考えるべきだろう。

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 それにしても、何事においてもそうかもしれないが、世の中というものは、なかなか思い通りにはならないものだ。先に述べたとおり、関東南部地域では嫌になるくらい雨が降り、生活上の不便をもたらしている一方で、水を溜め込むべき関東北部地域ではほとんど雨が降らない…。夏目漱石が、『草枕』の冒頭で、「兎角に人の世は住みにくい」と嘆いた気持ちがよくわかる気がしたのであった。

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6月13日(月) セウォル号 引き揚げ作業が 本格化! それを横目の 東京都知事…

 隣国・韓国では、多くの修学旅行生と共に沈没した船「セウォル号」の引き揚げ作業が本格化しているのだそうだ。この引き揚げによって、まだ発見されていない乗客の発見と、沈没原因の解明が期待されているのだそうだ。

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 一方、目を東京に転じてみると、そこには、この引き揚げ作業を横目で見ている人がいる。舛添要一・東京都知事である。舛添知事においては、数々の公私混同疑惑が取り上げられていて、それらがマスコミからの集中砲火を浴び続けている。幾度かの記者会見も、開いてはみたものの必ずしも衆目が納得できるような説明を行わなかったため、かえって疑惑を深める結果になってしまった。
 そして今日は、いよいよ東京都議会の総務委員会である。ここでは、質問の事前通告をせずに、委員は自由に一問一答形式での質問を行うことができる。それだけに、事実関係がより明らかなものになる可能性があり、逆に言えば、舛添知事が進退極まる状況に追い込まれる可能性もある。それだけに、マスコミでも、この問題がトップニュースとなっている。
 今日のイラ短日記では、それに臨む舛添知事の心境を想像しつつ描いてみた。「疑惑については引き揚げないで、私の人気を引き揚げてほしい…」と。
 そんな虫のいいことにはおそらくなるまい。いずれにしても、舛添知事、今日の委員会が、正念場の舞台である。

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6月12日(日) アメリカの ナイトクラブで 銃乱射! 背後にあるのは トランプ思想?

 アメリカ・フロリダ州オーランドのナイトクラブで、男が自動小銃などを乱射して、49人が死亡、53人が負傷したという。アメリカで起きたこの種の銃乱射事件としては、史上最悪なのだそうだ。
 この事件を引き起こした犯人は、29歳の若者。両親がアフガニスタン出身のイスラム教徒だという。彼は、事件の最中に、ISへの忠誠を誓う電話をかけていたそうだ。また、このナイトクラブが、同性愛者たちが数多く集まる場所でもあったことから、イスラム教の教義に反する場所を襲撃する意図があったのかもしれない。
 この数日前には、同じオーランドで、歌手のクリスティーナ・グリミーさんが銃殺される事件が起きたばかりであり、アメリカ国民に大きな衝撃を与えているそうだ。

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 これら事件の背景は十分に解明されているわけではないので、安易に断定することはできないが、私には、今年末のアメリカ大統領選挙において共和党候補になる予定の不動産王・トランプ氏の思想が影を落としている気がしてならない。トランプ氏の思想というよりも、その過激な主張に強い共鳴を生み出している現代アメリカの空気という方が正しい言い方かもしれない。
 それは、「対立を顕わなものとし、異質のものを排除する」という考え方である。それが生み出す憎悪の感情は、当然対立する相手の憎悪も大きく膨らませる。そして、相手の命を奪い取ることをむしろ正義と考えるようにもなるのであろう。アメリカ社会の深刻な病理現象だと思う。

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6月11日(土) 安倍さんは “逃げ隠れ総理”と 岡田さん… こんな総理じゃ 恥ずかしいとも…

 野党民進党の岡田克也・代表は、滋賀県草津市で、記者団に向かって、「安倍総理は“逃げ隠れ総理”じゃないか」と語ったそうだ。
 何を指してこのような発言が出たかといえば、第一には、国会閉会の記者会見で初めて、消費税の引き上げ延期を表明したこと。このタイミングで発表したのでは、国会でこの決断に対する議論を一切行えないではないかと批判したのである。これは確かに正論である。国民を代表して選ばれた国会議員から、国家の重要問題に関する質問の機会を奪ったわけだから、問題であるといえば、そのとおり。
 しかし同時に、民進党の議員は、国会議員の声よりも国民の声を直接聞けといった趣旨の発言をよくする。その論に基づけば、今回の場合は、参議院議員選挙という舞台において、直接国民の声を聞くわけだし、さらにはその国民の判断を仰ぐということであるから、それでよいではないかという主張も成り立つだろう。

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 そしてもう一つ取り上げていたのは、安全保障問題。民進党の立場から反論できない演説会などで、一方的に「民進党にまかせたら日米安保は崩壊する」などと語るのは、議論から逃げている姿だというのである。しかしこれも、ならば民進党が主催する演説会で、自民党などに反論する機会を与えているかといえば、そうではあるまい。
 結局は、岡田代表は論理的に話をしているようで、至って感覚的な主張をしているのである。だからこのときも、最後には、「こんな総理じゃ恥ずかしい」というよく分からない言葉で、安倍批判を締めくくったということのようだ。

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6月10日(金) 最後まで 接戦だった ペルーの選挙 やっと決着 国二分して…

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 日系人のケイコ・フジモリ候補が当選するかもしれないと、日本国内でも注目されたペルーの大統領選挙。この決選投票が行われたのは、6月5日。この投票日から開票が始まり、以来5日間、開票が進んでもなかなか勝敗が決するに至らず、ようやく今日になって、その決着がついた。当選は、元ペルー首相であったペドロ・パブロ・クチンスキー候補。その得票率は50.12%。一方のケイコ・フジモリ候補は、得票率が49.87%であり、票差で言えば、わずか4万1,438票であった。まさに、国を二分して行われた大激戦であったと評価すべきであろう。4月10日に行われた第一回目投票では、ケイコ・フジモリ候補が39.85%の得票を得てダントツのトップであった。一方今回当選したペドロ・パブロ・クチンスキー候補の方は、21.0%。この差を乗り越えて、クチンスキー候補が当選を果たした背景には、ケイコ・フジモリ候補の父親のアルベルト・フジモリ元大統領の強権的な政治手法に対する強い批判があったのだそうだ。
 しかし、ペルー議会の議席数で言えば、ケイコ・フジモリ候補が代表を務める「人民勢力党」が、130議席中の73議席を占めていて、過半数の勢力を維持している。一方当選したペドロ・パブロ・クチンスキー候補を支持する「変革のためのペルー国民」の方はわずか18議席に過ぎない。今後、どのように政権運営がなされることになるか分からないが、ペルーの国は、大きく地割れを引き起こした状態で進んでいくこととなりそうである。

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6月9日(木) 新元素 その名称は ニホニウム 気持ちは分かるが ピンと来ないね…

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 理化学研究所が合成に成功したと国際的に認められた、原子番号113番の新元素が、「ニホニウム」と命名される見通しになった。そしてそれを受けて、この研究チームの森田浩介・グループディレクターが記者会見。その中で、森田氏は、「(日本の国名に因む命名ができて)国民に恩返しできた」と語った。
 この命名に対しては、通常は国家礼賛的な動きに対して批判的であるマスコミ各社も、一様に好意的であり、「これは日本にとって大きな誇りである」とか、「日本の若者たちに夢を与えるいい話だ」といった論調でこのニュースを伝えていた。
 それを聞きながら、私は違和感を禁じ得ないところがあった。科学技術の成果というのは、人類社会全体の財産であって、それに特定の国名を連想させる名称をつけるということになんとなく戸惑いを感ずるところがあったからである。そしておそらくは、森田グループディレクターも、その点が気になったのであろう。あえて、この記者会見の中で、「人工元素で最も作られたのは、原爆や原発に使うプルトニウム。新元素発見の歴史は、こうした原爆開発と不可分。そのルーツを忘れてはいけない」と語ったのだそうだ。
 これまでの歴史を振り返っても、自国や自国民を過度に礼賛する風潮の後には、国家が大きくつまずくことが多かった。今回の新元素発見がそうだとは言わないが、注意して見ていかねばならないことだと私は思った。

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6月8日(水) 池田小 事件からはや 15年 秋葉事件も もう8年とや…

 今日は、大阪教育大附属池田小学校に刃物を持った男が乱入して児童8名の命を奪った「池田小事件」から、ちょうど15年目を迎える日であった。そしてまた、歩行者天国中であった秋葉原の交差点に自動車を突っ込ませ、その辺りにいた人たちを次々に刃物で刺し殺した「秋葉原通り魔事件」から、ちょうど8年目という日でもあった。

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 同様の事件がこの6月8日という同じ日に起きたことに、何らかの理由があったのかどうかは知らないが、犯人と全く「無関係」の人々に対して、その犯行の動機もよく分からない「無意味」な殺傷が行われた、「無茶苦茶」な犯罪が、白昼堂々と行われたことに対して、次は誰がその対象になるか分からないという不安感を抱いた人も多かったのではあるまいか。事件が起きたその当時には、その心理的な背景や社会的な背景などについて、あれこれと論じる人たちの姿がテレビ上に散見されたが、その議論には一定の収束点があったのであろうか。
 何らかの衝撃的な事件が起きると、一時的に大騒ぎして、その背景を探る動きが行われるが、時間が経つうちに人々の関心が薄れ、いつの間にかうやむやのままに幕が引かれてしまう。そんなことの繰り返しではあるまいか。そして、また同様の事件が起きてしまう。このしばらくは、アメリカで動機が不明の銃乱射事件がよく起きているが、それらも、その背景が調査され効果的な対策が打ち出されているとはとても思えない。この曖昧さが人々の不安感をさらに募らせている気がしてならないのである。

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6月7日(火) 米中に 波立ち騒ぐ 戦略対話 米もそろそろ 我慢の限界?

 北京で開催されていた米中戦略・経済対話が、今日閉幕。人民大会堂で、米中双方の責任者が並んで記者会見を行ったが、米中の思惑の違いがかえって深まった印象であった。
 主な対立点は、一つは南シナ海を巡る海洋権益に関する主張の違い。このしばらく、中国は南シナ海に人工島を造成して、そこを軍事拠点化していこうとする動きを強めているが、それに反対する米国に対して、中国は、全く妥協的な姿勢を見せなかったようである。記者会見に臨んだ楊国務委員は、「中国には断固、領土・主権と海洋権益を守る権利がある」と主張し、この問題に関しては一歩たりとも譲る考えのないことを示した。
 また、人権問題に関しても、それを強く批判する米国に対して、「中国の人権状況は、大きく改善している」と強弁した模様。中国にしてみれば、経済的な協力関係を材料に使いながら米国との交渉を続けていけば、だんだんと中国の立場は好転するという楽観的な見通しを持っているということであろう。

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 しかし現実には、米国側も、中国の力ずくの交渉姿勢には、そろそろ我慢の限界という気持ちが生まれてきている気がしてならない。特に軍を中心にして、中国の身勝手な主張を許してはならないとする強硬派が発言力を強めているのではあるまいか。
 東アジアが少しキナ臭くなってきた気がしてならない。

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6月6日(月) ゲームだね 知事サバイバルの 駆け引きが 関心集め 爆発寸前!

 舛添要一・東京都知事は、これまで数々報じられてきた政治資金の公私混同疑惑について、その調査を行ってきた元検事の弁護士2人とともに記者会見し、その調査報告書を公表した。
 その報告書によれば、宿泊費と飲食費の計約114万円分や、美術品や書籍の購入費の一部などが、政治活動と認めるには不適切な支出だったと指摘している。ただし、そのいずれについても、政治資金規正法が必ずしもその使途を厳格に規定しているものではないため、「違法性は認められない」とした。
 そして舛添知事は、この指摘に対して、宿泊費と飲食費の不適切分については、個人資産から返金して慈善団体に寄付し、約315万円分の美術品は、将来の寄付を前提として都の施設などで活用するとした。また、神奈川県湯河原町にある別荘については、売却すると言明した。

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 ただ、これまでの知事の説明の中で事実関係が不明瞭だった部分については、今回の記者会見でも必ずしも明らかにならず、ますます不信感を増大させる結果となったのではないかと報じられている。
 私は、舛添知事の対応ぶりから、まるでテレビゲームを見せられているような印象を受けた。あくまでも知事がいかにサバイバルするかという駆け引きに終始していたと感じられたのである。その駆け引きがマスコミ上で多くの人たちの関心を呼び、その不信感は、今、まさに爆発寸前という印象である。

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6月5日(日) ホーキング 未来を語る… 人類は 科学技術で 進化をするって…

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 6月のフォレスト・トレンド勉強会。今回取り上げたのは、『ホーキング、未来を語る』という本。
 ホーキング氏は、イギリスの理論物理学者。ブラックホールがやがて消滅するという理論(ホーキング放射)を発表したり、宇宙創生直後に小さなブラックホールが多数発生していたという理論を発表したりして、現代宇宙論に大きな影響を与えてきた人物である。
 しかし、世界中の人々に広く知られているのは、その科学者としての業績以上に、様々なベストセラーを発表してきたサイエンスライターとしてである。また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症して体が不自由となり、発声することさえも叶わない状況でありながら、車いすや音声発生装置などを駆使して精力的に活動を続け、多くの障害者に勇気を与えているその生き様である。
 ホーキングがあらゆる物事を考える足場は、大宇宙である。広大な宇宙空間と悠久の時間の流れの中に、これから人類がいかに生きていくべきかということも問い掛けている。今回取り上げた本の中でも、人類進化というものを、ただ単に生物学的意味で捉えるだけではなくて、情報社会との関わり合いの中で考えている。そして、未来に向けて、人間のDNA改変の可能性までもその思索対象として取り上げている。
 急速に進歩発展する科学技術時代に、人類がいかに生きていくか、とても大きな問題提起があった勉強会であった。

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6月4日(土) チョウと舞い ハチと刺すなり このアリは リングの外でも ボクサーだったね

 ボクシングの元ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリ氏が死去したと報じられる。74歳であった。
 アリ氏は、1960年のローマオリンピックで金メダルを獲得した後、プロに転向し、1964年には、世界ヘビー級チャンピオンとなり、世界中にその名を轟かせた。自らが「チョウのように舞い、ハチのように刺す」と語った華麗な闘い方が多くのファンを魅了した。引退後は、パーキンソン病を発症し、長い闘病生活に入ったが、その間、1996年のアトランタオリンピックでは、その震える手で開会式の聖火台に火を灯し、世界中の人々の感動を呼んだ。強いカリスマ性を備えたボクサーであった。

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 アリ氏は、ボクシングの世界で名を馳せただけではない。黒人差別撤廃の公民権運動の象徴でもあった。また、ベトナム戦争では、「ベトコンと戦う理由が俺には無い」と徴兵を拒否し、チャンピオン位を奪われるということもあった。言うならば、ボクシングのリング上でのファイターであったというだけではなく、リングの外でも、社会の矛盾や差別などと闘い続けたファイターであったということができるだろう。
 このアリは、ただせっせと働くだけのアリではなく、時には大きな羽をつけたら華やかなチョウになり、またある時には、毒針と忙しく動く羽をつけたらハチになるというアリだったのだと改めて感じ、その死を悼んだ一日であった。

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6月3日(金) 山中に しつけのためと 置き去りの 小学生が 発見されたよ

 北海道七飯町の山中で行方不明になっていた、北斗市の小学2年生、田野岡大和君が、5月28日に行方不明になって7日目に無事発見される。それまで、地元の警察や消防団、自衛隊などが、連日数百人体制で捜索に当たったけれども、何の手がかりも発見されていなかっただけに、関係者に喜びや安堵が広がった。
 発見されたのは、自衛隊の演習場内にある宿営施設。この施設は捜査対象になっていなかったもののようで、偶然発見されたという。この数日間冷え込む日もあり、もし屋外にいれば低体温症などで命を失っていた可能性もあったという。この施設に、水飲み場があったことも幸運であった。いずれにしても、ハッピーエンドでこの事件が決着したことは何よりであった。

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 しかし、国を挙げて大騒ぎした事件であっただけに、少なからぬ問題も残した。その最大の問題は、子どものしつけに関するものである。親には、当然のことながら子どもを健やかに養育する責任がある。そしてそこには、厳しいしつけも必要とされるが、それは同時に子どもの人権に十分に配慮したものでなくてはならないのである。今回の場合は、人目もなく強い恐怖心を呼び起こす山中に、たった一人で子どもを放置したことが、本当にしつけに値することであったのかどうか、議論が沸騰した。むしろ親のほうにしつけが必要ではないかという声もあったように思う。この問題が、これからしばらく尾を引きそうである。

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6月2日(木) 日本の 経済財政 方針が 閣議決定! 歪みが気がかり…

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 政府は、「経済財政運営の基本方針(骨太方針)」と、「ニッポン一億総活躍プラン」「日本再興戦略2016」「規制改革実施計画」を閣議決定。今後の安倍政権の経済財政を巡る基本的政策方向が示された。
 特に注目すべきは、骨太方針中に、消費税10%への引き上げを「2019年10月に延期」と明記されたこと。しかしその一方で、国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2020年度中に黒字化する目標は堅持した。これについては、多くの人たちから「二兎を追う者は一兎をも得ず」になりかねないと、この実現が困難との批判がなされている。確かに、税収増を先送りしながら財政は健全化するというのでは、その答えは歳出削減しかない。しかし、先のG7サミットで、国際経済の困難を前に、各国が財政出動も含むあらゆる手段を取るという方針で合意していることから、安倍政権が思い切った歳出削減に踏み込める状況でもない。
 結局は、日本の経済財政の足場部分において、経済成長プレートと財政健全化プレートが激しくぶつかり合う状況が生まれていると言うべきであろう。その断層部分には、これまでも大きな歪みが蓄積されてきているが、これから先、さらにそれが加速されていくということになるのではなかろうか。つまり日本列島は、経済財政分野においても、大型地震発生のリスクを高めているということである。くわばらくわばら…という印象である。

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6月1日(水) 国会を 閉じて総理が 記者会見! もう泡が無し 「真夏のビール」?

 今日、通常国会が閉会。今国会での政府提出法案の成立本数は、わずかに54本。TPP承認や高所得者の労働時間規制を外す労働基準法改正などの重要な法案などは先送りとなった。これには、4月に発生した熊本大地震に対する対応を優先しなくてはならなかった事情や、TPP担当の甘利大臣の辞任問題などの特別な事情があったと同時に、夏の参議院議員選挙前に、与野党が厳しく対決する法案提出をあえて避けたという事情もあったようである。

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 ともかくも、この閉会を受けて、安倍総理が記者会見。今国会を振り返ると同時に、今後の政治に対する考え方を国民に語りかけた。とりわけ今回の記者会見で注目されたのが、少し前に総理が決断した消費増税延期問題。これは、前回延期したときに、来年4月には必ず実施すると断言していた課題であり、その釈明会見という意味合いが強い記者会見であったが、国民の多くはこの総理の決断を支持しており、この約束違反に対する記者からの追及も、いささか迫力に欠けるものであった。
 この記者会見で安倍総理は、参議院議員選挙における目標は、「連立与党で改選議席の過半数の獲得」と語った。改選現有議席が59議席であり、過半数議席が61議席であることを考えれば、ほぼ現状維持の目標であり、穏便な目標設定と言うべきであろう。
 端的に言って、この夏の参議院選挙に向けての「ガス抜き記者会見」であったと思う。あまり泡立ちそうにない夏のビールが、目の前に示された印象である。

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