9月5日(木) 京急と 貨物トラック 衝突し レモンの不安が 世に広がれり…
この日の正午前、横浜市神奈川区の京急線踏切で、京急の快特電車と、大型貨物トラックとが激しく衝突し、多数の死傷者が出た。事故原因は、大型トラックが幅の狭い踏切に侵入し、そこで立ち往生したことのようである。
その事故現場の映像がテレビで放映されていたが、そこには、多くの果物が散乱していた。テレビでは、レモンが散乱と表現をしていたが、私は、オレンジではないかという気がした。あるいは、様々な種類の柑橘類を積載していたということなのかもしれない。
その映像を見ていた時に、なぜか、高村光太郎の詩集『智恵子抄』の中の「レモン哀歌」を思い浮かべていた。「そんなにもあなたはレモンを待っていた」という文章で始まる、妻・智恵子の最期の場面を謳った詩である。その詩の醸し出す不安感が、私の意識の中にも、静かに漂ってきた気がしたのであった。
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